ワイヤレスイヤホン

デノン「AH-C630W」レビュー|国産老舗が手がけるハイレゾ風味の高音質エントリーモデル

2021年11月7日

国産オーディオブランド「デノン」(DENON)初のワイヤレスイヤホン「AH-C630W」をレビュー。

デノンと言えば創業110年を迎えた国産オーディオメーカーの老舗中の老舗(※現在はブランド商標)。1910年に国産初の蓄音機を発売したことで知られる。

現在も高級アンプなどで高い人気を誇るものの、いくらか敷居が高い高級オーディオ・ブランドになってしまい、若い世代だと「デノン」の名前すら知らない人も増えてきた。そうした若い世代の取り込みを図るべく企画されたのが今回のデノン初のワイヤレスイヤホンだ。

市場価格9,000円。とかく音がクリアで高音質。ハイレゾ風味の解像度高めのサウンドなので女性ボーカル曲など聞くと映える

ノイズキャンセリングなど対応していないが、もとより音楽を聞くため、動画を見るためのイヤホンとしてワイヤレスイヤホンを検討している人であれば問題ないだろう。デノンのワイヤレスイヤホンは高音質でコスパよくて丁度いい選択肢になると思う。

以下ひととおりレビューしていきたい。

目次

【レビュー対象製品】デノン「AH-C630W」

発売時期2021年10月
市場価格9,000円前後

カラーリングはブラックとホワイトの2色。レビューはブラックで行う。

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デノン「AH-C630W」の製品概要

デノン「AH-C630W」は2021年10月より発売開始。「デノン」ブランドを管理する株式会社ディーアンドエムホールディングスより展開される。市場価格9,000円前後。

他のデノン製品同様に技術プロのトップであるサウンドマスター(山内慎一氏)がオーディオ監修。デノン製品にしては安価ながらも、ここ数年のデノン製品のコンセプトである「Vivid & Spacious」を踏襲。クリアで音の広がりがあるハイレゾ風味のサウンドが楽しめる。

上位版モデルとして「AH-C830NCW」も発表。上位版だとノイズキャンセリングや外音取り込み機能が使える。市場価格は1.8万円前後。

 

デノン「AH-C630W」の製品特徴




サウンドマスター監修の高音質オーディオ
デノンの技術プロのトップである山内慎一氏が監修。ハイレゾ風味の音の解像度の高さに強み。

Bluetooth最新規格「Bluetooth 5.0」対応
iPhone、Androidスマホ、どちらで使う場合でも安定したワイヤレス接続。屋外でイヤホンを使いたい人にも最適。

最大18時間のバッテリー駆動(ケース併用時)
イヤホン単体4.5時間、ケース併用で最大18時間。業界平均(ケース併用20時間)よりも少しだけ短め。

通話マイク搭載(ノイズカットなし)
ビデオ通話などでイヤホン&マイクとして利用可能。ノイズカットないので騒音のある場所だと周囲の音が入り込む。

生活防水(IPX4)対応
雨、汗など防げる。イヤホンの水洗い、プールでの潜水利用など不可。
Bluetoothバージョン5.0
Bluetooth対応コーデックSBC、AAC
バッテリー駆動時間
イヤホン単体4.5時間、ケース併用で最大18時間
充電方法USB Type-C(有線)
防水性能○(IPX4)
通話マイク○(ノイズカットなし)
外音取り組み機能×
ノイズキャンセリング(ANC)×

ペアリング仕様

マルチペアリング対応(最大?台)
マルチポイント×
複数デバイス間のワンタッチでのペアリング切り替え×(先に現在のペアリングを解除する必要あり)

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付属品

充電ケーブル(USB Type-C to A)、替えのイヤーピース(S、L)が付属。なお、イヤーピースの初期装備はMサイズ。

 

上位版モデル「AH-C830NCW」との違い

上位版モデルとして「AH-C830NCW」が同時発表された。主な機能の違いは以下のとおり。

AH-C630W(※レビュー品)AH-C830W(上位版)
ノイズキャンセリング(ANC)×対応
外音取り込み機能×対応
通話マイクのノイズカット機能×対応
イヤホン着脱によるオーディオの自動再生/停止機能×対応
Google Fast Pair×対応
バッテリー駆動時間イヤホン単体4.5時間、ケース併用で最大18時間イヤホン単体6時間、ケース併用で最大24時間(ノイズキャンセリング利用時は最大19時間)
市場価格9,000円前後1.8万円前後

もっぱらノイズキャンセリング(ANC)の対応有無が気になるところ。ノイズキャンセリングが必要ない人ならば、あえて上位版モデルを購入する必要はない。

 

イヤホンはごく普通のAirPodsデザイン

イヤホン外側

イヤホン内側

イヤホンデザインはほぼほぼAirPods。おそらくAirPodsをベンチマークにしてデザイン設計したのだろう。

筒の部分が外側に飛び出しているが、AirPodsと異なりイヤーピースを搭載しているのでイヤホンの抜け落ちリスクは低い。イヤーピースのサイズさえ調整すればフィット感は安定する。

イヤホン重量は片耳5gと業界一般的な範疇。下手に重い、バランスが悪いということはない。とかく”無難”という言葉が相応しい。

 

充電ケースはコンパクト

縦4.5cm、横5.5cm

厚み3cm

充電ケースはクレジットカードの半分サイズ。厚みも3cmと業界一般的な範疇。ズボンのポケットに入れておいても邪魔にならないし、もっこりしない。

ケース外装はプラスチックを研磨剤でさらに磨き上げたような質感のよさあり。適度にザラついていて手触りがよい。

 

USB Type-Cケーブルで充電可能、ワイヤレス充電には非対応

ケースの充電ポートはUSB Type-C。AndroidスマホユーザーならUSB Type-Cケーブルがそのまま使いまわせる。

ワイヤレス充電(Qi充電)には対応せず。

 

ペアリング接続のこと

デノン「AH-C630W」の主なペアリング仕様

マルチペアリング対応(最大?台)
新規ペアリングモードの起動方法ケース背面のボタンを2秒長押し
マルチポイント×
複数デバイス間のワンタッチでのペアリング切り替え×(先に現在のペアリングを解除する必要あり)

新規ペアリングモードの起動方法はかんたん

ケース背面にペアリングボタン(マルチファンクションボタン)搭載

AirPodsシリーズ同様にケース背面にペアリングボタンあり。ケースにイヤホンを閉まい、ケース蓋を開いた状態でボタンを2秒長押しすると新規ペアリングモードが起動できる。

なお、デバイスの最大接続可能台数(マルチペアリング可能台数)は非公表だが、筆者環境では5台はつなげることは確認した。おおよそ相場からすれば5台〜10台といったところだ。

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デノン「AH-C630W」を実際に使ってみた感想とレビュー

音質はハイレゾ風味のクリアサウンドで聴きごたえあり

製品コンセプトとして「Vivid & Spacious」を掲げるだけあって非常に音がクリア。

中音域〜高音域の音の粒の細かさがハイレゾかと勘違いする明瞭さ。音の広がり、音量を上げずとも響く音の力強さもあって、これまたハイレゾっぽさを演出している。

もちろん実際にはハイレゾではないし、対応しているBluetoothオーディオコーデックはSBCとAACと業界一般的。にもかかわらず、ここまで音がクリアになるのかと感動する出来栄え。

ソニーあたりが通常オーディオをハイレゾ相当に高音質補正する機能を提供しているが、ほぼそれと変わらぬ水準。オーディオ狙いの人はもちろん、とりあえずのコスパよい高音質ワイヤレスイヤホンを探している人にもおすすめだ。

イコライザー調整不可
デノンは専用アプリを提供しておらず、イコライザー調整できない。とはいえ、あえて崩す必要もわからない。

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遅延(音ズレ)ほぼなし、YouTubeやNetflix視聴も快適

YouTubeやNetflixなど動画を見る程度であれば遅延(音ズレ)は問題ない。ワイヤレスイヤホンなので100%の遅延を回避できてるわけではないだろうが、動画を見ていて致命的に音がズレてたり、リップシンク状態になっていたりはしない。

ワイヤレスイヤホンの遅延はもっぱらBluetooth 4.x時代の製品に多かった。同製品を含めたBluetooth 5.0〜の製品だと遅延が大きく発生しているのはまれだと思う。

 

屋外で使っても音切れなし

人混みの中で使っても音飛び、接続切れなど遭遇せず。

Bluetooth製品なので運悪く周囲のBluetoothデバイスと干渉して一時的にノイズが入ることは無きにあらずだが、ワイヤレスイヤホンそれ自体のスペックとしてワイヤレス接続が弱い機種ではないと思う。

BluetoothオーディオコーデックはSBCとAACに対応しているので、iPhone、Androidスマホ、どちらで使う場合でも問題ない。

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デノン「AH-C630W」の気になったところ(あるいはデメリット)

タッチ操作コマンドは右イヤホンのみ割り当ての特殊仕様

タッチセンサー搭載

タッチ操作コマンドは右イヤホンのみ割り当て。左イヤホンには一切の操作が割り当てられず。いまいちメリットらしいメリットがわからん仕様だ...

タッチ操作コマンド

左イヤホン操作右イヤホン操作
1回タッチ割り当てなし再生/停止
2回タッチ曲送り
3回タッチ曲戻し
1回タッチ→3秒長押し音声アシスタント起動

なお、着信対応コマンドであれば、左イヤホンにも割り当てあり。

着信対応コマンド

左イヤホン操作右イヤホン操作
1回タッチ--
2回タッチ着信対応/終了
3回タッチ--
1回タッチ→2秒長押し着信拒否

 

通話マイクのノイズカット機能なし

通話マイク搭載

イヤホンに通話マイクを搭載。ビデオ通話やハンズフリー通話でイヤホン&マイクとして使える。

集音性能は問題ないが、ノイズカット機能を搭載していないので口元の音と周囲の音を一緒に取り込み。騒音のある場所だと周囲の音ごと通話転送してしまうので使いにくい。

基本的には静かな場所で使った方がいいだろう。

 

イヤホンのケースへの仕舞い方が特殊

これは地味だが本当に気になるところ。

イヤホンを耳から取り外して、イヤホンを180°回転させた向きでケースに仕舞う必要がある。

他社のワイヤレスイヤホンのようにイヤホンを耳から取り外して、そのままの向きでケースに入れることができない。慣れてないうちだと「なんのパズルゲームだ...」と言わんばかりの勝手の悪さを感じそう。

 

ノイズキャンセリング、外音取り込み機能は非対応

ノイズキャンセリング、外音取り込み機能は上位版モデル「AH-C830W」の専売特許。どうしても使いたい人だと上位版モデルを購入する必要あり。上位版モデルは市場価格1.8万円前後。

 

【まとめ】ハイレゾ風味の高音質オーディオがなによりの評価ポイント

デノン「AH-C630W」をレビューしてきた。

ハイレゾ風味のクリアで高音質なサウンドがなにより魅力。おまけにアンダー1万円の製品とあれば、これまた非常にコスパよい。すでに興味を持っている人であれば「買い」を強く推奨できるレベルのクオリティにある。

よくも悪くもスタンダードモデルであり、ノイズキャンセリングなど対応しない。ただ、もとより音楽を聞くため、動画を見るためのワイヤレスイヤホンを探している人であれば不要な機能かと思う。

アンダー1万円でできるだけ高音質で、なおかつ国産メーカー品でそこそこさまになるワイヤレスイヤホンを探している人は、ぜひ創業110年の老舗「デノン」のワイヤレスイヤホンを試してみてほしい。

 

レビュー対象製品

上位版モデル「AH-C830NCW」(市場価格1.8万円前後)

 

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