ワイヤレスイヤホンの地味な弱点として知られるペアリング切り替え勝手の悪さ。
違うデバイスにペアリング接続先を切り替えるたび、まず先に現在のペアリング接続を解除する必要がある。
この面倒くささを取っ払ったワイヤレスイヤホンが、この記事で紹介する「スマホ・PC間のペアリング切り替えが簡単なワイヤレスイヤホン」。
より具体的に言うと「現在のペアリング接続を解除せずに、Bluetooth設定画面からイヤホン名を選択するだけでペアリング接続先が切り替えられるワイヤレスイヤホン」だ。
以下では、これまで筆者がレビューしてきた製品の中から同仕様に対応する製品だけ抜粋して紹介する。
この記事の目次(タッチで移動)
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ワイヤレスイヤホンのペアリング切り替え方法について知っておきたいこと
ペアリング接続先を切り替えるには、まず先に現在のペアリング接続を解除する必要あり
ワイヤレスイヤホンは、違うデバイスにペアリング接続先を切り替えるたびに、まず先に現在のペアリング接続を解除する必要がある。
解除するには現在のペアリングデバイスのBluetoothをオフにしたり、あるいはイヤホンを再起動する手間あって面倒だ。
一部メーカー品なら現在のペアリング接続を解除する必要なし(※この記事の主題)
この記事で紹介する「スマホ・PC間のペアリング切り替えが簡単なワイヤレスイヤホン」であれば、ペアリング切り替え都度、現在のペアリング接続を解除する必要なし。
もっぱらApple、パナソニック、サムスンあたりのワイヤレスイヤホンが同仕様に対応する。
いずれもBluetooth設定画面からイヤホン名を選択するだけで当該デバイスにペアリング接続先が強制的に切り替わる。
同機能の正式名称らしい名称なし、「マルチペアリング」とは微妙に意味合いが異なる
同機能の正式名称らしい名称なし。当サイトで製品レビューするときは「ペアリング接続先の上書き切り替えに対応」などと記載している。
ネット情報だと「マルチペアリング」を同機能の正式名称かのように取り扱う情報もある。
ただ、あくまでマルチペアリングは複数デバイスのペアリング設定情報が記録できる機能名称に過ぎない。記録できるだけで上書き切り替えを担保しているわけではない。勘違い注意。
特定2台のデバイス間で使いまわすだけなら「マルチポイント」でも十分
通常のワイヤレスイヤホンだと1台のデバイスとしか接続できない。
対してマルチポイント機能に対応したワイヤレスイヤホンなら最大2台(or 3台)のデバイスを同時接続できる。
なにかしらオーディオ再生しているデバイス側に自動で音声出力先が切り替わるため、そもそもペアリング接続先を手動で切り替える必要がなくなる。
特定2台のデバイス間でワイヤレスイヤホンを使うだけであれば、こうしたマルチポイント対応ワイヤレスイヤホンでも十分だ。
1万円くらいで買えるおすすめワイヤレスイヤホン5選
1. パナソニック「Technics EAH-AZ40」(価格8,000円)
パナソニック「Technics」ブランドモデルの旧世代モデル(2021年モデル)。2023年時点で後継機が登場したが、現在も販売継続中。価格は1.5万円→8,000円前後に値下げ。
ペアリング接続先の上書き切り替えに対応。ペアリング切り替え都度、現在のペアリング接続を解除する必要なし。
また、さりげなくマルチポイント機能にも対応。最大2台のデバイスを同時接続できる。
2台のデバイス間で使うだけならマルチポイントで、3台以上のデバイス間で使う場合でもマルチポイント+ペアリング切り替えで対処可能。U1万円のワイヤレスイヤホンとしては非常にペアリング勝手よし。
2. OPPO Enco Air2 Pro(価格8,000円)
2022年8月発売。価格8,000円でノイズキャンセリングに対応したコスパモデル。
ペアリング接続先の上書き切り替えに対応するほか、マルチポイントに似たOPPO独自機能「クイックチェンジ」にも対応。
イヤホンのタッチセンサーを4秒長押しすると1つ前に接続していたデバイスにペアリング接続先が切り替えられる。特定2台のデバイス間であれば同機能だけでペアリング接続が行き来できて便利。
3. Google「Pixel Buds A-Series」(価格1万円)
2021年8月発売。Google Pixel Budsの通常版モデル「Pixel Buds A-Series」。
相場価格は1万円前後だが、ときたまイオシスで新品5,980円の販売あり。先にイオシスを覗いておいた方がいい。
上位版モデルと異なりマルチポイントには対応しないが、ペアリング接続先の上書き切り替えには対応。Bluetooth設定画面からイヤホン名を選択するだけでペアリング先が切り替わる。
音質や機能面で特色なく全体的に地味なワイヤレスイヤホンだが、ペアリング勝手のよさの1点において購入する価値はある。
4. Amazon Echo Buds(第二世代)(価格12,980円〜)
2022年2月発売。Amazon純正ワイヤレスイヤホン。Amazonセール期間なら最安6,980円〜購入可能。
ペアリング接続先の上書き切り替えに対応。Bluetooth設定画面からイヤホン名を選択するだけでペアリング先が切り替わる。
また、追加アップデートでマルチポイントにも対応。最大2台のデバイスを同時接続できる。
音声UI「アレクサ」を内蔵したEcho製品として展開されるものの、それ以上にペアリング勝手のよさが際立つ。複数デバイス間で使いまわすためのワイヤレスイヤホンを探している人でも検討余地あり。
5. ファーウェイ「HUAWEI FreeBuds 5i」(価格1.2万円)
1.2万円で買えるファーウェイの全部盛りワイヤレスイヤホン。
ノイズキャンセリング、LDAC、マルチポイントなどもろもろ使える。
ペアリング接続先の上書き切り替えにも対応。複数デバイス間で使いまわすためのワイヤレスイヤホンとしても勝手よし。
【メーカーごと】ペアリング接続先の上書き切り替えに対応してるワイヤレスイヤホンまとめ
Apple
対応モデル一覧
- AirPods Pro(第2世代)
- AirPods(第3世代)
- AirPods旧世代モデル
- Beats Fit Pro
- Beats Studio Buds+
- Beats旧世代モデル
【現行モデル】AirPods Pro(第2世代)(価格39,800円)
2022年9月発売開始。3年ぶりにリニュアルされたAirPods上位版モデル「AirPods Pro」。
Apple自社開発チップ「Apple H2」を初搭載。AirPods Proの代名詞たるノイズキャンセリング性能(遮音性能)を強化した。
ペアリング接続先の上書き切り替えに対応するほか、Appleデバイス間に限った事実上のマルチポイント接続が可能。iPhoneユーザーなら選びたい。
【現行モデル】AirPods(第3世代)(価格27,800円)
2021年10月発売開始。ノイズキャンセリングに対応しない通常版AirPodsの現行モデル(第3世代モデル)。
ペアリング接続先の上書き切り替えに対応。Appleデバイス間に限ったマルチポイント接続も可能。ペアリング勝手はAirPods Proと変わらない。
iPhoneユーザーでペアリング勝手を重視したワイヤレスイヤホンを探している人なら検討余地あり。
旧世代モデル
以下の製品もペアリング接続先の上書き切り替え、およびAppleデバイス間のマルチポイント接続に対応する。
中古価格:2.5万円 イオシスで中古をチェック
2019年10月発売の初代"Pro"モデル(公式販売は終了)。ノイズキャンセリング対応。
市場価格:1.9万円 Amazonで製品をチェック
2019年3月発売の旧式モデル(公式販売あり)。ワイヤレス充電(Qi充電)に対応しない安価版。
市場価格:2.3万円 Amazonで製品をチェック
2019年3月発売の旧式モデル(公式販売あり)。ワイヤレス充電(Qi充電)に対応。
市場価格:--- イオシスで中古をチェック
2016年12月発売。すでに生産終了しているが、AirPods狙いの人なら検討余地あり。
【現行モデル】Beats Fit Pro(価格2.2万円)
機能の対応有無 | |
ペアリング接続先の上書き切り替え | 対応 |
マルチポイント | △(Appleデバイス間のみ可) |
ノイズキャンセリング | 対応 |
外音取り込み機能 | 対応 |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体7時間 |
ケース併用で最大30時間 |
2022年1月発売開始。Beatsワイヤレスイヤホンの現行・上位版モデル。
AirPods Proが搭載するApple自社開発の「Apple H1」チップをそのまま搭載。Appleデバイス間であればマルチポイント接続できる。
そのほかペアリング仕様はAirPods同等。ペアリング接続先の上書き切り替えにも対応する。
【現行モデル】Beats Studio Buds +(価格2.5万円)
2023年6月に発売開始。Beatsの現行スタンダードモデル。
Apple自社製チップを搭載しない廉価版の位置づけ。Beats Fit Proと異なりAppleデバイス間のマルチポイント機能が使えない。
ペアリング接続先の上書き切り替えには対応するなどペアリング仕様そのものはAirPodsに準拠する。
旧世代モデル
市場価格:2万円 Amazonで製品をチェック
2021年8月発売。現在も値下げして公式販売あり。Apple自社製チップは搭載せず(Appleデバイス間のマルチポイント機能は非対応)。
サムスン
対応モデル一覧
- Galaxy Buds2
- Galaxy Buds2 Pro
- Galaxy Buds FE
- そのほか
【現行モデル】Galaxy Buds2(価格1.4万円)
2021年9月発売開始。Galaxy Budsシリーズの現行エントリーモデル。
エントリーモデルだが、ノイズキャンセリングやGalaxyデバイス専用のマルチポイント機能など上位版モデル同等機能を備える。
ペアリング勝手も上位版モデルと変わらず。ペアリング接続先の上書き切り替えが可能だ。
ペアリング勝手のよさとコスパを評価すれば、Galaxyスマホユーザー以外にも十分におすすめ。
【現行モデル】Galaxy Buds2 Pro(価格3万円)
2022年9月発売開始。「Galaxy Buds」シリーズの現行・最上位モデル。
Galaxyデバイス間のマルチポイント機能やペアリング接続先の上書き切り替えが可能。ペアリング勝手は非常によい。
上位版モデルとあり、Galaxyスマホ向けの次世代Bluetoothオーディオコーデック「Samsung Seamless」にも対応する。 One UI 4.0以上のGalaxyスマホと接続すれば、よりGalaxyスマホに最適化された高音質オーディオになる。
【現行モデル】Galaxy Buds FE(価格1.3万円)
2023年9月発売開始。"FE"(サムスン Fun Edition)名義を冠したGalaxy Budsの入門モデル。
ノイズキャンセリング、高性能マイク、30時間バッテリーを価格1.3万円で揃えたコスパモデルとして展開される。
Galaxyデバイス間のマルチポイント機能やペアリング接続先の上書き切り替えも可能だ。
ただ、現行エントリーモデル「Galaxy Buds2」と比べて価格も機能もデザインも大差なし。あえて"FE"名義を購入すべきかは悩みどころ。Galaxy Buds2でも十分かもしれない。
そのほか
市場価格:2万円 Amazonで見る
2021年8月発売の初代"Pro"モデル。ほぼ販売終了。
市場価格:2万円 Amazonで見る
2020年9月発売。耳穴を完全にふさがない”ながら聴き”イヤホン。現在はほぼ販売終了。
ソニー
対応モデル一覧
- LinkBuds S
- LinkBuds
- WF-1000XM5
- WF-1000XM4
- WF-C700N
【現行モデル】LinkBuds S(価格2万円)
2022年6月発売。ソニーの見本市モデル「LinkBuds」。通常シリーズラインとは異なり、"PS5"や"ウォークマン"のような独立したブランド製品名を冠する。
ノイズキャンセリング、LDAC、DSEE Extreme(ソニー独自の音質補正機能)など揃える。
ペアリング接続先の上書き切り替えにも対応。また、マルチポイントも使える(最大2台)。
ペアリング勝手を評価するもよし。ソニー製品としても評価できる。価格も2万円で手が出しやすい。
【現行モデル】LinkBuds(価格2万円)
2022年2月発売。ソニーの見本市モデル「LinkBuds」の初代モデル。
ここ数年の"ながら聞きイヤホン”ブームを作り上げた張本人。
イヤホン装着しても耳穴を完全にふさがず、イヤホンを装着したまま周囲の生活音が聞き取れる。骨伝導イヤホン代わりに使いたい人だと丁度いい。
ペアリング接続先の上書き切り替えできるほか、ソフトウェア・アップデートでマルチポイントにも追加対応した。
【現行モデル】WF-1000XM5(価格3.7万円)
ソニー・オーディオの通常シリーズライン「WF」。WF-1000XM5は2023年に登場した現行フラッグシップ。
業界トップと名高い高性能ノイズキャンセリング、ハイレゾ相当に音質を補正する「DSEE Extreme」機能に強み。
ペアリング接続先の上書き切り替えにも対応。2台のデバイスを同時接続できるマルチポイント機能も使える。
【旧式モデル】WF-1000XM4(価格2.5万円)
2021年6月発売開始。一世代前のソニーのフラッグシップモデル。
ソニー独自の音質補正機能「DSEE Extreme」に初対応。また、Bluetoothオーディオコーデック「LDAC」に完全ワイヤレスイヤホンで世界初対応した。
ペアリング勝手も優秀。ペアリング接続先の上書き切り替えに対応。マルチポイントにも追加対応して弱点ない。
現在なおペアリング勝手を評価すれば検討余地あり。価格も2.5万円前後まで落ちてきて狙い目。
【現行モデル】WF-C700N(価格1.4万円)
ソニーの現行スタンダードモデル「WF-C700N」。
価格1.4万円でノイズキャンセリングとマルチポイントに対応した。
他方、上位版モデルと異なりLDACやDSEE Extremeには対応せず。
ペアリング接続先の上書き切り替えには対応。ペアリング勝手のよいワイヤレスイヤホンを探している人ならおすすめ。
パナソニック(Technics)
パナソニックは全モデルともマルチポイント対応。なおかつ、現行モデル3機種に関しては業界初となる3台同時接続が可能。
対応モデル一覧
- Technics EAH-AZ80
- Technics EAH-AZ60M2
- Technics EAH-AZ40M2
- 旧世代モデル
【現行モデル】Technics EAH-AZ80(価格3.7万円)
2023年6月に登場したTechnicsの現行フラッグシップ「EAH-AZ80」。
Technicsの高級イヤホン(有線イヤホン)「EAH-TZ700」の音響技術をそのまま転用。有線イヤホン級の高音質イヤホンとして打ち出される。
業界初となる3台同時のマルチポイント接続に対応。なおかつ、ペアリング接続先の上書き切り替えも可能だ。
【現行モデル】Technics EAH-AZ60M2(価格2.8万円)
2023年6月に発売開始。2021年に登場したTechnics上位版モデル「EAH-AZ60」の後継機。
業界初となる3台同時のマルチポイント接続が可能。従来モデルは最大2台が限度だった。
ペアリング接続先の上書き切り替えも従来どおり対応。ペアリング勝手のよいワイヤレスイヤホンとしておすすめ。
【現行モデル】Technics EAH-AZ40M2(価格1.5万円)
2023年10月に発売開始。「EAH-AZ40」の後継機で第2世代モデル。
従来モデルから一新。ノイズキャンセリング、LDACに追加対応した。
マルチポイントの3台接続も可能。ペアリング接続先の上書き切り替えにも対応する。
1万円台で購入できるペアリング勝手のいいワイヤレスイヤホンのNo.1候補。筐体デザインも高級感あっておすすめ(特にブロンズ色)。
旧世代モデル
※旧世代モデルはマルチポイント対応台数がいずれも最大2台
市場価格:2万円 Amazonで見る
2021年10月発売の旧世代モデル。マルチポイント、ノイズキャンセリング、LDACなどフル搭載。
市場価格:8,000円 Amazonで見る
2021年10月発売の旧世代モデル。マルチポイント対応。ノイズキャンセリングやLDACには対応せず。
この記事のまとめ
ここまで「スマホ・PC間の切り替えが簡単なワイヤレスイヤホン」をまとめてきた。
筆者が確認した限りだが、大手メーカーのワイヤレスイヤホンを中心に同仕様に対応する製品が確認できた。
もとより複数デバイス間でワイヤレスイヤホンを使いまわそうと考えている人だと、この記事で紹介したワイヤレスイヤホンが役に立つはずだ。
なお、特定2台のデバイス間で使うだけならマルチポイント対応のワイヤレスイヤホンでも十分。1万円以下で購入できるマルチポイント対応モデルも増えてきたのでこちらも検討あれ。
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