マルチポイント対応のTechnics(テクニクス)がついにきた。
2020年から立ち上げられたパナソニック「Technics」ブランドの完全ワイヤレスイヤホン。その第二弾モデルとなる「テクニクス EAH-AZ40」の発売が開始となった。
時節柄テレワークニーズを踏まえたアップデートが施され、通話マイク性能が劇的向上。また、新たにマルチポイント機能にも対応した。

念願のマルチポイント対応
マルチポイントとは、スマホやPCなど2台のデバイスを同時接続できる機能。なにかしらオーディオ再生しているデバイス側に自動で音声出力が切り替わる。
スマホ←→PC間などで都度ペアリングを切り替える必要がなくなるため、日常的にワイヤレスイヤホンを複数デバイス間で使いまわしている人だと重宝すること違いない。
この記事では「テクニクス EAH-AZ40」をレビューしていく。
パナソニック「テクニクス EAH-AZ40」製品評価
発売時期 | 2021年10月 |
市場価格 | 1.5万円前後 |
テクニクス EAH-AZ40 の製品評価は以下のとおり。
低音 | (4.5) |
中音 | (4.5) |
高音 | (4.5) |
イヤホンの装着感 | (5) |
ノイズキャンセリング | - |
外音取り込み機能 | (5) |
マイク性能 | (5) |
バッテリー性能 | (4) |
ここがGood!!
- マルチポイント対応、スマホ←→PC間でペアリング切り替え必要なし
- 楽曲の原音再生に特化した高級オーディオらしい音質
- 安定したイヤホンの装着感
- マイク性能が非常に高い、屋外なら風切り音もカット
- 「外音取り込み機能」は業界トップクラスの高性能
ここがBad...
- (価格のわりに)ノイズキャンセリング非対応
- ケースのワイヤレス充電(Qi充電)非対応
製品カラーリングは3色
カラーリングはブラック、シルバー、ゴールドの3色。レビューはブラックで行う。
この記事の目次(タッチで移動)
- パナソニック「テクニクス EAH-AZ40」の製品概要
- パナソニック「テクニクス EAH-AZ40」のペアリング仕様
- パナソニック「テクニクス EAH-AZ40」の機能レビュー
- 上位版モデル「EAH-AZ60」との違い
- パナソニック「テクニクス EAH-AZ40」の外観&使用感
- パナソニック「テクニクス EAH-AZ40」の音質
- パナソニック「テクニクス EAH-AZ40」の接続具合(遅延具合)
- 【重点レビュー1】マルチポイントの使い勝手
- 【重点レビュー2】外音取り込み機能
- 【重点レビュー3】ノイズカット通話マイク
- パナソニック「テクニクス EAH-AZ40」の気になったところ(あるいはデメリット)
- この記事のまとめ
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パナソニック「テクニクス EAH-AZ40」の製品概要
スペックシート抜粋
Bluetoothバージョン | 5.2 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC |
ノイズキャンセリング | × |
外音取り込み機能 | 対応 |
マルチポイント | 対応(最大2台) |
防水性能 | IPX4 |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体7.5時間 |
ケース併用で最大25時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)のみ |
専用アプリ | あり(iOS、Android) |
テクニクス EAH-AZ40 はノイズキャンセリング非対応の通常版モデル。ノイズキャンセリング対応モデルを探している場合は上位版の「EAH-AZ60」を検討あれ。
パナソニック「テクニクス EAH-AZ40」のペアリング仕様
ペアリング仕様抜粋
Google Fast Pair | 対応 |
マルチポイント | 対応(最大2台) |
マルチペアリング | 対応(最大10台) |
Bluetooth設定画面からのワンタップでのペアリング切り替え | 対応 |
新規ペアリングモードの起動方法 | 左右イヤホンのタッチセンサーを同時に7秒長押し |
Google Fast Pair とは?
Google Fast Pairは、Googleが提供するペアリング簡素化システム。
Android OS 6.0以上のスマホであれば、専用のポップアップ画面からワンタッチでペアリング設定できる。
マルチポイントとは?
マルチポイントとは、複数デバイスを同時接続できる機能のこと。
なにかしらオーディオ再生しているデバイスに自動で音声出力元が切り替わる。
マルチペアリングとは?
マルチペアリングとは、複数デバイスのペアリング情報が記録できる機能のこと。
1度記録してしまえば次回以降に再度セットアップする必要がなくなり、ケースふたを開くだけでデバイスと再接続できる。
昨今のワイヤレスイヤホンだとおおよそ5台〜10台のデバイスのペアリング情報が記録できる。
Bluetooth設定画面からのワンタップでのペアリング切り替えとは?
複数デバイス間でペアリングを切り替える場合、先に現在のペアリングを解除する必要がある。
一部のワイヤレスイヤホンであれば現在のペアリングを解除せず、切り替えたいデバイスのBluetooth設定画面でイヤホン名を選択するだけでペアリングを上書きして移せる。
新規ペアリングモードの起動方法について
初回設定時はケースふたを開くだけで自動で新規ペアリングモードが起動する。
2回目(2台目)以降のペアリングを行う場合は新規ペアリングモードを手動で起動する必要がある。
新規ペアリングモードの起動方法
初回(デバイス1台目)のペアリングであればケースふたを開くだけで新規ペアリングモードが起動する。
2回目以降のペアリングの場合、ケースから取り出してすぐの左右イヤホンのタッチセンサーを同時に7秒押し。これで手動で新規ペアリングモードが立ち上がる。
複数デバイス間のペアリング切り替え方法
テクニクス EAH-AZ40 は上書きペアリングに対応。
ペアリング切り替え都度、現在のペアリングを解除する必要なし。ペアリングを移したいデバイスのBluetooth設定画面からイヤホン名をタップすれば、そのままペアリングが切り替えられる。
iPhone、iPad環境であればiOSショートカットを使ったペアリング再接続も可能だ。
マルチポイント対応
テクニクス EAH-AZ40 はマルチポイント対応。
最大2台のデバイスを同時接続。なにかしらオーディオ再生しているデバイス側に自動で音声出力が切り替わる。
同時接続している2台のデバイス間であれば都度ペアリングを切り替える必要なし。日常的に「スマホ←→PC」間などでペアリングを切り替えてワイヤレスイヤホンを使っている人だと特に便利。
パナソニック「テクニクス EAH-AZ40」の機能レビュー
バッテリーまわりのこと
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体7.5時間 |
ケース併用で最大25時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)のみ |
充電ポートはUSB Type-C。AndroidスマホユーザーであればUSB Type-Cケーブルが使いまわせる。
短時間充電機能も搭載。15分の充電でオーディオ再生90分相当のバッテリーが溜められる。
ケースのワイヤレス充電(Qi充電)には対応せず。
通話マイク仕様
通話時ノイズカット機能 | 対応 |
風切り音カット | 対応 |
テクニクス EAH-AZ40 の隠れたセールスポイントたる通話マイク。
イヤホン片側3つのマイクを使ったビームフォーミング機能(ノイズカット機能)を搭載。口元の音と周囲の音を聞き分け、通話先には口元の音だけ転送される。
いざ使うと口元の音の検出精度が極めて高い。騒音のある場所で通話しててもほぼ9割方、口元の音だけを抽出して転送できる。
在宅で使えば生活音だったり、近隣住人の声だったり、マイクから離れた場所にある音を極力除去できる。屋外で使いたい人はもちろん、在宅ワーカーでビデオ通話で使えるイヤホンマイクを探している人にもおすすめだ。
操作性
ボタン種類 | タッチセンサー式ボタン |
操作コマンドの割り当て変更 | 対応 |
イヤホン外側にタッチセンサーあり。オーディオコントロール、通話対応などひととおり操作可能。
タッチ処理は安定しているが、それゆえ触れると確実にタッチ反応してしまう。イヤホン着脱時に少し触れてしまっただけでも反応しては、いきなりオーディオ再生が始まったりする。これにストレスを感じる人もいそう。
専用アプリを使えば1回タッチ操作を機能OFFにすることができる。どうしても誤タッチが鬱陶しい人なら最初から1回タッチ操作を封じてしまうのも手だ。
音楽操作コマンド(割り当て変更可能)
左イヤホン操作 | 右イヤホン操作 | |
1回タッチ | オーディオ再生/停止 | |
2回タッチ | 音量を下げる | 次の曲へ |
3回タッチ | 音量を上げる | 前の曲へ |
2秒長押し | 音声アシスタント起動 | 外音取り込み機能ON/OFF |
専用アプリを使えば割り当て変更可能。割り当てOFF(機能OFF)にすることも可能。
通話対応コマンド(割り当て変更不可)
左イヤホン | 右イヤホン | |
1回タッチ | 着信対応 | |
2回タッチ | ミュート | 音量を下げる |
3回タッチ | -- | 音量を上げる |
2回タッチ | 着信終了、着信拒否 |
イヤホン着脱検出(装着検出)
イヤホンの着脱検出(装着検出) | × |
イヤホンの着脱検出(装着検出)には対応せず。
対応モデルだとオーディオ再生中にイヤホンを耳から外すとオーディオ再生が自動停止。イヤホンを耳に装着し直すとオーディオ再生が自動開始する。
防水性能
防水性能 | IPX4 |
防塵性能 | × |
防水性能は標準的なIPX4仕様。雨や汗に耐えられる。イヤホンの水洗いには対応せず。
低遅延モード
低遅延モード | × |
遅延性能 | ー |
ゲーム以外での利用 | ー |
低遅延モード(ゲームモード)の提供なし。
追記:低遅延モードに似た「音の遅延をより抑える」機能がアップデートで追加されました。専用アプリから機能ON/OFF可能。
専用アプリ
専用アプリ | あり(iOS、Android) |
イコライザー調整 | 対応 |
タッチ操作コマンドの割り当て変更 | 対応 |
低遅延モード(ゲームモード)ON/OFF | ー |
イヤホンを探す | 対応 |
専用アプリ「Audio Connect」の提供あり。
イコライザー調整やタッチ操作コマンドの割り当て変更など主要なカスタマイズには対応している。
「イヤホンを探す」機能にも対応。接続中のイヤホン(イヤホン・スピーカー)からサウンドを流せるほか、最後にペアリングしていたGPS場所を確認することも可能だ。
iPhoneとの相性
iPhoneとの相性 | (非常によい) |
AACコーデック | 対応 |
iOS向け専用アプリ | 対応 |
iPhoneとの相性は非常によい。
iPhoneで主流のBluetoothオーディオコーデックである「AAC」に対応しており、オーディオ再生は問題なく可能。
iOS向けの専用アプリも提供あり。イコライザー調整やタッチ操作コマンドの割り当て変更などアプリ通じたイヤホン・カスタマイズがひととおり行える。
総じてiPhoneで使いたい人でも問題なし。iPhoneだからといって割を食う要素はない。
上位版モデル「EAH-AZ60」との違い
上位版モデルとして「EAH-AZ60」が同時発売された。価格は2.8万円前後。
土台スペックは「EAH-AZ40」(レビュー品)まま。プラスアルファで以下2つの機能が追加される。
- ノイズキャンセリング(ANC)
- LDAC(ハイレゾ再生)
ノイズキャンセリング(ANC)は言わずと知れた騒音低減機能。機能ONにすれば低周波音(濁音ノイズ)を中心に周囲の騒音が低減できる。
そして、もうひとつの大きな違いがLDAC(ハイレゾ再生)。LDACはBluetoothオーディオコーデックの一つ。もっぱらAndroidスマホと接続して使えばハイレゾ相当の音楽データをダウングレードせずに高音質ままで再生できる(※iPhoneはLDAC非対応)。

LDACならワイヤレスながらハイレゾ音源をダウングレードせずに再生できる
ダウンロード購入したハイレゾ楽曲だったり、Apple MusicやAmazon Music HDでのハイレゾ相当楽曲を高音質ままで再生したい人であれば、LDAC対応が紛うことなき評価ポイントになる。
そのほか特に違いはない。マルチポイントはどちらでも利用できる。ノイズキャンセリングとLDAC、この2つに惹かれる人であれば上位版の「EAH-AZ60」を検討あれ。
EAH-AZ40とEAH-AZ60(上位版)の主な機能・性能比較
EAH-AZ40(レビュー品) | EAH-AZ60 | |
ノイズキャンセリング | × | 対応 |
外音取り込み機能 | 対応 | |
ハイレゾ再生(LDAC再生) | × | 対応 |
マルチポイント | 対応(最大2台) | |
防水性能 | IPX4 | |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体7.5時間、ケース併用で最大25時間※ | |
市場価格 | 1.5万円前後 | 2.8万円前後 |
※EAH-AZ60はノイズキャンセリング利用時だと上記よりもバッテリー減りが早くなる
▼ テクニクス EAH-AZ60のレビュー記事を見る
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パナソニック「テクニクス EAH-AZ60」レビュー|高性能ノイズキャンセリング&マルチポイントに対応した紛うことなきハイエンドモデル
続きを見る
パナソニック「テクニクス EAH-AZ40」の外観&使用感
充電ケースはコンパクト、片手で握り込める大きさ
充電ケースは片手で握り込めるコンパクトサイズ。男性ズボンのポケットに入れておいても邪魔にならないサイズ感。
ケース素材は典型的なプラスチックだが、ヤスリで磨き上げたような適度なザラつき加工があるので手触り、質感はよい。
ケース蓋には「Technics」のロゴが刻印されてて、これまた格好いい。ケース素材のザラつき加工と相まり高級オーディオらしさを演出している。所有欲を刺激する仕上がりでビジュアル的な満足度は高い。
イヤホンのフィット感は抜群に良い
前作モデル(EAH-AZ70W)はイヤホンサイズが大きくてフィット感が最悪、ガムを噛んでるだけでイヤホンが抜け落ちそうになる致命的な弱点があった。
一転して今作「EAH-AZ40」は非常にイヤホンのフィット感が良い。
女性や耳が小さい人でも問題なく使えるコンパクトサイズに改善されたのにくわえて、イヤホンが絶妙にクネッているので耳穴の形に沿うようにしてイヤホンを耳奥に詰め込める。
イヤーピースのサイズさえ調整すればイヤホンの抜け落ちリスクも多分に軽減。ガム噛んでても問題ない。

イヤホン外側

イヤホン内側

イヤホン横側
耳から飛び出してるイヤホン面積も少なく、マスク着脱時などマスク紐に引っかかることもない。見た目もシュッとしたビジュアルになる。
ワイヤレスイヤホンならではの耳から飛び出てるビジュアルが嫌いな人であれば、物理的にもビジュアル的にも気に入ること違いない。
パナソニック「テクニクス EAH-AZ40」の音質
音質よし、クセがなくて聞きやすい
テクニクス EAH-AZ40 は、上位版モデルと同じく「アコースティックコントロールチャンバー」と呼ぶテクニクスオリジナルのイヤホン構造を採用。力強い低音とクリアな高音を両立させたオーディオを強みとしている。
いざ音楽を聞いてみると低音、中音、高音がバランスよく噛み合っていて聞き心地よい。
低音の厚みがありながらも高音の抜けはよくて音がこもらない。ボーカルもクリアなんだけどシャカシャカ、キーキーしすぎず程よく芯のあるまま残ってる。
もとより原音に忠実な、色付けしない音質を志向した製品とあり、音のバランスがピカイチ。ただただありのままの音を描写する。純オーディオ路線のワイヤレスイヤホンといった仕上がりだ。
イコライザー調整(音質カスタム)も可能
専用アプリを使えばイコライザー調整(音質調整)できる。
音のクセが少ないのが EAH-AZ40 の良さなのだが、どうしても低音がほしい、ボーカルをもっとクリアにしたい、オリジナルカスタムしたいという人であれば専用アプリを活用したいところ。
パナソニック「テクニクス EAH-AZ40」の接続具合(遅延具合)
屋外でもワイヤレス接続は安定してる
Bluetooth最新バージョン「5.2」のBluetooth製品なので極度に酷い音飛び、ブチ鳴り、接続切れはない。というか、遭遇する方がレアだと思う。ワイヤレスイヤホンの接続が不安定だったのはBluetoothバージョン「4.x」時代の話だ。
専用アプリを使えば「接続優先モード」に切り替え可能。音質を落とす代わりにワイヤレス接続の安定感を向上させる。いざ使うシチュエーションは少ないとは思うが、どうしても接続が不安定な場合は活用したい。

専用アプリ使えば「接続優先」モードに切り替え可能
遅延もほぼない
動画視聴時の遅延(音ズレ)はほぼ確認できず。
ワイヤレス接続なので100%遅延が回避できているわけではないが、それでも遅延を目視で確認できる人は少ないかと思う。YouTubeやNetflixを視聴したり、ポチゲーをプレイする程度であれば遅延は気にする箇所でもない。
【重点レビュー1】マルチポイントの使い勝手
マルチポイントの切り替えは一瞬、非常に勝手よい
テクニクス EAH-AZ40 のセールスポイントたるマルチポイント機能。
OS関係なく最大2台のデバイスを同時接続できる。iPhoneとWindows PC、AndroidスマホとMac、あるいはiPhoneとAndroidスマホといった組み合わせで接続可能。
都度オーディオ再生しているデバイス側に自動で音声出力が切り替わるため、特に何を操作することなくオーディオ再生が継続できるメリットがある。
音声出力の切り替えは瞬時。OSまたいだマルチポイントだと気持ち1秒くらいタイムラグがあったりするが、EAH-AZ40 はほんの一瞬で切り替わる。ここらはさすがのパナソニック製品。普段使いでストレスないレベルに仕上がっている。
【重点レビュー2】外音取り込み機能
外音取り込み機能は高性能、常時ONで骨伝導イヤホン代わりに使うにも最適
テクニクス EAH-AZ40 は外音取り込み機能に対応。機能ONにするとイヤホンを装着したまま周囲の音が取り込める。イヤホンのタッチセンサーを2秒長押しで機能ON/OFFできる。
肝心の取り込み音だが、非常にクリア。イヤホンを付けていない状態が100%の音の取り込みだとして、気持ち90%くらいの音は取り込めてる。
取り込みのための”サーっ”といった機械音(ホワイトノイズ)が強く出てはいるが、オーディオ再生してる状態なら気にならないレベル。ワイヤレスイヤホンを骨伝導イヤホン代わりに運用したい人など常時機能ONで使うのも現実的だ。
【重点レビュー3】ノイズカット通話マイク
通話マイク性能は隠れたセールスポイント

外側2つ、内側1つ、合計3つのイヤホンマイク搭載
テクニクス EAH-AZ40 の隠れたセールスポイントたる通話マイク。
イヤホン片側3つのマイクを搭載しており、極めて精度の高いビームフォーミング機能(口元の音声だけ拾って通話に乗せる機能)が使える。
これにくわえて独自機能「JustMyVoice」も搭載。通話音声をクリアに加工処理してくれる。

JustMyVoice機能はデフォルトで機能ON
いざ使うと騒音のある場所、たとえばテレビの前で会話していてもテレビの音だけがピンポイントにトーンダウン。騒音10%、口元の音90%くらいの比率で通話先に転送できる。
ビームフォーミング仕様なので自宅で使う場合なら隣人宅の生活音などもシャットアウトして口元の音(口元に近い音)だけ拾える。在宅ワーカーでビデオ通話、ビデオ会議など多用している人なら地味だが堅実に重宝しそうだ。
パナソニック「テクニクス EAH-AZ40」の気になったところ(あるいはデメリット)
価格のわりにノイズキャンセリング機能は搭載せず
テクニクス EAH-AZ40 は正味1.5万円のワイヤレスイヤホン。相場だとノイズキャンセリングを搭載してて当たり前のような価格帯の製品だが、ノイズキャンセリングは搭載せず。
もとより高級オーディオブランド「テクニクス」なのでコスパや相場水準の仕様を求めるのはナンセンスかもしれないが、あまりブランドに惹かれない人だと割高に感じそう。
どうしてもノイズキャンセリングが使いたい場合は上位版モデルの「EAH-AZ60」を検討したい。価格は2.8万円ほど。
ケースカバーが全く存在しない(Amazonなどで売ってない)
ケースの傷を防ぐケースカバーだが、テクニクス EAH-AZ40 向けの製品は全くと言っていいほど存在しない。Amazonおろか、楽天、ヤフーショッピングですら商品が見つからず。おおよそ裸のまま使うことになる。
「ケースになぜケースを付けるのだい?」という人なら関係ない話だが、どうしても傷を防ぐためにケースカバーを付けたい、おしゃれなケースカバーで彩って使いたい人だと気になるところ。
ちなみに筆者が探した限りでは以下1製品のみ見つかった。どうしてもケースカバーを付けたい人はこちら検討あれ。
この記事のまとめ
パナソニック「テクニクス EAH-AZ40」をレビューしてきた。
マルチポイント機能がなによりの魅力。スマホ←→PC間で同一のイヤホンないしワイヤレスイヤホンを使いまわしている人なら重宝すること違いない。いやむしろ「重宝する」。確定事項だ。
また、マルチポイントのオマケというには豪華すぎる性能・機能も捨てがたい。高音質オーディオ、高性能マイク、骨伝導イヤホン級の外音取り込み機能などいずれもワイヤレスイヤホンの中では1級品の実力。
ワイヤレスイヤホンとしての土台の部分は上位版モデル(EAH-AZ60)がベース。上位版のみで使えるノイズキャンセリングやハイレゾ再生といった機能に興味がない人であれば、まず選んで損はない。ぜひ試してみてほしい。
レビュー対象製品
上位版モデル「EAH-AZ60」はこちら
上位版モデルはブラックとシルバーの2色のみ展開。
▼ テクニクス EAH-AZ60のレビュー記事を見る
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