AirPods(第3世代)をレビュー。
従来のAirPodsからデザイン一新、見た目シュッとしたクールでコンパクトな印象にイメチェンした今作。
空間オーディオ初対応、防水初対応、バッテリー駆動時間の向上(ケース併用24時間→30時間)などなど従来モデルから機能面も大幅に強化された。
いかんせんAirPodsは見た目変わらず、機能変わらず購入すべきタイミングがわかりにくいが、第3世代モデルは名実ともにメジャーアップデートされたAirPodsなので購入するには丁度いいタイミングだ。
この記事の目次(タッチで移動)
広告
AirPods(第3世代)製品概要
基本情報・スペックシート
基本情報
発売時期 | 2021年10月 |
市場価格 | 27,800円 |
販売元メーカー | Apple(米国) |
スペックシート
ノイズキャンセリング | ✗ |
外音取り込み(ながら聞き機能) | ✗ |
マルチポイント | △(Appleデバイス間のみ可) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | 対応 |
防水 | 対応(IPX4) |
Bluetoothバージョン | 5.0 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体6時間 |
ケース併用で最大30時間 | |
ケース充電方法 | Lightning(有線)、Qi / MagSafe(無線) |
外観デザイン
初代AirPods(2016)から続いたイヤホンデザインが全面刷新。
AirPodsと言えば”うどん”と形容される長い筒(ステム)が特徴的だったが、AirPods(第3世代)にてバッサリとうどんが切り落とされた。
うどんビジュアルがそこまで好きでなかった人(筆者)からすると、これもう見た目の格好良さは3倍増し。コンパクトでシュッとしたクールな印象がよき。
充電ケースはそこまで変わらず。ほぼAirPods Pro同等のケースデザイン。
なお、AirPods Proとは微妙にケースサイズが異なるため、AirPods Pro向けのケースカバーは使いまわせない。
ケースサイズは縦4.5cm、横5cm、厚さ2cmほど。クレジットカードの半分ほどの大きさ。
男性あれば胸ポケットにしろズボンのポケットにらくらく入る。
従来モデルからの進化点
2016年に登場した初代AirPods、2019年に登場したAirPods(第2世代)。そしてレビューしているのがAirPods(第3世代)。
第3世代にてイヤホンデザインが全面刷新されたのにくわえ、性能面、機能面では以下のような点がアップグレードされた。
AirPods(第3世代) | AirPods(第2世代) | |
バッテリー駆動時間 | ケース併用で最大30時間 | ケース併用で最大24時間 |
防水性能 | IPX4 | × |
イヤホン操作ボタン | 感圧ボタン | タッチボタン |
空間オーディオ | 対応 | × |
もっぱら「空間オーディオ再生」と「感圧ボタン」の採用が大きな変化。
ワイヤレスイヤホンとしての土台の部分は変わっていないが、空間オーディオ再生による音楽体験だったり、感圧ボタンの使い勝手のよさはAirPods(第3世代)でしか味わえない強み。
なお、(第2世代)モデルも販売継続中。価格は16,800円に値下げされた。機能性よりもコスパ重視の人だと(第2世代)モデルでも十分かもしれない。
上位版モデル「AirPods Pro」との違い
AirPods Proは、通常版AirPodsを土台に以下3点を追加した上位版モデルの位置付け。
- ノイズキャンセリング
- 外音取り込み機能(ながら聴き機能)
- イヤーピース
AirPods Proのノイズキャンセリング性能は業界トップクラス。機能ONにすると周囲の音を明確にシャットアウト。無音に近い環境が作れる。オーディオ再生を停止した状態なら耳栓そのものだ。
遮音性を高めるためイヤーピースも搭載。おかげでイヤーピースなしの通常版AirPodsよりもイヤホンの装着感は安定してる。ふとしたタイミングでイヤホンが外れて紛失するリスクも低い。
基本的にはノイズキャンセリングを使いたい人が選ぶべきだが、イヤホン装着の安定感を重視する人であってもAirPods Proは検討余地あり。
AirPods Pro(第2世代)レビュー【ノイズキャンセリングが使いたい人向け】
続きを見る
AirPods(第3世代)レビュー
イヤホンの装着感は非常に軽い
イヤホン重量は片耳4gと名実ともに業界トップの軽さ。
イヤーピースを使っていないこともあり、耳穴への締め付け感もなし。「何も付けていないよう」と形容するのが相応しい装着感の軽さあり。長時間のイヤホン装着でも耳が疲れない。
ただ、従来AirPods同様にふとしたタイミングにイヤホンが抜け落ちそうなユルさはある。
イヤーピースを使わず、あくまで耳穴の入口部分にイヤホンを引っ掛けてるだけ。寝転んだり、ジャンプしたり、走っているときのイヤホンのユルユルさは異常。
Appleいわく「運動中の利用も問題なし」とのことだが、正直なところ運動中に使うとイヤホンが揺れて落下しそうな気がしてる。
ズボラ気質な人、よく失くしものをする人だと素直にイヤーピースありのAirPods Proを選んだ方がいいかもしれない。
音質は(気持ち)低音を強化
AirPodsは音の強弱が少ないフラットなオーディオ。AirPods(第3世代) もこれを踏襲している。
からなずしも音質を重視したイヤホンではないが、それでもクセなく、聴き疲れず、無難に使えるイヤホンという意味では完成してる。
なお、低音域に関しては従来モデルよりも気持ち強化。
Appleいわくの新設計のダイナミックドライバーとカスタムアンプを搭載。重低音とは言わずも、これまでのAirPods比で1割増くらいの芯のある低音にカスタム。お気持ち程度だが、AirPods(第3世代)のセールスポイントの一つと言えるかもしれない。
「空間オーディオ再生」は実用水準の実力あり
AirPods(第3世代)の本命的セールスポイント「空間オーディオ再生」。
空間オーディオ再生はAirPods Proの専売特許だったが、ついに通常版AirPodsにも機能移植。
動画、音楽、ソシャゲまで360度から音が鳴る、多角的・連奏的なオーディオ再生にカスタムできる。
これが非常に完成度が高い。iPhoneからの音漏れと勘違いするレベルに音の鳴る位置が変わる。特に動画コンテンツを視聴しているときの投入感。ASMRとかゼロ距離感でやばい。
空間オーディオ再生はiPhone 7以降のiPhone(あるいは一部iPad)と接続した状態であれば利用可能。
YouTube、Netflix、音楽サブスク、DMM動画などなど主要なアプリはもれなく空間オーディオ再生に対応しているので実用性は十分だ。
(複数デバイス間の)ペアリング切り替え勝手のよさは健在
AirPodsシリーズのペアリング切り替え勝手は今作でも健在。
音声出力先の切り替え都度、現在のペアリング接続を解除する必要なし。音声出力先を切り替えたいデバイスのBluetooth設定画面からイヤホン名をタップするだけで切り替わる。
また、Appleデバイス間なら事実上のマルチポイント接続が可能。同一のApple IDでサインインしたAppleデバイス間であれば、なにかしらオーディオ再生を開始したデバイスに自動で音声出力先が切り替わる。
もとより複数デバイス間でワイヤレスイヤホンを使いまわそうと考えてる人だとAirPodsとの相性よし。
通話マイクは上位版モデル同等の高性能仕様
AirPodsシリーズの隠れたセールスポイントたる通話マイク。
風切り音(マイクに風が当たった音)を含めた周囲の音が通話マイクに乗らないように調整してくれる。
AirPods(第3世代)は風切り音をカットするためのマイクカバー(メッシュカバー)を新搭載。AirPods Pro準拠の風切り音カット率を実現した。
屋外でマイク通話するときでも口元の音だけ抽出。屋内でビデオ通話するだけなら十分すぎる性能だ。
感圧ボタンの使い勝手よし
AirPods Proで初採用された感圧ボタンだが、AirPodsにも移植。
感圧ボタンを押すとイヤホンが微振動してボタン操作コマンドが起動する。かつてのiPhoneのホームボタン(Touch ID)と同じ仕組み。
ボタンを押すのに力を入れる必要なく、かといってふとしたタイミングで指が触れて誤反応することもない。使いたいときだけ使えるワイヤレスイヤホンの最適解と言えるボタンだろう。タッチボタン式のワイヤレスイヤホンに比べて圧倒的に使いやすい。
音楽操作コマンド(割り当て変更不可)
左イヤホン | 右イヤホン | |
1回押し | 再生/停止 | |
2回押し | 次の曲へ進む | |
3回押し | 前の曲へ戻る | |
長押し | Siri起動 |
通話対応コマンド(割り当て変更不可)
(イヤホン左右共通) | |
1回押し | 着信対応、着信終了 |
2回押し | 着信拒否 |
【まとめ】どういう人が購入すべき?
評価ポイント
- iPhoneとの絶対的な親和性
- 空間オーディオ再生の完成度は高め
- Appleデバイス間ならマルチポイント接続可能
- イヤホンの装着感は非常に軽い
- ケースカバーの種類が多め
微妙だったところ
- ノイズキャンセリング機能に非対応
- イヤホンの抜け落ちリスクはくすぶる
- Androidスマホとの相性は微妙(使えない機能多し)
製品をおすすめできる人
- Appleデバイス間のマルチポイント狙いの人
- 空間オーディオ再生をがっつり使いたい人
- イヤーピースの窮屈感が嫌いな人
- ケースカバーにこだわりたい人
AirPods(第3世代)は前作モデルに比べてデザイン、操作性、機能面を含めてメジャーアップデート。
なかでもイヤホンの装着感の軽さ、空間オーディオ再生の完成度の高さは絶対的な評価ポイント。
また、AirPodsシリーズならではのケースカバーの多さも隠れた評価ポイント。大手ブランドから野良ブランドまで数多くのケースカバーが揃ってる。ケースカバーありきでワイヤレスイヤホンを選びたい人だと嬉しいところ。
ただ、Androidスマホで使う場合だと魅力半減(関連記事)。空間オーディオ再生は使えないし、Appleデバイス間のマルチポイント機能も使えない。基本的にはiPhoneユーザーが選ぶべきだろう。
関連するAppleワイヤレスイヤホン
AirPods Pro
▼ AirPods上位版モデル「AirPods Pro」。AirPodsプラスαでノイズキャンセリング機能に対応。
AirPods Pro(第2世代)レビュー【ノイズキャンセリングが使いたい人向け】
続きを見る
関連記事:AirPodsシリーズ何が違う?
Beats Studio Buds+
▼ Appleサブブランド「Beats」。AirPodsよりも音質重視。音の強弱あるドンシャリ・サウンド。
Beats Studio Buds +(第2世代)レビュー【2年ぶりリニュアルされた通常版モデル】
続きを見る
Beats Fit Pro
▼ Beatsの上位版モデル。ノイズキャンセリング、空間オーディオ再生、Appleデバイス間のマルチポイント機能などAirPods Pro同等機能をフルコンプ。
Beats Fit Pro レビュー【Apple版マルチポイントが使える実質的なBeats版AirPods Pro】
続きを見る
関連記事:Beatsワイヤレスイヤホン何が違う?
関連記事
AirPods(AirPods Pro)を安く買う方法(2024年版)
続きを見る
iPhoneと相性よし!おすすめのワイヤレスイヤホンまとめ(2024年)
続きを見る
【2024年】完全ワイヤレスイヤホンの新製品情報まとめ(発売予定含む)
続きを見る