世にも奇妙なケースのフタなしワイヤレスイヤホン「JBL Wave100 TWS」。
ケースからイヤホンを取り出せばスマホと接続、ケースにイヤホンを仕舞えば接続解除。見た目の奇抜さ一転、ごくシンプルな使い勝手でアイディア商品にしては悪くない。十分に実用レベルにあるワイヤレスイヤホンだ。
この手の変な商品(※アイディア商品)は中華メーカーあたりがやってそうなイメージだが、同製品はアメリカの老舗オーディオメーカー「JBL」が手がけるれっきとしたオーディオ製品。
ボーカルが聞き取りやすい中音域を土台にした高品質オーディオも備えていて純粋にワイヤレスイヤホンとしての勝手がよい。

スピーカー製品でおなじみ「JBL」
エントリーモデル相当の製品とあり、価格も5,000円前後と手頃。はじめてのワイヤレスイヤホンとしても手が出しやすい価格帯だと思う。
以下「JBL Wave100 TWS」をレビューしていきたい。「フタなしワイヤレスイヤホン」というコンセプトになにかしら惹かれるものがある人は、ぜひレビューをチェックしてみてほしい。
JBL Wave100 TWS 製品評価
発売時期 | 2021年7月 |
市場価格 | 5,000円前後 |
JBL Wave100 TWS の製品評価は以下のとおり。
低音 | (3.5) |
中音 | (4.5) |
高音 | (3.5) |
イヤホンの装着感 | (4) |
ノイズキャンセリング | - |
外音取り込み機能 | - |
マイク性能 | (3) |
バッテリー性能 | (3) |
ここがGood!!
(世界初?)のケースのフタなしワイヤレスイヤホン
明瞭なボーカルが響く高音質オーディオ
ケース併用で20時間使える業界一般的なバッテリー持ち
ここがBad...
防水性能はおまけ(IPX2、水ハネを防ぐ程度)
新規ペアリングモードの起動方法が面倒くさい
製品カラーリングは4色
カラーリングはパープル、ブラック、ブルー、アイボリーの4色。レビューはアイボリーで行う。
この記事の目次(タッチで移動)
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JBL Wave100 TWS の製品概要
3行でわかる!JBL Wave100 TWS
- 米JBLが手がけるフタなしワイヤレスイヤホン
- ボーカル重視の明瞭サウンド
- ケース併用で20時間使えるバッテリー持ち
JBL Wave100 TWS は2021年7月に発売開始。
スピーカー製品で知られる米大手オーディオメーカー、JBLが手がけるエントリーモデル。ケースのフタを廃したことでガムを取るようにして片手でらくらくイヤホンが取り出せる。
スピーカー製品を思わす明瞭サウンドも魅力。ボーカル重視で伸びのある音質なので音楽MVなどじっくりと堪能したい人に丁度いい。
価格5,000円前後の製品だとバッテリー持ちが悪かったりするが、同製品はイヤホン単体5時間、ケース併用20時間と業界平均的なバッテリー水準をキープ。価格のわりにバッテリー持ちがよい。
基本的なスペック情報
発売時期 | 2021年7月 |
市場価格 | 5,000円前後 |
ノイズキャンセリング | × |
外音取り込み機能 | × |
マルチポイント | × |
防水性能 | IPX2 |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体5時間 |
ケース併用で最大20時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線) |
発売時期 | 2021年7月 |
市場価格 | 5,000円前後 |
Bluetoothバージョン | 5.0 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体5時間、ケース併用で最大20時間 |
充電方法 | USB Type-C(有線) |
防水性能 | IPX2 |
ノイズキャンセリング(ANC) | × |
外音取り組み機能 | × |
マルチポイント | × |
ペアリング仕様
マルチペアリング | 対応(最大?台) |
新規ペアリングモードの起動方法 | 既存ペアリングデバイスのBluetoothをオフにして、ペアリング再接続できない状態にして少し待つ |
マルチポイント | × |
複数デバイス間のワンタッチでのペアリング切り替え | ×(現在のペアリングを解除する必要あり) |
JBL Wave100 TWS は、新規ペアリングモードの起動コマンド、起動ボタンなど用意せず。
初回のペアリングはイヤホンを通電させれば自動で開始できる。
ただ、2回目(2台目)以降の新規ペアリングを行う場合、既存ペアリングデバイスのBluetoothをすべてオフにして、ペアリング再接続できない状態にする必要がある。その後、一定時間ペアリングされないと新規ペアリングモードに切り替わる。
いかにも格安ワイヤレスイヤホンならではの面倒仕様だ。
マルチペアリングとは?
マルチペアリングとは、複数のBluetoothデバイスのペアリング情報が記録できる機能のこと。昨今のワイヤレスイヤホンだとおおよそ5台〜10台のBluetoothデバイスのペアリング情報が記録できる。
新規ペアリングモードの起動方法について
初回設定時はケース蓋を開くだけで自動で新規ペアリングモードが起動する。2回目(2台目)以降のペアリングを行う場合は新規ペアリングモードを手動で起動する必要がある。
マルチポイントとは?
マルチポイントとは、複数のBluetoothデバイスを同時接続できる機能のこと。JBL Wave100 TWSはマルチポイント非対応。
複数デバイス間のワンタッチでのペアリング切り替えとは?
複数デバイス間でペアリングを切り替える場合、先に現在のペアリングを解除する必要がある。一部のワイヤレスイヤホンだと現在のペアリングを解除せずにペアリングが切り替えられるものもあるが、JBL Wave100 TWSは対応せず。
JBL Wave100 TWS の外観&使用感チェック
イヤホンサイズは少し太め

イヤホン外側

イヤホン内側

イヤホン横側
イヤホンは太め。大きめよりかは太め。サイズこそ一般的なワイヤレスイヤホンだが、イヤホンが出っ張った形状なのでイヤホンを装着すると耳から飛び出る。

正面から見るとわりと存在感あり
とはいえ、見た目のわりにイヤホンのフィット感は悪くない。
イヤーピースのサイズさえ調整すればきちんと耳奥まで押し込めるし、イヤホンの抜け落ちリスク(紛失リスク)も減らせる。
真正面から見た時のビジュアルさえ許せるのであれば、特にあげつらう理由もなく、無難に使えるイヤホンだと思う。
イヤホンの防水性能はIPX2とおまけ
防水性能はIPX2(IPX2は厳密には防滴)。水ハネを防ぐ程度の防水性能なので、どっぷりと水で濡らしてしまうと故障するおそれあり。
雨の日の屋外利用だったり、軽く汗かく運用中に使う程度であれば問題ないかと思うが、それでもイヤホンに水がダラダラと流れてしまうシチュエーションだと使用を控えた方がよさそう。
ケースのフタがないけどイヤホンが抜け落ちない
JBL Wave100 TWS の最大のセールスポイントたる「フタのない充電ケース」。
見た目すごいユルそう、イヤホンが抜け落ちそうなイメージがあるが、実際に使うとそんなことはない。
イヤホン&ケースが非常に強固にマグネットで固定されていて、ケースを降っても、ケースをひっくり返してもイヤホンが抜け落ちることはない。

イヤホン側もマグネット強め
あくまでマグネットで固定しているだけなのでケースごと落下させれば衝撃でイヤホンが抜け落ちそうだが、それは他のワイヤレスイヤホンでも変わらないかと思う。
ズボンのポケットやカバンの中に入れておく程度であれば、なんら問題ない。「イヤホンが抜けてしまって困る」みたいなシチュエーションにはならない。この点、安心してよい。
ケースからイヤホンが取り出すにはコツがいる
ケースからイヤホンを取り外すのは少しコツがいる。
イヤホンを真上から掴んで取り上げるのではなく、イヤホンをケース外側に倒すようにして(ズラすようにして)取り出す。

イヤホンをケース外側に倒すようにして取り出す
イヤホンを真上から取り出そうとすると高確率で取り出しに失敗する。マグネットでかなり強めに引っ付いてるので取り出しにくい。

真上からは取り出しにくい
ケース充電はUSB Type-Cケーブルで可能、ワイヤレス充電には対応せず
アンダー5,000円のワイヤレスイヤホンだが、USB Type-Cポートを搭載してる。microUSBではない。Androidスマホユーザーなら普段の充電で使ってるUSB Type-Cケーブルが使いまわせる。
ワイヤレス充電(Qi充電)には対応せず。
JBL Wave100 TWS の音質&機能面チェック
音質は中音域重視(ボーカル重視)
音質は中音域がメイン。ボーカルがしっかりと聞き取れる。スピーカー製品で高いシェアを持つ米JBLならではのサウンドだ。
低音域、高音域もそこそこ出てるが、それ以上に中音域がしっかりと構える。おかげでクリアで芯のあるボーカルが映える聞き心地よいサウンドに仕上がる。ロック系の曲など聞いていてもバックサウンドにボーカルが潰されず、きちんとボーカル重視で楽しめる。
下手に派手派手なサウンドではないので長時間のリスニングでも聞き疲れない。普段使いのイヤホンとして考えればこの上ない優秀モデルだと思う。
屋外でもワイヤレス接続は安定
5000円前後のワイヤレスイヤホンだと屋外や人混みの中でワイヤレス接続が不安定になり、音切れ、ブチ鳴りが多発する製品もあるが、JBL Wave100 TWS はそういった質の悪さは見られず。
土台Bluetooth 5.0のワイヤレスイヤホン、Bluetooth製品であり、従来のBluetooth 4.x時代の製品に比べればワイヤレス接続は非常に堅牢。電車やカフェでも問題なく使える。
なお、iPhone 7/7Plus以前のiPhoneはBluetooth 5.0非対応。接続してもBluetooth 5.0ではなくBluetooth 4.xで接続されてしまい、ワイヤレス接続の安定感に影響が出がちなので注意。
遅延(音ズレ)ほぼなし、YouTubeやNetflixは問題なく見れる
YouTubeやNetflixで動画を見ていて、目にわかるような遅延(音ズレ)は確認できず。
ワイヤレス経由でオーディオデータを転送しているので100%の遅延は回避できないだろうが、それでも下手な格安ワイヤレスイヤホンよりはマシ。特に違和感なくYouTubeなど楽しめる。
音ゲーなどもタイミング調整と組み合わせればなんとかプレイできそうだ。
ボタン操作しやすい

物理ボタンあり
イヤホン外側に物理ボタン搭載。ワイヤレスイヤホンでは珍しいラバー素材のボタンとなる。
ボタンの押し心地は軽め。2回押し、3回押し操作でも押し間違いが少ない。
タッチセンサー式のワイヤレスイヤホンと比べて、ふとしたタイミングに手が触れてしまい誤動作することもない。全体的に勝手よい。
【補足】ボタン操作は以下のとおり(操作の割り当て変更不可)
イヤホン操作(左右同じ) | |
1回押し | オーディオの再生/停止 |
2回押し | 曲の次送り |
3回押し | 曲の前戻し |
2秒長押し | 音声アシスタント起動 |
着信対応/終了は1回押し。着信拒否は2秒長押し。
専用アプリなど提供しておらず、ボタン操作の割り当て変更はできない。
JBL Wave100 TWS の気になったところ(あるいはデメリット)
通話マイクは普通(ノイズカットなし)

通話マイクあり
イヤホン本体に通話マイク搭載。ビデオ通話やハンズフリー通話で活用できる。
集音性能は問題なし。きちんと口元の音が聞き取れてる。
ただ、ノイズカット機能は搭載しておらず、騒音のある場所だと周囲の音も含めて集音して通話転送してしまう。基本的には静かな場所で使った方がよさそう。
この記事のまとめ
JBL Wave100 TWS をレビューしてきた。
価格5,000円のワイヤレスイヤホンだが、製品の完成度は極めて高い。格安品にありがちな低音こもりもなく、ボーカル重視で明瞭なオーディオは好印象。ここらはさすがスピーカー製品で強みを持つJBL製品だ。
ケースからイヤホンを取り出すのに少しコツがいるのだが、慣れてしまえば片手でらくらくイヤホンが取り出せるし、「フタなしワイヤレスイヤホン」ならではの勝手のよさが理解できると思う。
ワイヤレスイヤホンはワイヤレスイヤホンでも他の製品と比べてなにか一つ違ったコンセプトのある、特徴のある製品を探している人に JBL Wave100 TWS をおすすめしたい。
レビュー対象製品
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