"ソニー”ブランドのワイヤレスイヤホンとして最安モデルとなる「WF-C500」をレビュー。
ソニーは価格数万円の高級ワイヤレスイヤホンを中心に展開していたが、一転、「WF-C500」は価格1万円で購入できるエントリーモデルに位置づけ。とりあえずでワイヤレスイヤホンを試してみたい人でも手が出しやすい価格になった。
エントリーモデルながら上位版モデル「WF-1000XM4」と同じくソニー独自技術「DSEE」に対応。圧縮されたデジタル音源を高音質補正して再生できる。オーディオへのこだわりは上位版モデルと変わらない。
ソニー製品として名前買いしたい人、性能が安定してるそこそこ安いワイヤレスイヤホンを探している人におすすめだ。
以下のレビューもチェックしてみてほしい。
ソニー「WF-C500」製品評価
発売時期 | 2021年10月 |
市場価格 | 1万円前後 |
ソニー「WF-C500」の製品評価は以下のとおり。
低音 | (3.5) |
中音 | (4.5) |
高音 | (4) |
イヤホンの装着感 | (5) |
ノイズキャンセリング | - |
外音取り込み機能 | - |
マイク性能 | (3) |
バッテリー性能 | (3) |
ここがGood!!
ソニー独自技術「DSEE」対応、デジタル楽曲を高音質補正して再生可能
イヤホンは小柄で装着感よし、耳穴にぬめりこむ
生活防水(IPX4)対応、雨や汗は問題なし
イヤホン単体10時間、ケース併用で20時間使えるバッテリー持ち
ここがBad...
イヤホン、ケースともに価格相応の安っぽさあり
ノイズキャンセリング(ANC)非対応
360 Reality Audio(ソニーの立体音響サービス)はオマケ程度にしか使えない
製品カラーリングは4色
カラーリングは白、黒、オレンジ、グリーンの4色。レビューは白で行う。
この記事の目次(タッチで移動)
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ソニー「WF-C500」の製品概要
3行でわかる!ソニー「WF-C500」
- ”ソニー”ワイヤレスイヤホンの最新エントリーモデル
- ソニー独自技術「DSEE」機能に対応、デジタル音源を高音質補正
- イコライザー調整にも対応、好きな音質にカスタムできる
ソニー「WF-C500」は2021年10月に発売開始。
上位版モデル「WF-1000XM4」と異なりエントリーモデルの位置づけ。とはいえ、ソニーオーディオの代名詞たる「DSEE」には対応しており、デジタル音源をCD相当の音質の高音質補正して再生できる。
また、イコライザー調整(音質カスタム)にも対応しているのでデフォルトの音質が気に食わない人でも問題ない。とかくオーディオ機能に特化したソニーらしい製品だ。
基本的なスペック情報
発売時期 | 2021年10月 |
市場価格 | 1万円前後 |
ノイズキャンセリング | × |
外音取り込み機能 | × |
マルチポイント | × |
防水性能 | IPX4 |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体10時間 |
ケース併用で最大20時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線) |
発売時期 | 2021年10月 |
市場価格 | 1万円前後 |
Bluetoothバージョン | 5.0 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体10時間、ケース併用で最大20時間 |
充電方法 | USB Type-C(有線) |
防水性能 | IPX4 |
ノイズキャンセリング(ANC) | × |
外音取り込み機能 | × |
マルチポイント | × |
ペアリング仕様
Googel Fast Pair | × |
マルチペアリング | 対応(最大?台) |
新規ペアリングモードの起動方法 | 左右イヤホンのタッチボタンを同時に5秒押し |
マルチポイント | × |
複数デバイス間のワンタッチでのペアリング切り替え | △(専用アプリからごくまれな確率で切り替え可能) |
スマホ←→PC間などでペアリングを切り替える場合、先に現在のペアリングデバイスとペアリングを解除する必要あり。
専用アプリを使えば現在のペアリングを解除せずにペアリングが切り替えられる場合があるが、切り替え精度は高くない。おおよそ失敗する(筆者体感)。

専用アプリ使ったペアリング切り替えは不安定...
Google Fast Pair とは?
Google Fast Pairは、Googleが提供するペアリング簡素化システム。
Android OS 6.0以上のスマホであれば、新規ペアリングモードの起動と同時に専用のポップアップ画面が表示され、画面からワンタッチでペアリング設定できる。
マルチペアリングとは?
マルチペアリングとは、複数のBluetoothデバイスのペアリング情報が記録できる機能のこと。昨今のワイヤレスイヤホンだとおおよそ5台〜10台のデバイスのペアリング情報が記録できる。
新規ペアリングモードの起動方法について
初回設定時はケース蓋を開くだけで自動で新規ペアリングモードが起動する。2回目(2台目)以降のペアリングを行う場合は新規ペアリングモードを手動で起動する必要がある。
マルチポイントとは?
マルチポイントとは、複数のBluetoothデバイスを同時接続できる機能のこと。ソニー「WF-C500」はマルチポイント非対応。
複数デバイス間のワンタッチでのペアリング切り替えとは?
一般的なワイヤレスイヤホンだと複数デバイス間でペアリングを切り替える場合、先に現在のペアリングを解除する必要がある。対してソニー「WF-C500」は専用アプリを使えば(ごくまれな確率で)ペアリング切り替えできる。現在のペアリングを解除する必要はない。
ソニー「WF-C500」の外観&使用感チェック
イヤホンサイズは小さくてフィット感よし
イヤホンサイズは小ぶり。上位版モデル「WF-1000XM4」よりも気持ち1サイズくらい小さいので男性もちろん女性でも難なく装着できる。
実際に装着してみるとラクラク耳穴の奥の奥へとねじ込める。イヤーピースのサイズさえ調整すればフィット感、ホールド感もばっちしだ。

マスク紐へも干渉なし
イヤホン重量は片耳5gと軽量クラス。外観が和紙っぽい素材のせいか、実際にはもっと軽く感じる。
物理ボタン搭載、タッチボタンよりもストレスなく使える(体感)

物理タッチボタン搭載
イヤホン本体に物理ボタンを搭載しており、ボタン通じたスマホ操作が可能。
タッチボタンよりも操作性は断然よい。ふとしたタイミングで指が触れてしまい誤反応することがない。タッチボタンよりもストレスなくて使いやすい。
ただ、ボタン操作コマンドはカスタマイズできず。左右イヤホンでコマンド内容が異なるので慣れるのに時間がかかりそうだ。
▼ ソニー「WF-C500」のタッチ操作コマンド
左イヤホン | 右イヤホン | |
1回押し | 音量1UP | 再生/停止 |
2回押し | -- | 次の曲へ |
3回押し | -- | 前の曲へ |
長押し | 音量が連続DOWN | -- |
2秒長押し | -- | 音声アシスタント起動 |
着信対応/着信終了は左右イヤホンどちらかを1回押し。着信拒否は同2秒長押し。
イヤホン本体の防水性能はIPX4
生活防水相当のIPX4の防水性能あり。雨や汗に耐える。
イヤホンの水洗いには対応していないので汚れたときなど水道の蛇口から水をかけると危険。水拭きする程度にとどめておいた方がいい。
充電ケースは小さめ
充電ケースは長い方が8cm、短い方が3.5cm、厚み3cmほど。手で持って握りこぶしつくれるコンパクトサイズ。
上蓋はスケルトン仕様。上蓋を閉じた状態でも中に入ってるイヤホンがうっすらと見える。
プラスチックのスケルトン仕様なので安っぽく感じるが、もとより同製品は高級感よりかはカジュアルさ、ポップさを売りにしていることもあり、よくも悪くも取っつきやすい雰囲気だ。
充電はUSB Type-Cケーブルで可能、ワイヤレス充電には対応せず

充電ポートはUSB Type-C
充電はUSB Type-Cケーブルで可能。10分の充電で60分相当のバッテリーがチャージできる急速充電仕様。
ワイヤレス充電(Qi充電)には対応していない。
ソニー「WF-C500」の音質チェック
音質は中音重視、ソニーオーディオっぽさは多分にあり
オーディオの土台の音は中音域。ボーカル映えるソニーらしいオーディオは健在だ。
ドライバーサイズからして5.8mmと小型。そこまで低音がグイグイくる感じはなく、ボーカル音声を中心に全体の音のバランスを整えた。
専用アプリを使えばイコライザー調整(音質カスタム)も可能。もっぱら低音がほしい人であればイコライザー調整すると丁度いいかもしれない。
音質補正機能「DSEE」はとりあえずは効果あり
ソニー「WF-C500」はエントリーモデルながらソニーの音質補正機能「DSEE」に対応。
機能ONにするとデジタル音源をCD相当に補正。言うならば音の解像度が高まる。
ただ、「音のシャワーを浴びるような」と形容できるレベルの解像度ではない。音のシャワーよりかは音のダマにとどまる。上位版モデルと違ってハイレゾ相当に高音質化しているわけではないので過度な期待は禁物だ。
なお、「DSEE」とイコライザー調整はどちらか片方しか機能ONにできない。そこまでDSEEの効果が感じられない人だと、最初から好みの音質にイコライザー調整して使った方が満足度が高いかもしれない。
【補足】DSEE設定をONにする設定方法
初期状態では通常音質での再生となる。
「DSEE」を使うためには、専用アプリ「Headphones Connect」でサインイン後、以下2点を変更する必要がある。
- Bluetooth接続品質を「接続優先」から「音質優先」に変更
- DSEEを「OFF」から「ON」に変更
なお、「DSEE」を機能ONにするとイコライザー設定が無効化されるので注意。
「DSEE」はあくまで原曲そのままに高音質化(アップスケーリング)する技術なのでイコライザーと併用できない。
ソニー「WF-C500」の機能面チェック
屋外でもワイヤレス接続は安定してる
エントリーモデルの位置づけだが、ワイヤレス接続の安定感は問題ない。
人混みの中で使っても音切れ、ブチ鳴り、接続切れなど遭遇するのはまれだ(Bluetooth製品なので運悪く電波干渉してしまう可能性はあるが...)。
Bluetoothバージョンは「Bluetooth 5.0」。BluetoothオーディオコーデックはSBCとAACが使えるのでiPhoneだろうとAndroidスマホだろうと無難に使いまわせる。
遅延(音ズレ)らしい遅延ないが、ゲームは辛そう
YouTubeやNetflixなど動画を視聴する程度であれば遅延(音ズレ)らしい遅延も見られず、違和感ないレベルで使える。
他方、スマホゲームだと遅延が影響しそう。あくまでもBluetoothイヤホンなので100%の音ズレが回避できているわけではない。「ゲームモード」(低遅延モード)も搭載しておらず、音ゲーなどプレイする人だとタイミング調整など必要かと思う。
通話マイクはごく普通の性能、ノイズカット機能なし

通話マイク搭載
イヤホン本体に通話マイクを搭載。ビデオ通話やハンズフリー通話のイヤホン&マイクとして活用できる。
集音性能は問題なし。きちんと声を拾ってる。
ただ、ノイズカット機能は搭載しておらず、周囲の音も含めて均一に集音している。屋外や騒音のある場所だと周囲の音ごと集音して通話転送してしまうので使いにくい。基本的には室内など静かな場所で使った方がいい。
ソニー「WF-C500」の気になったところ(あるいはデメリット)
微かにホワイトノイズあり
【※追記※】ホワイトノイズの有無は個体差がある模様
オーディオ再生に伴うホワイトノイズ、”サーッ”といった機械音が発生している。
ごくごく微細な音であり、オーディオ音量を上げれば音が隠せる。ただ、オーディオ音量が低い状態、MVの無音シーン、環境音ASMRなどのオーディオ再生している人だと耳障りに感じる人もいそう。
ノイズキャンセリング&外音取り込み機能は非対応
1万円前後のワイヤレスイヤホンでも搭載する機種が増えてる同機能だが、ソニー「WF-C500」は非対応。
現状、ソニーのワイヤレスイヤホンでノイズキャンセリングを搭載しているのはフラッグシップの「WF-1000XM4」、1世代前のフラッグシップ「WF-1000XM3」くらい。どうしてもノイズキャンセリングを使いたい人だと上位版モデルを選ぶ必要がある。
360 Reality Audio(ソニー版3Dオーディオサービス)は紛うことなきオマケ機能
ソニー「WF-C500」は、ソニーが提供する3Dオーディオサービス「360 Reality Audio」が利用できる。
ただ、Appleが提供する3Dオーディオ(空間オーディオ)と違ってYouTubeやNetflixでは利用できない。
あくまで特定の音楽アプリの特定の楽曲しか3D変換できず、2021年10月時点で実用性はほぼ皆無だ。
いくらかサンプル楽曲があるのでお試し程度に使うのが限度だろう。詳しくは以下記事でまとめているので参考にしてほしい。
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【Tips】ソニー「360 Reality Audio」の使い方と対応楽曲の探し方(WF-1000XM4使用)
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この記事のまとめ
ソニー「WF-C500」をレビューしてきた。
ソニーらしいオーディオを堅実に受け継いだエントリーモデルといったところ。特にボーカル重視で音楽を楽しみたい人におすすめしたい。
費用対効果の観点から言うと少し割高だが、言ったところで”ソニー”ブランド製品だ。自分で使う場合はもちろん、知人友人にプレゼントする場合でも格好がつく。これが1万円で購入できると考えれば意外とコスパいいのかもしれない。
"ソニー”ブランドをなにより評価する人であれば、ぜひ試してみてほしい。
レビュー対象製品
ソニー「WF-C500」の代替候補となりうる製品はこれ
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