コスパで選ぶと失敗することの多いワイヤレスイヤホン業界において、コスパで選んでもハズレがない(ハズレが少ない)メーカーがある。それがAnkerだ。
Ankerはモバイルバッテリーや充電器で知られる家電メーカー。近年ではワイヤレスイヤホンも展開。価格数千円のものであってもワイヤレス接続が安定している、普通に使えるワイヤレスイヤホンとして評価を集める。
そんなAnkerがこれまたコスパ”神”クラスの製品を発表した。それが、今回レビューする「Anker Soundcore Life P3」。

Soundcore Life P3
価格8,990円で購入できる同製品。ノイズキャンセリングはじめ、2021年準拠の最新機能・性能をもりもりもりもり搭載。2021年トップクラスの最強コスパモデルとして注目を集める。
Anker Soundcore Life P3が搭載する主な機能・性能
- ノイズキャンセリング(ANC)
- 外音取り込み機能
- IPX5の防水
- ワイヤレス充電(Qi充電)
- 最大35時間使えるロングバッテリー
- ノイズカット付き通話マイク(口元音声の検出機能)
- ゲームモード(低遅延モード)
これだけでも相当にコスパよいのだが、プラスαで専用アプリを使ったイコライザー調整(音質調整)も可能。
デフォルトの音質が微妙だったとしても自分好みの音、許容範囲の音にカスタムできるので、もはや「ハズレ」という概念がない。

専用アプリはiPhone、Androidスマホ、どちらでも利用可能
はじめてのワイヤレスイヤホンとしてはもちろん、家族や知人へのプレゼント用のハズレないワイヤレスイヤホンとしてもおすすめ。
この記事では「Anker Soundcore Life P3」をレビューしていきたい。
Anker Soundcore Life P3 製品評価
発売時期 | 2021年8月 |
直販価格(税込) | 8,990円〜9,990円 |
Anker Soundcore Life P3 の製品評価は以下のとおり。
低音 | (4) |
中音 | (3) |
高音 | (3.5) |
イヤホンの装着感 | (4) |
ノイズキャンセリング | (3.5) |
外音取り込み機能 | (3) |
マイク性能 | (3) |
バッテリー性能 | (5) |
ここがGood!!
U1万円モデルながらノイズキャンセリング対応
イコライザー調整で許容範囲の音質にカスタムできる
ケース併用で35時間使えるロングバッテリー搭載
ケースのワイヤレス充電(Qi充電)対応
IPX5の防水性能あり、汚れたイヤホンの水洗いも可能
ここがBad...
ノイズキャンセリング、外音取り込み機能の効果は弱め(価格相応)
複数デバイス間のペアリング切り替えが面倒くさい
製品カラーリングは5色
カラーリングはブラック、ホワイト、レッド、ネイビー、ブルーの5色。レビューはブラックで行う。
この記事の目次(タッチで移動)
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Anker Soundcore Life P3 の製品特徴
3行でわかる!Anker Soundcore Life P3
- 2021年準拠の最強コスパモデル
- U1万円でノイズキャンセリングほか最新機能に対応
- 専用アプリでイコライザー調整(音質カスタム)可能
Anker Soundcore Life P3 は2021年8月に発売開始。
直販価格で8,990円〜9,990円で展開される紛うことなきU1万円モデル。ノイズキャンセリングほか外音取り込み機能、IPX5の防水、ケース併用で35時間使えるロングバッテリー、ゲーム専用の低遅延モードなどもりもり搭載する。費用対効果の面で見れば文句なし。
また、イコライザー調整(音質カスタム)にも対応。デフォルトの音質だと低音こもり気味だが、これが気に食わない人ならカスタムしてしまえばいい。音質シチュエーションごとのテンプレカスタム設定が用意されるので、そこまでオーディオに詳しくない人でも大丈夫だ。
基本的なスペック情報
発売時期 | 2021年8月 |
直販価格(税込) | 8,990円〜9,990円 |
ノイズキャンセリング | 対応 |
外音取り込み機能 | 対応 |
マルチポイント | × |
防水性能 | IPX5 |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体7時間 |
ケース併用で最大35時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)、Qi(無線) |
発売時期 | 2021年8月 |
直販価格(税込) | 8,990円〜9,990円 |
Bluetoothバージョン | 5.0 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体7時間、ケース併用で最大35時間 |
(ノイズキャンセリング利用時)イヤホン単体6時間、ケース併用30時間 | |
充電方法 | USB Type-C(有線)、Qi(無線) |
防水性能 | IPX5 |
通話マイク | ○ |
ノイズキャンセリング(ANC) | ○ |
外音取り込み機能 | ○ |
マルチポイント | × |
ペアリング仕様
Google Fast Pair | × |
マルチペアリング | 対応(最大?台) |
新規ペアリングモードの起動方法 | イヤホンをケースに仕舞った状態にして、ケース内部にあるペアリングボタンを3秒長押し |
マルチポイント | × |
複数デバイス間のワンタッチでのペアリング切り替え | ×(先に現在のペアリングを解除する必要あり) |
スマホ←→PC間など複数デバイス間でペアリングを切り替える場合、現在のペアリングデバイスとの接続を1度解除する必要あり。デバイス本体のBluetoothをオフにすればそのまま解除される。
一部のワイヤレスイヤホンで対応しているBluetooth設定画面からのワンタッチでのペアリング切り替えには非対応。
Google Fast Pair とは?
Google Fast Pairは、Googleが提供するペアリング簡素化システム。
Android OS 6.0以上のスマホであれば、新規ペアリングモードの起動と同時に専用のポップアップ画面が表示され、画面からワンタッチでペアリング設定できる。
マルチペアリングとは?
マルチペアリングとは、複数のBluetoothデバイスのペアリング情報が記録できる機能のこと。ここ最近のワイヤレスイヤホンだと相場5台〜10台のBluetoothデバイスのペアリング情報が記録できる。
新規ペアリングモードの起動方法について
初回設定時はケース蓋を開くだけで自動で新規ペアリングモードが起動する。2回目(2台目)以降のペアリングを行う場合は新規ペアリングモードを手動で起動する必要がある。
Anker Soundcore Life P3はケース内部にあるペアリングボタンを3秒長押しで新規ペアリングモードが起動できる。

ケース内部にペアリングボタンあり
マルチポイントとは?
マルチポイントとは、複数のBluetoothデバイスを同時接続できる機能のこと。Anker Soundcore Life P3はマルチポイント非対応。
複数デバイス間のワンタッチでのペアリング切り替えとは?
複数デバイス間でペアリングを切り替える場合、先に現在のペアリングデバイスとの接続を解除する必要がある。一部のワイヤレスイヤホンだとBluetooth設定画面や専用アプリからワンタッチでペアリング切り替えできるものがあるが、Anker Soundcore Life P3はこの仕様には非対応。
Anker Soundcore Life P3 の外観&使用感チェック
イヤホン形状はよくあるAirPods

イヤホン外側

イヤホン裏側
イヤホン形状はほぼAirPods。よくも悪くもクセがないスタンダードなイヤホン形状。
イヤホンの重量も片耳5gと軽く、イヤーピースのサイズさえ合わせればイヤホンの装着感は安定。イヤホンが抜け落ちたり、フィット感でネガティブな感想を持つことはないと思う。
なお、イヤホンの筒の部分が耳外に飛び出るため、マスクを取り外すときにマスク紐に引っかからないように注意。
イヤホンの防水性能はIPX5と優秀、運動中の利用でも問題なし
スポーツイヤホン同等のIPX5の防水性能。雨、汗、イヤホンの水洗いなどもろもろ耐える。
雨天時の屋外イヤホン利用だったり、ジムで運動中に使う程度であればなんら問題なく使える。
イヤホンにタッチセンサー搭載、タッチ感度は安定

ロゴマーク部分にタッチセンサー搭載
イヤホン本体にタッチセンサー搭載しており、タッチ操作コマンドを通じてスマホ操作が可能。
タッチ操作コマンドは1回タッチ、2回タッチ、2秒長押しの3つを用意。タッチ感度は安定してて2回タッチ操作もきちんと2回タッチと認識される。
このうち、1回タッチ操作は機能OFF(割り当てOFF)に設定変更できる。タッチセンサー式のワイヤレスイヤホンだと、ふとしたタイミングでタッチセンサーに手や肌が触れてしまい、誤作動してしまうことがあるが、この手のストレスを防ぎたい人なら機能OFFにしてしまえばいい。
タッチ操作コマンドは以下のとおり(デフォルト状態)
左イヤホン操作 | 右イヤホン操作 | |
1回タッチ(初期状態だと機能OFF) | 音量1DOWN | 音量1UP |
2回タッチ | 次の曲へ | 再生/停止 |
2秒長押し | ノイズキャンセリング←→外音取り込みの切り替え |
専用アプリ「Soundcore」を使えば、すべてのコマンドが割り当て変更できる。
なお、着信コマンドは割り当て変更できない。着信コマンドは着信対応/終了は左右どちらかを1回タッチ。着信拒否は2秒長押し。
充電ケースはマカロンサイズのコンパクトボディ
ケースは、縦5cm、横6cm、厚み3cmほどのマカロンサイズ。
丸みを帯びた形状なので手で握るともっと小さく感じる。
ケース外装はごく普通のプラスチックで安っぽさあり。上位版モデルの「Anker Soundcore Liberty Air 2 Pro」だとヌメリある上品な仕上がりだったが、同製品はそういった特殊加工は施されない。
USB Type-C充電、ワイヤレス充電(Qi充電)に対応
充電ケースはUSB Type-Cケーブルで充電できる。Androidスマホを使っている人ならUSB Type-Cケーブルがそのまま使いまわせる。
そのほか、ワイヤレス充電器(Qi充電器)を使ったワイヤレス充電も可能。アンダー1万円モデルでワイヤレス充電に対応するコスパのよさはAnkerならでは。
Anker Soundcore Life P3 の音質チェック
音質はデフォルトだと低音強め(※イコライザー調整できるのであんま関係なし)
デフォルトの音質は低音強め。
Ankerのワイヤレスイヤホンは総じて似たようなドンシャリ低音サウンドだが、Anker Soundcore Life P3 もそれを踏襲した感じ。ハードスペックからしてドライバーサイズが11mmと大きく、見てからの低音モデルだ。

専用アプリからイコライザー調整可能
とはいえ、Ankerワイヤレスイヤホンは専用アプリからイコライザー調整できるのでドンシャリ云々は関係ない。低音、中音、高音、好みの音、許容範囲の音に調整して使えば十人十色の文句ない音質に仕上がる。
中音域を引き上げるイコライザーに変更すれば、デフォルトのドンシャリサウンド、低音こもりも解消(緩和)される。デフォルトだと音質が気に食わない人なら許容範囲の音質にカスタムしてしまえばいい。
専用アプリはiPhone、Androidスマホ、どちらからでも利用できる。
Anker Soundcore Life P3 の機能面チェック
ノイズキャンセリング(ANC)はまずまずの完成度、とりあえずの静けさは得られる

ノイズキャンセリングの強度は3つのシチュエーションから選べる
Anker Soundcore Life P3 はアンダー1万円モデルながらノイズキャンセリングに対応。
とはいえ、高価格モデルのような周囲の音を徹底的に遮断するノイズカットではない。どちらかと言うと周囲の音をマイルドに濁して中和した感じのノイズカットだ。周囲の音が残ってはいるが、それでも周囲の音が低減できる。
(体感だが...)オーディオ再生した状態であれば、ほぼ周囲の音が気にならないレベルの遮音空間が作れるので実用レベルの製品といってしまって問題ないと思う。

イヤーピースのサイズを大きくすれば遮音性も高まる
イヤーピースのサイズを大きめのものに変更すれば物理的な遮音性が高まり、ノイズキャンセリングの効果も味わいやすくなる。イヤーピースによる耳穴への圧迫感が嫌いな人でもなければイヤーピースによる遮音も活用あれ。
「睡眠モード」とノイズキャンセリングの組み合わせが最強
Anker Soundcore Life P3 のダークホース的な機能がこれ。Ankerの完全ワイヤレスイヤホンで初搭載した「睡眠モード」だ。
水の音、風の音、鳥のさえずりなど環境音を鳴らせる機能。似たようなアプリは他社でもあるが、Ankerのこれは専用アプリから完全無料で利用できる(広告など表示されず)。
「睡眠モード」とはいうものの、なにも睡眠時のみに利用する必要はない。勉強するとき、本を読むとき、なにか集中したいときに活用できる。人によってはノイズキャンセリング以上に重宝すること違いない。
筆者個人としては「波の音」が好きだ。海岸でボケーッとしてるような錯覚に陥る。音がナチュラルなのにくわえて、左右イヤホンを動き回るようにして音が流れるので再現度はんぱない。ノイズキャンセリングと組み合わせて目をつむればトリップしそうな勢い。
「外音取り込み機能」は微妙な完成度、素直にイヤホン外した方がよさげ
イヤホンを付けたまま周囲の音が聞き取れる「外音取り込み」。Anker Soundcore Life P3 は同機能に対応しているが、目立った効果らしい効果は見られず。
いざ機能ONにすると取り込み音(サーッといった機械音)こそ大きくなるも、周囲の音はあまり取り込めず。また、取り込んだ音がこもって聞こえるし、自分の声もこもって反響しがちなので、機能ONのまま会話すると気持ち悪さがある。
同等価格帯の製品だとJVCケンウッドの「JVC HA-A50T」の外音取り込みが非常に優秀だったが、これに比べるとAnker Soundcore Life P3 の外音取り込みはショボい。いざ会話するときなど素直にイヤホンを外した方がストレスなくてよさそう。
遅延(音ズレ)ほぼなし、低遅延モードも一定の効果見られる

ゲーム専用の低遅延モードあり
YouTubeやNetflixなど動画を見る程度であれば遅延(音ズレ)らしい遅延はない。
というか、Bluetooth 5.0に対応している最近のワイヤレスイヤホンでそこまで極端な遅延が発生する製品もまれ。
ゲームプレイ専用の低遅延モード(ゲームモード)も搭載。どの程度の低遅延スペックかは公表されていないが、他社に習えば60ms固定、遅延を0.06秒まで減少させる程度かと思う。
音ゲーのガチ勢だと別途タイミング調整など必要かと思うが、ちょいちょいゲームする程度の人であればモードONにしておけば不満らしい不満はない。よほど目がいい人でもないと遅延が気になることはないだろう。
Anker Soundcore Life P3 の気になったところ(あるいはデメリット)
通話マイクはノイズカット対応だが、そこまで効果は見られない

通話マイク搭載
イヤホン本体に通話マイク搭載。ハンズフリー通話、ビデオ通話などでイヤホン&マイクとして利用できる。
集音性能は問題ないが、セールスポイントとして挙げられるノイズカット機能(ノイズリダクション)は微妙な完成度。
よくあるノイズカットだと口元の音と周囲の音を聞き分け、口元の音だけ通話に乗せて周囲の音はカットする。ただ、Anker Soundcore Life P3 だと口元の音、周囲の音を一様に取り込んで、周囲の音を残したまま口元の音だけを増強している感じ。
果たしてこれはノイズカットなのか?という話はさておき、周囲の音がうるさい場所で使うと通話音声がかき消されそうな使いづらさある。基本的には屋内など静かな場所で使うのに留めておいた方がいい。
複数デバイス間のペアリング切り替えがめんどうくさい
スマホ←→PC間など複数デバイス間でペアリングを切り替える場合、先に現在のペアリングを解除する必要がある。
たとえば、スマホからPCにペアリングを切り替えたい場合、先にスマホ本体のBluetoothをオフにしてイヤホンとのペアリングを解除。そのあとPC側のBluetooth設定画面からイヤホン名を選択して接続する手段を取る。
Appleやソニーあたりのワイヤレスイヤホンであれば、現在のペアリングを解除せずにデバイス間でのペアリング切り替えが可能だが、これに比べると勝手の悪さ否めない。
ここらのペアリング勝手を重視する人であれば以下の記事など参考にしてほしい。
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この記事のまとめ
Anker Soundcore Life P3 をレビューしてきた。
製品に致命的な欠点がなく、コスパもちろんのこと製品そのものも十分におすすめできる1品だ。
ノイズキャンセリングや通話マイクなどは”価格相応”であって、デメリットというにはまた違う気がする。ここらの機能を重視する人だと+5,000円くらいの予算を積んで上位製品など購入した方がいい。
アンダー1万円で購入できるハズレないワイヤレスイヤホンを探している人なら Anker Soundcore Life P3 で十分。
はじめてのワイヤレスイヤホンとして、あるいは家族・知人へのプレゼント用のワイヤレスイヤホンとしても丁度いいだろう。
レビュー対象製品
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