ヤマハのロングセラー・ワイヤレスイヤホン「TW-E3B」をレビュー。
同製品はエントリーモデルの位置づけながら価格.comの人気ランキング(イヤホン部門)で総合3位にランクイン(2021年8月時点)。発売開始は2020年11月だが、現在なおAirPods Proやソニー新作「WF-1000XM4」と並びロングセールスを続けている。
ノイズキャンセリングなど最新機能こそ対応していないが、”ヤマハ”のイメージどおりの優しく丁寧な音質に評価集まる。長時間のリスニングでも聞き疲れず、老若男女、誰が使っても平均点以上の音のよさが感じられる。
ヤマハファンはもちろん、ワイヤレスイヤホン初心者、コスパよいワイヤレスイヤホンを探している人など広くおすすめできる1品だ。以下レビューしていきたい。
ヤマハ「TW-E3B」製品評価
発売時期 | 2020年11月 |
市場価格 |
ヤマハ「TW-E3B」の製品評価は以下のとおり。
低音 | (4) |
中音 | (4.5) |
高音 | (4.5) |
イヤホンの装着感 | (3.5) |
ノイズキャンセリング | - |
外音取り込み機能 | - |
マイク性能 | (3) |
バッテリー性能 | (3) |
ここがGood!!
低音、中音、高音までバランスよく鳴る聞き心地よい音質
「aptX」コーデック対応、Androidスマホと接続すればより高音質に
AirPods同等のバッテリー持ち(ケース併用で最大24時間駆動)
IPX5の防水性能あり、雨、汗、汚れたイヤホンの水洗いも可能
ここがBad...
ノイズキャンセリング(ANC)非対応
ペアリング情報が記録できるデバイス台数が最大3台と少なめ
製品カラーリングは6色(+ゆるキャン)
カラーリングはブラック、グレー、グリーン、ピンク、ブルー、バイオレットの6色展開。限定版として「ゆるキャン」仕様のモデルもあり。レビューはグレーで行う。
この記事の目次(タッチで移動)
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ヤマハ「TW-E3B」製品概要
スペックシート抜粋
Bluetoothバージョン | 5.0 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC、aptX |
ノイズキャンセリング | × |
外音取り込み機能 | × |
マルチポイント | × |
防水性能 | IPX5 |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体6時間 |
ケース併用で最大24時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)のみ |
ヤマハ「TW-E3B」はエントリーモデル相当機種ではあるが、Bluetoothコーデック「aptX」に対応。Androidスマホと接続して使えばより高音質&低遅延なオーディオ再生が可能になる。
「ゆるキャン△」コラボモデルあり
2021年4月にアニメ「ゆるキャン△」コラボモデルを発売。
筐体カラーが志摩リンをイメージしたブルーカラーに。また、音声アナウンスが志摩リン扮する東山奈央ボイスに変更される。そのほか特に変更点なし。土台のスペックは通常版と同じ。
2021年7月時点ですでに生産終了。オリジナルの価格は1.5万円前後なので近い価格であればAmazonやメルカリなどで購入してもいいかもしれない。
ペアリング仕様
マルチペアリング | 対応(最大3台) |
新規ペアリングモードの起動方法 | 右左イヤホンのボタンを同時5秒押し |
マルチポイント | × |
複数デバイス間のワンタッチでのペアリング切り替え | ×(先に現在のペアリングを解除する必要あり) |
ペアリング設定は特殊仕様。右イヤホンをペアリングしてから左イヤホンを別途ペアリングする手順を取る。
新規ペアリングモードを起動してもBluetoothデバイスとして「Yamaha TW-E3B R」しか表示されないが問題ない。まずは右イヤホン側をペアリングする必要があるのでこれを選択する。
詳しい手順は公式マニュアルを確認あれ。
マルチペアリングとは?
マルチペアリングとは、複数のBluetoothデバイスのペアリング情報が記録できる機能のこと。ヤマハ「TW-E3B」は最大3台のデバイスのペアリング情報が記録できる。4台目以降は古いペアリング情報から上書きされる。
新規ペアリングモードの起動方法について
初回設定時はケース蓋を開くだけで自動で新規ペアリングモードが起動する。2回目(2台目)以降のペアリングを行う場合は新規ペアリングモードを手動で起動する必要がある。
マルチポイントとは?
マルチポイントとは、複数のBluetoothデバイスを同時接続できる機能のこと。ヤマハ「TW-E3B」はマルチポイント非対応。
複数デバイス間のワンタッチでのペアリング切り替えとは?
複数デバイス間でペアリングを切り替える場合、先に現在のペアリングを解除する必要がある。一部の製品であれば現在のペアリングを解除せずにペアリングが切り替えられるが、ヤマハ「TW-E3B」は同仕様には対応せず。
バッテリーまわりのこと
バッテリー駆動時間(通常時) | イヤホン単体6時間 |
ケース併用で最大24時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)のみ |
バッテリー駆動時間は相場平均的。イヤホン単体6時間、ケース併用で最大24時間使える。
充電はUSB Type-Cケーブルで可能。ワイヤレス充電(Qi充電)には対応せず。
通話マイク仕様
通話時ノイズカット機能 | ✗ |
風切り音カット | ✗ |
イヤホン本体に通話マイクを搭載。ビデオ通話やハンズフリー通話で活用できる。
ノイズカット機能など搭載しないごく普通のマイク。騒音のある場所で使うと周囲の音ごと取り込むので使いづらい。静かな場所で使うのが限度かと。
操作性

物理ボタン搭載
ボタン種類 | 物理ボタン |
操作コマンドの割り当て変更 | ✗ |
イヤホン本体の音又マーク部分がそのまま操作ボタン(物理ボタン)になっている。
ボタンは硬すぎず柔からすぎず”カチカチ"っとスムーズに押し操作できる。
タッチセンサー式ボタンだとイヤホン着脱時に指が触れてしまい誤作動することがあるが、もとより物理ボタンなので誤タッチなくて快適。この点、地味だが堅実な評価ポイントだ。
音楽操作コマンド(割り当て変更不可)
左イヤホン操作 | 右イヤホン操作 | |
1回押し | 再生/停止 | |
2秒長押し | 前の曲に戻る | 次の曲に進む |
2回押し | 音量1DOWN | 音量1UP |
通話対応コマンド(割り当て変更不可)
右イヤホン | 左イヤホン | |
1回押し | 着信対応/着信終了 | -- |
長押し | 着信拒否 | -- |
通話対応コマンドはいずれも右イヤホンのみで機能。左イヤホンには割り当てなし。
防水性能
防水性能 | IPX5 |
防塵性能 | ✗ |
イヤホンが水洗いできるIPX5の防水性能あり。雨や汗程度なら問題すらなし。運動中の利用にも最適だ。
iPhoneとの相性
iPhoneとの相性 | (非常によい) |
AACコーデック | 対応 |
iOS向け専用アプリ | 対応 |
iPhoneとの相性は非常によい。
iPhoneで主流のBluetoothオーディオコーデックである「AAC」に対応しており、iPhoneで使う場合でも音質面で割を食うことはない。
専用アプリもiPhoneから利用できる。ただ、専用アプリは特にカスタマイズ要素ないので、あえて使う必要もない。
ヤマハ「TW-E3B」の外観&使用感
イヤホンサイズはコンパクト、ヌメっ気ある優しい触れ心地

ヤマハの音又マーク(兼ボタン)あり
イヤホンサイズはコンパクト。そこまで出っ張ったイヤホンデザインではないのでイヤーピースのサイズさえ合わせれば耳の穴の中できれいに収まる。
イヤホン外装は少しヌメっ気があって優しい触り心地。長時間のイヤホン装着でも耳が痛くならない。
充電ケースはごくごく一般的なサイズ感

縦3.5cm、横7cm

厚み3.5cm
ケースは縦3.5m、横7cm、厚み3.5cmほど。
軽く丸みががっていて手で握り込みやすい。男性ズボンのポケットに入れても邪魔にならない。
ケース素材はプラスチック。ザラザラ加工など施されず、ただただ成形したプラスチックケースといった印象。悪くはないが味気もない。ヤマハの音又マークのみ刻印仕様でこだわりを感じる。
ヤマハ「TW-E3B」の音質
「ヤマハのワイヤレスイヤホン」に嘘偽りない高音質オーディオ
楽器メーカー・ヤマハのブランドイメージ崩さぬ高音質オーディオを搭載。
低音〜高音まで均一に音が鳴るフラットな音質。ボーカルとバックサウンドも丁度5:5くらいの比率でミックスされる。
あらゆるジャンルの楽曲を原曲ままで再現できるんじゃないか?と思わす音の表現幅がある。下手な低音増強もなく、長時間のリスニングでも聞き疲れしない。
いかにもドンシャリした、音の強弱が激しいサウンドが好きな人だとむず痒さ感じそう。ただ、よりお上品で長時間のリスニングでも聞き疲れないオーディオを好む人であれば、これ以上のワイヤレスイヤホンはないだろう。
イコライザー調整(音質カスタム)には非対応
専用アプリは提供しているが、イコライザー調整(音質調整)には対応せず。
とはいえ、デフォルト設定ままで十分に満足できる音質だ。あえてイコライザー調整で設定を崩す必要もないだろう。
ヤマハ「TW-E3B」の接続具合(遅延具合)
ワイヤレス接続は屋外でも安定してる、遅延(音ズレ)もほぼない
製品そのものを原因とした音飛び、ブツ鳴り、接続切れなどに遭遇することは限りなくレア。土台「Bluetooth 5.0」仕様のワイヤレスイヤホンとあり、ワイヤレス接続はしっかりしている。
ワイヤレスイヤホン(Bluetoothイヤホン)なので周囲の電波干渉具合で一時的にノイズが入ることはあるかもしれないが、製品それ自体を理由にしたワイヤレス接続の不安定さは感じられない。
対応しているBluetoothコーデックはSBC、AAC、aptXの3つ。AndroidスマホであればaptXコーデックで繋げるので、より強固なワイヤレス接続になる。音質向上や遅延(音ズレ)減少も期待できる。
iPhoneだとaptXコーデック非対応だが、AACコーデックでも十分に安定。目にわかるような遅延(音ズレ)も確認できず。
ヤマハ「TW-E3B」の気になったところ(あるいはデメリット)
ノイズキャンセリング、外音取り込み機能は非対応
ここらはアンダー1万円のワイヤレスイヤホンだと対応していない製品の方が一般的だが、ヤマハも例にもれず非対応。
ヤマハは以前ノイズキャンセリング対応の上位モデルを展開していたのだが、製品不良からリコール。回収されてない中古品を除けば現在は入手できない。
どうしてもノイズキャンセリングなど使いたい人だと他社のワイヤレスイヤホンを検討する必要がある。
専用アプリはオマケ、あってもなくても関係ない
ヤマハの専用アプリ「Headphones Controller」が利用できる。アプリはiOS、Androidの双方に配信中。
とはいえ、ほぼほぼカスタマイズ要素はない。「リスニングケア」のON/OFFとオートパワーオフの設定しか行えない。他社でよくあるイコライザー設定、ボタン操作コマンドの割り当て変更など提供せず。
イヤホンのソフトウェア・アップデートもアプリ通じて行うが、2020年11月に製品が発売して以降アップデートは1度も来ていない。現在なおバージョン1.00のままだ(2021年8月時点)。
正直なところ、アプリを使う必要性は薄いかと...
この記事のまとめ
ヤマハ「TW-E3B」をレビューしてきた。
エントリーモデルの位置づけだが、高級モデルと比べても遜色ない高音質オーディオを実現。「ヤマハ製品だから」という理由で購入しても損はないオーディオ特化のオーディオ製品として完成している。
昨今だとワイヤレスイヤホンでもテレワーク用途のものだったり、スポーツ特化のものだったり多いが、そういうのはさておき、純粋に音楽を聞くためのワイヤレスイヤホンを探している人であれば、ヤマハ「TW-E3B」がおすすめだ。
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