ワイヤレスイヤホン

AirPods Pro(第2世代)レビュー|iPhoneユーザーのためのAirPods最新&上位版モデル

2023年2月23日

約3年ぶりにリニュアルされたAirPods上位版モデル「AirPods Pro」(第2世代)。

代名詞たるノイズキャンセリング性能が強化されたほか、充電ケースに「Apple U1」チップを新搭載。イヤホン紛失時などiOSアプリ「探す」から高精度な位置情報が確認できるように。

円安・物価高の影響か、米ドル価格249ドルながら日本円で39,800円と割高だが、この1点を除けばデメリットらしいデメリットない。iPhoneユーザーでAirPodsデビュー、AirPods Proデビューしたい人におすすめしたい。

そきあきら(筆者)
この記事では、AirPods Pro(第2世代)をレビューしていきます

AirPods Pro(第2世代) 製品評価

発売時期2022年9月
直販価格39,800円

AirPods Pro(第2世代)の製品評価は以下のとおり。

低音(3.5)
中音(3.5)
高音(4)
イヤホンの装着感(5)
ノイズキャンセリング(5+)
外音取り込み機能(5+)
マイク性能(5)
バッテリー性能(5)

ここがGood!!

  • ノイズキャンセリング、外音取り込み機能ともに業界トップレベルの性能
  • Appleデバイス間なら事実上のマルチポイント接続可能
  • バッテリー駆動時間はケース併用30時間に向上
  • 充電ケースが大幅リニュアル、「探す」機能にも対応

ここがBad...

  • 音質はごく普通
  • Androidスマホユーザーだと所々カスタマイズできず
  • 第1世代よりも高額化(3万円前後→39,800円に)

 

製品カラーリングは1色

カラーリングはホワイトのみ。

 

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この記事の目次(タッチで移動)

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AirPods Pro(第2世代)の製品概要

スペックシート抜粋

Bluetoothバージョン5.3
Bluetooth対応コーデックSBC、AAC
ノイズキャンセリング対応
外音取り込み機能対応
マルチポイント(Appleデバイス間のみ)
防水性能IPX4
バッテリー駆動時間イヤホン単体6時間
ケース併用で最大30時間
ケース充電方法USB Type-C(有線)、Qi(無線)、MagSafe(無線)
専用アプリ×

 

 

付属品

イヤーピース、USBケーブル、取扱説明書が付属する。

イヤーピースはXS、S、M、Lの4サイズ用意。

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AirPods Pro(第2世代) のペアリング仕様

ペアリング仕様抜粋




Google Fast Pair×
マルチポイント(Appleデバイス間のみ)
マルチペアリング対応(最大?台)
ペアリング接続先の上書き切り替え対応
新規ペアリングモードの起動方法ケースの背面ボタンを3秒長押し

Google Fast Pair とは?

Google Fast Pairは、Googleが提供するペアリング簡素化システム。

Android OS 6.0以上のスマホであれば、専用のポップアップ画面からワンタッチでペアリング設定できる。

マルチポイントとは?

マルチポイントとは、複数デバイスを同時接続できる機能のこと。

同時接続しているデバイス間で、なにかしらオーディオ再生しているデバイスに音声出力先が自動で切り替わる。

関連記事:マルチポイント対応の完全ワイヤレスイヤホンまとめ

マルチペアリングとは?

マルチペアリングとは、複数デバイスのペアリング情報が記録できる機能のこと。

1度記録してしまえば次回以降に再度セットアップする必要がなくなり、ケースふたを開くだけでデバイスと再接続できる。

昨今のワイヤレスイヤホンだとおおよそ5台〜10台のデバイスのペアリング情報が記録できる。

ペアリング接続先の上書き切り替えとは?

複数デバイス間でペアリング接続先を切り替える場合、先に現在のペアリングを解除する必要がある。

一部のワイヤレスイヤホンであれば現在のペアリング接続を解除せず、ペアリングを移したいデバイスのBluetooth設定画面でイヤホン名を選択するだけでペアリング接続先を上書きして切り替えられる。

関連記事:スマホ←→PC間のペアリング接続切り替えが簡単な完全ワイヤレスイヤホンまとめ

新規ペアリングモードの起動方法について

初回設定時はケースふたを開くだけで自動で新規ペアリングモードが起動する。

2回目(2台目)以降のペアリングを行う場合は新規ペアリングモードを手動で起動する必要がある。


 

 

新規ペアリングモードの起動方法

新規ペアリングモードの起動方法は簡単。

左右イヤホンをケースに入れ、ケースふたを開いた状態にして、ケース背面にあるペアリングボタンを3秒長押しすれば新規ペアリングモードに切り替わる。

 

 

複数デバイス間のペアリング切り替え方法

AirPodsシリーズは、Bluetooth設定画面からの上書きペアリング切り替えに対応。

都度、現在のペアリング接続を解除する必要なし。切り替えたいデバイスのBluetooth設定画面でイヤホン名を選択するだけでペアリング接続先が切り替わる。

 

 

Appleデバイス間であれば(事実上の)マルチポイント接続が可能

同一のApple IDでサインインしているiPhone、iPad、Mac、Apple Watch間であれば、なにかしらオーディオ再生を開始したデバイスに音声出力先だけ自動で切り替わる。都度ペアリング接続を切り替える必要はない。

なお、Macに切り替える場合のみ、Mac画面に表示されるポップアップから「接続」をタップする必要あり

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AirPods Pro(第2世代)の機能レビュー

バッテリーまわりのこと

バッテリー駆動時間イヤホン単体6時間
ケース併用で最大30時間
ケース充電方法USB Type-C(有線)、Qi(無線)、MagSafe(無線)

(第1世代)モデルからバッテリー駆動時間は向上。ケース併用で30時間の大台に。(第1世代)モデルは同24時間だった。

ワイヤレス充電(Qi充電)に対応しているほか、MagSafe充電も使える。Apple Watchの充電スタンドなど既存の充電リソースが活かせるAppleユーザーほど利便性が感じられるかと思う。

 

 

通話マイク仕様

通話時ノイズカット機能対応
風切り音カット対応

通話マイク性能は(第1世代)モデルと同様に高性能。

通話中に周囲の音を検知し、周囲の音をほぼ9割方除去。口元の音だけ拾って通話転送してくれる。

風切り音(マイクに風が当たった音)もほぼ10割方カット。屋外で通話したい人でも問題なし。

 

 

ボタン操作




ボタン種類感圧ボタン
操作コマンドの割り当て変更部分対応

イヤホンの筒部分に感圧ボタンあり。オーディオ操作、通話操作、ノイズキャンセリングON/OFFなどひととおり可能。

また、新たにスワイプ操作が追加された。感圧ボタン部分を上下スワイプすれば音量アップ・音量ダウンできる。

スマホ操作コマンド("長押し"のみ割り当て変更可能)

左イヤホン右イヤホン
1回タッチ再生/停止
2回タッチ次の曲へ進む
3回タッチ前の曲へ戻る
長押しノイズキャンセリング←→外音取り込み機能
スワイプ上下音量アップ/音量ダウン

長押しコマンドは「Siri起動」に変更可能。

通話対応コマンド(割り当て変更不可)

左イヤホン右イヤホン
1回タッチ着信対応/終了
2回タッチ着信拒否

 

 

イヤホン着脱検出(装着検出)

イヤホンの着脱検出(装着検出)対応

他のAirPods同様にイヤホンの着脱検出に対応。

イヤホンを耳から外すとオーディオ再生が自動停止。イヤホンを耳に装着し直すとオーディオ再生が自動開始する。

なお、Apple以外のデバイスと接続した場合だと着脱検出が機能せず。Androidスマホユーザーで同機能狙いの人は注意。

 

 

防水性能

防水性能IPX4(IP4)
防塵性能×

(第1世代)モデル同様にIPX4の防水性能あり。雨や汗が防げる。普段使いで特段困ることもない。

 

 

低遅延モード

低遅延モードなし
遅延性能-
ゲーム以外での利用-

低遅延モード(ゲームモード)の提供なし。

 

 

専用アプリ

専用アプリ×
イコライザー調整△(iPhoneのみ部分対応)
タッチ操作コマンドの割り当て変更△(iPhoneのみ部分対応)
低遅延モードON/OFF×
イヤホンを探す△(「探す」機能のみ対応)

専用アプリは提供なし。iPhone・iPadの「設定」アプリを使ったカスタマイズのみ対応している

 

 

イヤホンを探す

「探す」機能あり

iOSアプリ「探す」を使えばイヤホンの現在地を検出可能。

AirPods Pro(第2世代)は充電ケースにApple U1チップを搭載。iOSアプリ「探す」から高精度な位置情報が探れるように。

充電ケース単体で紛失した場合でも位置情報が追えるほか、充電ケースに新搭載されたスピーカーから音を鳴らせる。

 

 

iPhoneとの相性

iPhoneとの相性(非常によい)
AACコーデック対応
iOS向け専用アプリ-

iPhoneとの相性は当然ながらよい。

むしろiPhoneで使うためのワイヤレスイヤホンだろう。中身BluetoothイヤホンなのでAndroidスマホでも利用できるが、所々イヤホン・カスタマイズできないのがマイナス点になりそう。

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AirPods Pro(第2世代)の外観デザイン&イヤホン装着感

イヤホンデザインは前作モデルまま

イヤホン形状は(第1世代)モデルそのまま。今や業界スタンダードとなった筒型イヤホン・デザインだ。

イヤホン重量は片側5gと軽量。長時間のイヤホン装着でも疲れない。

通常版AirPodsと異なりイヤーピースを搭載。遮音性を高めると同時に、ふとしたタイミングでイヤホンが抜け落ちるのが防げる。

ワイヤレスイヤホンならではのイヤホン抜け落ちリスク、紛失リスクが気になっている人だとイヤーピースありのAirPods Proは丁度いい選択肢になりそうだ。

付属イヤーピースはXS、S、M、Lの4サイズ用意

 

 

充電ケースは大幅リニュアル、新たに「Apple U1」チップ搭載

充電ケースは(第1世代)モデル同様のデザイン。

数値で言うと縦4.5cm、横6cm、厚み2cmほど。片手で握り込めるコンパクトサイズ。

(第1世代)モデルとケースサイズは同じ。ケースカバーがそのまま使いまわせる

ちなみに、ケース側面にストラップホールあり。これは今作より追加された地味な変化点だ。

底面にはスピーカーを新搭載。ペアリング設定時や充電開始時など簡易なサウンド(効果音)が鳴る。

バラエティ番組でよく聞く「チーン」といった音が鳴る。鬱陶しい場合はサウンドOFFにしてしまえばいい。iPhoneの「設定」アプリ内から変更できる(Androidスマホユーザーだと変更する手段なし)。

(第1世代)モデルからの最大の変化点が「Apple U1」チップの搭載

イヤホン紛失時などiOSアプリ「探す」から高精度な位置情報が探れる。なおかつ、充電ケースのスピーカーから音を鳴らせる。

(第1世代)モデルだとイヤホン本体側の位置情報しか探れず、ケース単体で紛失すると一切の位置情報が追えない弱点があった。

(第2世代)モデルであればケース単体で紛失した場合でも位置情報が追えるので心理的な面の安心材料になる。

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AirPods Pro(第2世代)の音質

音質はクリア、あるいはシャカシャカ

(第1世代)モデルは音の強弱が少ないのっぺりとした音質だったが、(第2世代)モデルでは低音と高音が強化。従来よりも音の強弱が感じられるように。

特に楽器の音など高音域サウンドが明確に描写されてる。(第1世代)で感じられなかった音のクリアさと評価できる。一方では高音域がシャカシャカしすぎてて聞き辛さ、音の安っぽさを感じる人もいそう。

また、ボーカルが引っ込んでて低音と高音ばかり強調されてるのは否めない。ボーカル重視で音楽を聞きたい人だとオーディオ相性が悪いかもしれない。

iPhone・iPadユーザーであれば簡易なイコライザー調整が可能なので、それで対応したい。

 

 

iPhone・iPadユーザーなら簡易なイコライザー調整が可能

iPhone、iPadの「設定」アプリ内から簡易なイコライザー調整が可能。

おすすめ設定は「音声の音域」の「強め」。高音域のシャカシャカを軽減しつつ、引っ込みがちなボーカルを引き出せて丁度いい。デフォルト音質が気に食わなかった人ならぜひ試してみてほしい。

 

 

iPhone・iPadユーザーなら空間オーディオ再生も可能

(第1世代)モデル同様に空間オーディオ再生(3Dオーディオ再生)に対応。YouTubeやNetflix、ミュージックアプリなど主要アプリで利用できる。

空間オーディオ再生にすると音漏れを疑うレベルに音の鳴る位置が変化する。さながらホームスピーカーでオーディオ再生しているような錯覚あり。

3Dオーディオならではの音のスカスカ感もなく、常時オンで使ってても気持ち悪くない。すでに実用レベルにある機能だ。まだ使ったことがない人であれば試してみてほしい。

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【重点レビュー1】ノイズキャンセリングの実力は?

高性能だが、前作モデルと比べて明確なスペック差は確認できず

AirPods Proの代名詞たるノイズキャンセリング。機能ONにすれば周囲の音を中和・低減できる。

低周波音に限れば8割〜9割方カット。電車の中で使えば電車の走行音(ガタゴト音)まで明確に低減される。もとより静かな場所であれば無音そのもの。オーディオ再生を止めてのデジタル耳栓代わりの運用も現実的だ。

概して優秀なノイズキャンセリングではあるが、Apple公式いわくの「前作比2倍のノイズキャンセリング性能」があるかは微妙

(第1世代)モデルでカバーしきれなかった人の話し声も気持ち遮断できるようになったかな...?と思うところはあるが、明確に進化したとは断定できない。性能は前作比2倍よりかは前作比1.3倍くらいが妥当なところかと

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【重点レビュー2】外音取り込み機能の実力は?

外音取り込み機能は優秀、常時機能ONで骨伝導イヤホン代わりになる

初代AirPods Proでノイズキャンセリング以上に注目を集めた外音取り込み機能。機能ONにするとイヤホンを装着したままスピーカー通じて周囲の音が聞き取れる。

初代AirPods Proは周囲の音の9割を通しているかのように錯覚させる非常に高性能な外音取り込み機能を搭載。取り込んだ音のこもりもゼロに近く、他社メーカー品を圧倒・駆逐する完成度だった。

AirPods Pro(第2世代)でもその高性能ぶりは健在。常時機能ONにしつつ音量を少し下げておけば事実上の骨伝導イヤホンになる。機能狙いでの購入は十分に現実的だ。

 

 

初代AirPods Proと比べてスペック・アップした感じではない

ノイズキャンセリング同様に優秀ではあるが、初代AirPods Proと比べて明確にスペック・アップしたとは言いがたい。

AirPods Pro(第2世代)は「適応型環境音除去」、外音取り込み中に工事現場の音など非日常な音だけ低減する機能が新搭載されたが、正直そこまで機能してない。セールスポイントというには程遠い。

初代AirPods Proを使ってきた人だとよくも悪くも性能変わらず、肩透かしを食らいそうな印象ある。

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AirPods Pro(第2世代)の気になったところ(あるいはデメリット)

(第1世代)から乗り換える人だと新鮮味が薄い

3年ぶりにリニュアルされた AirPods Pro(第2世代)だが、(第1世代)モデルと比べて代わり映えしない印象を受けた。

もっぱらのアップデート点は以下のようなところ。

(第2世代)モデルの主たるアップデート点

  • 音質がクリアに
  • 充電ケースが「探す」機能に対応
  • バッテリー駆動時間がケース併用で30時間に向上(前作24時間)

以下のような点は(第1世代)モデルと変わらない。

(第1世代)モデルと比べてそこまで変わらないところ

  • ノイズキャンセリング性能
  • 外音取り込み性能
  • 基本的なスペック仕様

初めてAirPods Proを使う人であればまだしも、(第1世代)モデルを使っている人だとあえて(第2世代)に乗り換えるべきか微妙

そこまでバッテリーがヘタってないのであれば(第1世代)モデルままでも十分かもしれない。

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この記事のまとめ

ここまで AirPods Pro(第2世代)レビューしてきた。

(第1世代)モデル同様に優秀かつ勝手のいい仕上がり。直販価格が39,800円と割高だが、AirPods Proデビュー、あるいはAirPodsデビューを考えている人であればこれ以上にない選択肢になりそうだ。

他方、(第1世代)モデルと比べて代わり映えしない印象も受けた。公式いわくの「前作比2倍のノイズキャンセリング性能」も実質的には1.3倍くらい。(第1世代)モデルを使ってきた人だと劇的な違いは感じにくい。3年もの間、製品がリニュアルされなかった背景事情を思うところがある。

そのため、AirPods Pro(第2世代)はAirPods Proデビュー組のための製品になるかと思う。(第1世代)モデルを使っている人だとバッテリーがヘタってて買い替えを検討している人を除けば、あえて乗り換える必要性は薄い。

 

 

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