ワイヤレスイヤホン

JVC HA-A50T レビュー|JVCケンウッド謹製、アンダー1万円のノイズキャンセリング対応ワイヤレスイヤホン

2021年9月3日

ついこの前まで高級ワイヤレスイヤホンの代名詞的な機能だった「ノイズキャンセリング」(ANC)。今やアンダー1万円のワイヤレスイヤホンでも対応する機種が増えてきた。

ただ、その多くはコスパ特化の中華イヤホンであり、なかなかオーディオというには程遠かったりする。

そうした中で登場したのが国産大手オーディオメーカー、JVCケンウッドが手がける「JVC HA-A50T。市場価格9,000円ながらノイズキャンセリングに対応。オーディオファンから注目を集めている。

ノイズキャンセリングもちろんオーディオ製品としての完成度も高い。フラットかつクリアで力強いサウンドが楽しめる。低音ブーストしてイキってるだけの中華イヤホンとは明確に違い区別できるオーディオだ。

ノイズキャンセリング狙いで購入するのはもちろん、アンダー1万円でそこそこマシなオーディオスペックのワイヤレスイヤホンを探している人にもおすすめ。

以下ひととおり実機を使ってレビューしていきたい。

【レビュー対象製品】JVC「HA-A50T」

発売時期2020年10月
市場価格9,000円前後

カラーリングはブルー、ブラック、トープの3色。レビューはブルーで行う。


○ JVC「HA-A50T」の評価ポイント

  • ほどよく効いてるノイズキャンセリング(ANC)
  • 外音取り込み機能は価格以上の完成度
  • フラットかつクリアな高音質サウンド

× ダメなところ

  • ノイズキャンセリング利用時にホワイトノイズ(機械音)あり
  • 耳に装着したイヤホンが横に出っ張り気味
  • イヤホン着脱によるオーディオの自動再生/停止機能なし
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JVC「HA-A50T」レビュー

製品概要

JVC HA-A50T は、JVCケンウッドが2020年10月に発売開始した完全ワイヤレスイヤホン。JVCケンウッドは国産老舗オーディオメーカーである「日本ビクター」と「ケンウッド」が合併して2008年に誕生した。

市場価格9,000円と安価ながらAirPods Proをベンチマークにしたかのようなスペックモデルに。ノイズキャンセリング(ANC)や外音取り込み機能に対応。また、IPX4の防水性能とケース併用24時間のバッテリーを搭載しており、スペックシートだけ見るとAirPods Proと変わらない。

スペックシート抜粋

Bluetoothバージョン5.0
Bluetooth対応コーデックSBC、AAC
防水性能IPX4
連続再生時間イヤホン単体8時間、ケース併用で最大24時間(ノイズキャンセリング利用時は同6時間、18時間)
充電方法USB Type-C(有線)
通話マイク○(ノイズカット機能なし)
ノイズキャンセリング(ANC)

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同梱品

低反発イヤーピース付属(写真左)

製品本体ほか、充電ケーブル(USB Type-C to A)、替えのイヤーピースが付属。

アンダー1万円のワイヤレスイヤホンながら低反発イヤーピースが付属していてお得感あり。通常のイヤーピースよりも遮音性を高められるのでノイズキャンセリングとの相性よい。

 

外観・サイズ感

縦4cm、横8cm

厚さ3.5cm

充電ケースサイズは縦4cm、横8cm、厚み3.5cm。他社製品よりも気持ち1割ほど大きめ。

なんというか横長すぎて、ファーストインプレッションで「長っ!!」と思ってしまった。

イヤホン本体も大きめ。横に出っ張った小型ヘッドセットのようなデザインだ。

イヤーピースのサイズさえ合えばつけ心地は悪くない。

ホールドが安定していて揺れやズレも感じにくい

ただ、イヤホンが耳から飛び出た、横に出っ張ったビジュアルになる。まさしく小型ヘッドセット。真正面から見たときのデザインの好き嫌いが分かれそうだ。

 

ペアリング接続のこと

JVC「HA-A50T-A」の主なペアリング仕様

マルチペアリング対応(最大?台)※5台は繋げた
初回のペアリングケース蓋を開けば自動でスタート
2回目(2台目)以降のペアリング左イヤホンを5秒長押しでパワーオフ → 1度手を離す→ 右イヤホンを5秒長押しで新規ペアリングモードが起動
マルチポイント非対応
複数デバイス間のペアリング切り替え方法現在のペアリングを解除 → 切り替えたいデバイスのBluetooth設定画面からイヤホン名を選択

複数デバイス間のペアリング切り替えは面倒

複数デバイス間でのペアリング切り替えは現在のペアリングを解除しないと行えない面倒仕様。

普段からスマホやPCなど複数デバイス間でイヤホンを使いまわしている人だと特に面倒くささ感じそう。

ペアリングの解除とはBluetooth接続の解除のこと。現在ペアリングしているデバイスのBluetoothをオフにすれば、そのままイヤホンとのペアリングが解除される。ペアリング情報の削除ではない。

 

オーディオ性能

オーディオは聞き心地よい

オーディオはフラットかつクリア。音の広がりもそこそこあって満足感は高い。

10mmの大型ドライバーを搭載しているが、いたずらに低音重視というわけではなく、音がこもった感じもない。低音ともども中音域〜高音域も表現されていて、きれいに音がまとまっている。

Jpopもアニソンも洋楽も楽しめる、聞く曲を選ばずに使いまわせる王道イヤホンといっても過言ではない。

アンダー1万円のワイヤレスイヤホンだと低音ブーストしただけの安っぽい感じの製品が多いが、こうした製品とは一線を画している。ここらはさすがはJVCケンウッド製品であり、エントリーモデルでも手を抜かず、オーディオメーカーとしての矜持を見せたよう。

 

ノイズキャンセリング(ANC)

ノイズキャンセリングはほどよく効いてる

ノイズキャンセリングは機能ON/OFFで違いが認識できるレベルに効いている。

騒音を打ち消すよりかは騒音を濁す、マイルドにするといった感じ。周囲の音を完全にシャットアウトしているわけではないが、防音室のような周囲の音が7割〜8割ダウンしてる空間が作れる。

もっぱら低周波音(濁音ボイス)を中心にノイズカット。人の話し声など高周波音はわりとそのまま聞こえる。

オーディオ再生している状態であれば、ほぼほぼ周囲の音が気にならないレベル。カフェや電車の中で音楽を聞いたり、Netflixなど視聴したいときに丁度よさそうだ。

 

わずかにホワイトノイズあり

ノイズキャンセリング利用時にホワイトノイズ(サーっといった機械音)あり。

ごくごく微細な音でオーディオ再生していれば気にならない。

ただ、オーディオを止めた状態だと明確に認知できてしまうので、オーディオ止めての耳栓利用を考えている人だと合わなさそう。

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外音取り込み機能(JVCいわくの"タッチ&トーク機能")

アンダー1万円では異様に高性能な外音取り込み

外側マイクから音取り込み

外音取り込み機能は優秀。高級モデルと比べても遜色ない。

下手に周囲の音を増強しているわけではなく、声が反響したりするわけでもない。

周囲の音を9割方そのままイヤホンスピーカーに通しているような、”明瞭”という言葉がふさわしい自然な外音取り込みを実現している。実用性は十分にある

また、機能ONにするとオーディオの音量も自動で最小にしてくれる優れもの

他社のアンダー1万円のワイヤレスイヤホンだと外音取り込み機能はオマケのような感じだったので、あまりにしっかりと機能していて逆に驚いた。間違いなくセールスポイントの一つだろう。

外音取り込み機能は、右イヤホンのタッチパッドを1回タッチで機能ON/OFFできる。

 

ワイヤレス接続の安定感

ワイヤレス接続は屋外でも安定してる

屋外で使っていても音飛び、ブチ鳴り、接続切れなど特に見られない。

ワイヤレスイヤホン(Bluetoothイヤホン)なので周囲の電波干渉の具合にも影響されるだろうが、製品それ自体のスペックとしてそこまでワイヤレス接続が不安定な製品ではないと思う。

 

遅延は動画を見る程度なら気にならない

YouTubeやNetflixなど動画視聴は違和感なし。明確に認知できる音ズレはない。

ただ、荒野行動(スマホゲーム)をプレイしていると所々音ズレが見られた。

apt-Xコーデックに対応していないのでAndroidスマホであってもAAC接続が限度。FPSや音ゲーなどは遅延が影響して辛いかもしれない。

 

バッテリーまわりのこと

充電はUSB Type-Cポートから、ワイヤレス充電は非対応

USB Type-Cケーブルを使った有線充電に対応。Androidスマホユーザーなら充電器(&充電ケーブル)がそのまま使いまわせる。

ワイヤレス充電(Qi充電)には対応せず。

バッテリー駆動時間は業界一般的(ケース併用24時間)

バッテリー駆動時間はイヤホン単体8時間、ケース併用で24時間前後は使える。

なお、ノイズキャンセリングONの状態だとイヤホン単体6時間、ケース併用で18時間前後になる。

業界スタンダードたるAirPodsがケース併用で24時間前後なので、ほぼほぼこれと変わらないバッテリー水準だ。

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そのほかチェックしておきたい細かなこと

通話マイクは優秀(ノイズカットないけど...)

イヤホン内側の先端部分にマイクあり

イヤホンに通話マイクを内蔵。スマホ通話やweb通話のための通話マイクとして活用できる。

ノイズカットは行われず、口元から離れた周囲の音も含めて通話転送している。ただ、そのわりには明瞭な通話音声であり、きちんと声を拾っている。

騒音の大きな場所で使うのは辛そうだが、自宅テレワークで使うくらいであればいかんなくマイク性能が発揮できると思う

 

タッチセンサーの感度は問題なし

JVCのロゴマーク部分にタッチパッドあり

ごく一般的なタッチセンサー仕様。

タッチ感度がよすぎることも悪すぎることもなく、ストレスなく使える。複数回タッチもきちんと認識してくれる。

タッチ操作コマンドは以下のとおり

右イヤホン左イヤホン
1回タッチ「ノイズキャンセリング→外音取り込み→OFF」の切り替え再生/停止
2回タッチ音量を上げる音量を下げる
3回タッチ---音声アシスタント起動
1秒触れて離す次の曲へ進む前の曲へ戻る

タッチ操作コマンドの割り当て変更できず

「1秒触れて離す」とは、気持ち1秒長押しして、”プッ”みたいな音がしたらタッチパッドから指を離すと起動する操作コマンド。

なお、着信時に左右どちらかを1回タッチで着信対応できる。着信終了も1回タッチ。着信拒否は着信中に1秒触れて離す。

 

防水性能はIPX4とまずまず

ワイヤレスイヤホンで半ば業界標準となりつつあるIPX4の防水性能。

イヤホンを装着したまま雨に濡れたり、ジムやジョギングのときに汗が付く程度ならカバーできる。

 

イヤホン着脱によるオーディオの自動再生/停止機能なし

他社ワイヤレスイヤホンでよく見る機能だが、搭載していない。

イヤホンを外しただけではオーディオが止まらず、逆にイヤホンを装着しただけではオーディオ再生が始まらない。手動で再生/停止ボタンを押す必要がある。

 

専用アプリの提供なし

専用アプリを使ったイコライザー調整など行えず。

 

この記事のまとめ

JVC HA-A50T をレビューしてきた。


○ JVC「HA-A50T」の評価ポイント

  • ほどよく効いてるノイズキャンセリング(ANC)
  • 外音取り込み機能は価格以上の完成度
  • フラットかつクリアな高音質サウンド

× ダメなところ

  • ノイズキャンセリング利用時にホワイトノイズ(機械音)あり
  • 耳に装着したイヤホンが横に出っ張り気味
  • イヤホン着脱によるオーディオの自動再生/停止機能なし

アンダー1万円のワイヤレスイヤホンでよくある「価格にしては」という評価を軽く2〜3段階ほど上回ってくる優秀な製品で驚いた。

ノイズキャンセリングもちろん、オーディオ品質だったり、クリアな外音取り込み機能など総合的に評価できる製品に仕上がっている。

イヤホンサイズが少し大きく、横に出っ張った感じのデザインなのでイヤホン着用時に存在感があるのだが、これさえ許容できれば、ほか特に文句らしい文句がない。

ノイズキャンセリング対応のワイヤレスイヤホンを探している人はもちろん、アンダー1万円で購入できる高パフォーマンスのワイヤレスイヤホンを探している人に、ぜひおすすめしたい。

 

レビュー対象製品

 

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