ワイヤレスイヤホン

ソニー「WF-1000XM3」レビュー|オーディオ&ノイズキャンセリング特化のソニーフラッグシップ

2020年9月19日

ついに登場したソニーの新作ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM3」。

ハイレゾ相当の高音質再生を可能にする「DSEE HX」(機能)に対応したオーディオ特化モデル。ライバル機種のAirPods Proに比べても遥かに解像度の高いクリアなオーディオが楽しめる。

また、代名詞たるノイズキャンセリング(ANC)機能も強化。低周波音を中心にもろもろノイズカット。屋外であってもオーディオだけに集中できる静寂空間が作れる。

とかくオーディオを楽しみたい人のためのワイヤレスイヤホンといって過言ではないだろう

「オーディオといえばソニー」「安定のソニー」「国産ワイヤレスイヤホンを探している」といった人はレビューをチェックしてみてほしい。

【レビュー対象製品】WF-1000XM3

発売時期2019年7月
市場価格2.4万円前後 → 2万円前後

カラーリングはブラックとプラチナシルバーの2色。レビューはブラックで行う。

○ WF-1000XM3 の評価ポイント

  • ワイヤレスイヤホンで最高クラスの高解像度オーディオ
  • 精度の高いノイズキャンセリング性能
  • 複数デバイス間のペアリング切り替えが簡単

× ダメなところ

  • 通話マイクがしょぼい
  • タッチセンサーの反応具合が悪い
  • 充電ケースが異様にデカイ

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【追記】2021年6月に後継モデル「WF-1000XM4」が発売開始となりました

ソニー「WF-1000XM4」レビュー|ハイレゾ再生(LDAC再生)できる世界初の完全ワイヤレスイヤホン

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【徹底比較】ソニー「WF-1000XM4」何が変わった?前作「WF-1000X M3」からアップデートされた10のこと

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ソニー「WF-1000X M3」レビュー

製品概要

・ソニー「WF-1000X M3」は、2019年7月に発売開始されたソニーのワイヤレスイヤホン(完全ワイヤレスイヤホン)。市場価格は24,000円前後。

・2017年に発売された初代モデル「WF-1000X」の後継機に該当する。WF-1000Xの弱点として挙げられたワイヤレス接続の安定感が改善され、普通に使えるワイヤレスイヤホンとして堅実に進歩した。

・代名詞たるノイズキャンセリングやオーディオ性能も強化。特にオーディオはハイレゾ相当の高音質再生を可能にする「DSEE HX」(機能)に対応。ワイヤレスイヤホンではトップクラスとなるクリアな音質が楽しめる。

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スペックシート抜粋

Bluetoothバージョン5.0
Bluetooth対応コーデックSBC、AAC
防水性能×
連続再生時間ケース併用で最大36時間(ノイズキャンセリングONだと同24時間)
充電方法USB Type-C(有線)
通話マイク○(ノイズカットなし)
ノイズキャンセリング(ANC)

 

ケースデザイン

写真縦5cm、横8cm

厚さ2.8cmほど

ケースは他社製品に比べて大きめ。

特に厚みが2.8cmと分厚く、男性ズボンのポケットに入れたときなどモッコリしがち。

ケースサイズの割にバッテリー容量は普通。ノイズキャンセリングONの状態で公称24時間とあくまで業界一般的な水準だ。いや本当に、なぜここまでケースが大きくなったのか不思議でしょうがない。

男性ズボンの小ポケットには入らない

 

つけ心地

耳に付けたイメージ

イヤホンは片耳8gとワイヤレスイヤホンにしては少し重め。

いざ耳に付けるとそこまで重さは感じないのだが、耳に付けてる感、引っ付いてる感は多分にある。さながら小型ヘッドセットのような付け心地だ。

紛失リスクはそこまで高くないとは思うが、ほぼほぼイヤーピースだけで引っ付いてる状態なので、イヤーピースのサイズ調整は必須だろう。

イヤーピースの替え付属

 

ペアリング勝手

ペアリング勝手は非常によい。

NFCペアリングに対応。Androidスマホであればケース中央部のNFCにタッチすればペアリング設定できる。

物自体はBluetoothイヤホンなのでNFCを使わないペアリング設定も可能。iPhoneやPCなどでもBluetooth設定画面からデバイス検出して設定すれば問題なく使える。

左右イヤホンを同時7秒押しで新規ペアリングモードに移行できる

マルチペアリング対応。最大8台のデバイスのペアリング情報を保持できる。

複数デバイス間でのペアリング切り替えは、Bluetooth設定画面からワンタッチで可能。格安イヤホンのように都度現在のペアリングを解除する必要なく、上書きする形でペアリングが移せる。

AndroidスマホであればNFCタッチによるペアリング切り替え、専用アプリ起動によるペアリング切り替えも可能。ここら非常に勝手がよくて好印象だ。

専用アプリ使ったペアリング切り替え可能

なお、マルチポイントには非対応。同時に複数デバイスとペアリング接続できず、1台づつ交代交代でペアリング接続して使う必要がある。

 

オーディオ性能(音質)

ハイレゾ補正「DSEE HX」対応、より高解像度なオーディオに

スタンダードの状態だと中音〜高音域に特化。低音も過不足なく出ていて非常に音の幅が広い。完全ワイヤレスイヤホンでも、ここまでのオーディオ表現が可能なのかと時代の進歩を感じる。

そのうえで最大のセールスポイントが「DSEE HX」機能。

ソニー独自のアップスケーリング技術で機能ONにすると通常オーディオをハイレゾ相当に高音質補正して再生できる。

実際に機能ONにして聞いてみると、通常よりも音がクリアに。なおかつ音の重厚感が気持ち2割くらい増す。音の解像度が劇的に変わるので、ハイレゾないにしろハイレゾ相当の高音質が嘘ではないと分かる。

ただ、機能ONにするとバッテリー駆動時間がイヤホン単体3時間(通常6時間)前後にまで減少する。ケース併用でも最大15時間ほどのバッテリーしか持たない。この点は注意あれ。

DSEE HXを使うには、イコライザーをOFFに、DSEE HXをAutoにする必要あり。

 

ノイズキャンセリング性能

ソニー「WF-1000X M3」の代名詞たるノイズキャンセリング。

屋外の騒音などあらかた除去できており、ノイズキャンセリングならではの静寂が味わえる。

ホワイトノイズ(サーっと言った音)も発生していない。ほぼAirPods Pro同等のノイズキャンセリング性能だと太鼓判を押せる完成度。

ただ、結構な風切り音が発生している。もっぱら屋外で使っているとイヤホンに当たった風の音が”ヴォーヴォー”と聞こえるので、せっかくのノイズキャンセリングの静寂が台無しだったりする。

アンビエントサウンド(外音取り込み)にすれば「風ノイズ低減」モードがあるので、これを使えば、風切り音を除去できるのだが、結局ノイズキャンセリングは解除されてしまう。なので、ノイズキャンセリング利用時の風切り音はどうしても除去できない。こればかりは残念なところ。

「風ノイズ低減」モードにすれば風切り音は除去できるが、ノイズキャンセリングが解除されてしまう。

 

外音取り込み機能

外音取り込み機能あり(ソニーいわく”アンビエントサウンド”)。

ノイズキャンセリング用マイクを使って周囲の音を集音。それをイヤホン・スピーカーを通して聞くことができる補聴器のような機能だ。

いざ使うと結構なホワイトノイズ(サーっという音)が入っているが、周囲の音はきちんと聞き取れている。常用はどうかと思うが、たまに使う程度ならいいかもしれない。

 

ワイヤレス接続の安定感

ワイヤレス接続の安定感は前作モデルよりかは改善されたが、それでも100点満点の出来とは言い難い。

特に屋外で使うと時折”ポツン”という音が鳴る。また、左右分離型イヤホンとあり、左右それぞれがスマホと接続されるが、そのせいか片耳だけ聞こえなくなることもある。

いずれも多発するわけではなく、時々起こりうる話なのだが、AirPods Proのような100点満点に近いストレスフリーな使い勝手とは言い難い。気持ち75点/100点くらいの出来だろう

どうしても接続が不安定な場合は専用アプリで「接続優先モード」に切り替えればマシになる。多少なりに音質が落ちるが...

 

バッテリー持ち

バッテリー持ちはノイズキャンセリングONだとケース併用で公称24時間、ノイズキャンセリングOFFだとケース併用で公称32時間としている。

業界一般的な、それこそAirPods Pro同等クラスのバッテリー持ちなので、そこまで粗らしい粗はない。

ただ、先述とおり、ケースの大きさの割には普通のバッテリー容量だ。

 

充電環境

USB Type-Cケーブルを使った有線充電に対応。Qi充電(ワイヤレス充電)には対応せず

短時間充電機能あり。10分の充電で90分相当のバッテリーが充電できるので、忙しいときでもパパっとバッテリー残量が確保できる。

 

そのほかチェックしておきたい細かなところ

マイクは酷い

イヤホン外側中央にある丸い部分が通話用マイク

イヤホンマイクを使った通話が可能だが、あまりクオリティは良くない。

通話時の雑音カット機能を搭載しておらず、屋外で使うと騒音や風の音など雑音が多分に入る。屋内で使うならまだしも屋外での利用は現実的ではないと思う。

 

タッチセンサーの感度悪い

イヤホン外側にタッチセンサーを搭載しているが、思いのほか反応が悪い。

ワンタップまだしも、ツータップ、ツリータップだと高確率で反応せず、ワンタップとして処理されてしまうのでストレスに感じる。点数で言えば32点/100点くらいの出来だ。購入に際して割り切りが必要だと思う。

タッチ操作コマンドについて

タッチ操作コマンドは専用アプリ(Headphones Connect)から割り当て可能。

イヤホン左右に同一、あるいは異なるコントロールを設定できる。コントロールは「再生コントロール」「外音コントロール」「音量コントロール」ほか、Googleアシスタントやアレクサ操作も選べる。

再生コントロール

1回タップオーディオ再生/停止
2回タップ曲送り
3回タップ曲戻し
長押し音声アシスタント起動

外音コントロール

1回タップノイズキャンセリングON → 外音取り込み機能ON → OFF →(以下繰り返し)※1
長押しクイックアテンション起動※2

※1 1回タップするごとに「→」の順番で機能切り替え
※2 長押ししている間だけ外音取り込み機能をONに

左イヤホン、右イヤホンにそれぞれ1つづつ設定できる。

 

防水非対応

高価格帯モデルでは珍しく防水非対応。雨の日に使ったり、ジムやジョギングなど汗だくの状態で使うには不安が残る。

 

専用アプリ「Headphones Connect」について

iOS、Android双方に専用アプリ「Headphones Connect」を配信している。同アプリを使えば、イコライザー調整(音質調整)、タッチセンサーの機能割り当て変更、通知アナウンスの言語設定などが可能。

また、Android版アプリならアプリ起動によるペアリング復帰にも対応。他のデバイスとペアリングしていても強制的にアプリ起動したデバイスにペアリングを移せる

 

この記事のまとめ

ソニー「WF-1000X M3」をレビューしてきた。

○ WF-1000XM3 の評価ポイント

  • ワイヤレスイヤホンで最高クラスの高解像度オーディオ
  • 精度の高いノイズキャンセリング性能
  • 複数デバイス間のペアリング切り替えが簡単

× ダメなところ

  • 通話マイクがしょぼい
  • タッチセンサーの反応具合が悪い
  • 充電ケースが異様にデカイ

オーディオ&ノイズキャンセリングは文句なし。

一方でマイク品質の悪さ、タッチセンサーの感度の悪さ、防水未対応など欠点もわりと目立つ。

AirPodsシリーズのようなとことんまでのストレスフリーな使い勝手、ガジェットとしての使い勝手を重視する人だと勝手が悪いかもしれない。

あくまでもオーディオとして使うことを前提にした購入をおすすめする。音楽を聞くためのワイヤレスイヤホンとして考えれば文句ない完成度なので、いざ購入して損することはないだろう。

 

レビュー対象製品

 

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