ワイヤレス環境であってもオーディオ性能にこだわりたい人から人気を集めるソニーの完全ワイヤレスイヤホン。
オーディオをハイレゾ相当に高音質補正するソニー独自機能「DSEE」、ソニーが開発した高音質Bluetoothオーディオコーデック「LDAC」などなどオーディオ関連の機能を数多く取り揃える。
この記事では、ソニーの現行ワイヤレスイヤホンを一覧して比較。製品ごとの特徴やおすすめポイントをまとめていく。
オーディオ性能を重視してワイヤレスイヤホンを選びたい人、あるいは”ソニー”ブランドの良さげのワイヤレスイヤホンを探している人など記事をチェックしてみてほしい。
この記事の目次(タッチで移動)
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ソニーの現行ワイヤレスイヤホン一覧&選び方
ソニーの現行ワイヤレスイヤホン一覧
ソニーの現行ワイヤレスイヤホンは以下の5製品(2023年4月時点)。
※ネックバンド式のワイヤレスイヤホンを除く
スペックシート比較
WF-1000XM4 | LinkBuds S | LinkBuds | WF-C500 | WF-C700N | |
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発売時期 | 2021年6月 | 2022年6月 | 2022年2月 | 2021年10月 | 2023年4月 |
市場価格 | 2.8万円 | 2.1万円 | 1.9万円 | 9,000円 | 1.8万円 |
ノイズキャンセリング | 対応 | × | 対応 | ||
外音取り込み機能 | 対応(機械) | 対応(物理) | × | 対応(機械) | |
マルチポイント | 対応 | × | 対応予定 | ||
DSEEの種類 | Extreme | 通常版 | |||
LDAC | 対応 | × | |||
防水性能 | IPX4 | ||||
ワイヤレス充電(Qi) | 対応 | × | |||
バッテリー駆動時間 | 36時間 | 30時間 | 17.5時間 | 20時間 | 20時間 |
(イヤホン単体8時間) | (イヤホン単体9時間) | (イヤホン単体5.5時間) | (イヤホン単体10時間) | (イヤホン単体10時間) | |
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※バッテリー駆動時間はいずれもノイズキャンセリングOFFの状態の数値
それぞれの製品コンセプト&選ぶべきポイント
WF-1000XM4
一言で言うと...
現行フラッグシップ。ノイズキャンセリング性能が圧倒的。
ソニー・フラッグシップ「WF-1000X」シリーズ。2021年に登場した現行モデルが「WF-1000XM4」。
ノイズキャンセリングに強み。ソフトウェア処理によるノイズカット精度の高さはもちろん、イヤホン構造による物理的な遮音性も高い。イヤホン装着で物理的に耳穴全体が覆われるため、ソフトウェア処理だけでは除去しにくい人の話し声なども極力カットできる。
その一方、やはりイヤホンの物理的なサイズが大きめ。イヤホン装着すると耳穴を押し広げてくる。イヤホン重量も片側7gと相場よりも重く、長時間のイヤホン装着で耳が痛くなる人もいそう(特に女性)。
オーディオ面に関してはソニー独自の音質補正機能「DSEE Extreme」に対応。通常のオーディオ再生であってもハイレゾ音源かと勘違いするレベルに音の粒が細かくなり、いわゆるクリアな音になる。
とかくノイズキャンセリングとオーディオにこだわりたい人であれば「WF-1000XM4」を選んで間違いない。
LinkBuds S
一言で言うと...
WF-1000XM4の軽量コンパクト版
2022年に立ち上げられた新作シリーズ「LinkBuds」。SixTONES(ジャニーズアイドル)をイメージモデルに起用するなど女性ユーザーを多分に意識。
WF-1000XM4と打って変わって軽量コンパクトなイヤホンに。WF-1000XM4と比べて物理的な遮音性こそ劣るものの、ソフトウェア処理によるノイズカット精度は高く、実用十分なノイズキャンセリング性能あり。
WF-1000XM4がとことんまでにノイズキャンセリング性能を追求したのに対して、LinkBuds Sはカジュアルに使えるノイズキャンセリング対応イヤホンといったところ。長時間のイヤホン装着でも疲れにくいので女性に限らず男性にもおすすめ。
オーディオ面に関してはソニー独自の音質補正機能「DSEE Extreme」に対応。通常のオーディオ再生をハイレゾ相当に高音質補正できる。オーディオにそこまで詳しくない人でも体感ベースで音のよさが理解できて満足度は高い。
LinkBuds
一言で言うと...
骨伝導イヤホン代わりになる”耳をふさがないイヤホン”
新作シリーズ「LinkBuds」の元ネタ製品。2022年に登場。”耳をふさがないイヤホン”として2022年のヒット商品の仲間入りした。
イヤホンを装着しても耳穴を完全にふさがず、スピーカーの音、周囲の生活音、双方が同時に聞き取れる。
さながら骨伝導イヤホンのワイヤレスイヤホン版。骨伝導イヤホンを使う場面でそのままLinkBudsが活用できる。
一方で音質は普通。よくも悪くも音がこもらないので低音が抜ける。オーディオ性能にこだわりたい人だと肩透かし食らいそう。
基本的には骨伝導イヤホン代わりに使えるワイヤレスイヤホンを探している人が選ぶべき。
WF-C500
一言で言うと...
1万円で買えるスタンダードモデル
WF-C500は純然たるスタンダードモデル。ノイズキャンセリングはじめとした上位版モデル機能は搭載していないが、その分、価格1万円とソニー製品にしてはコスパよい。
ソニー独自の音質補正機能「DSEE」には対応。ボーカル中心に高音質化。ソニーらしさある中音クリアな音が楽しめる
イヤホンなんて音楽が聞ければ十分、動画が見れれば十分、だけどもソニーがいい!という人ならWF-C500がおすすめ。
WF-C700N
一言で言うと...
WF-C500の上位版モデル。ノイズキャンセリング対応。
2023年4月に発売開始した「WF-C700N」。「WF-C500」の事実上のアップデートモデル。イヤホン筐体などWF-C500ままだが、新たにノイズキャンセリングとマルチポイントに追加対応した。
価格が1.8万円とWF-C500に比べて割高だが、WF-C500では物足りなさを感じている人、もっぱらノイズキャンセリングとマルチポイントが使いたい人であればWF-C500ではなく「WF-C700N」を選ぶのもありだ。
ソニーの完全ワイヤレスイヤホン、スペックで比較する場合に考慮したい点はこれ
基本的には製品コンセプトの違いで選んで問題ないが、プラスアルファでスペック検討したい人だと以下4点を確認したい。
- ノイズキャンセリングの対応有無(&遮音強度)
- 外音取り込み機能の対応有無(&開放感の違い)
- オーディオ補正機能の違い
- マルチポイントの対応有無
1. ノイズキャンセリングの対応有無(&遮音強度)
対応有無 | 遮音強度 | |
WF-1000XM4 | 対応 | + |
LinKBuds S | 対応 | |
LinkBuds | × | - |
WF-C500 | × | - |
WF-C700N | 対応 | 未確認 |
ノイズキャンセリング狙いなら、やはりWF-1000XM4がおすすめ。
ソフトウェア処理によるノイズカット精度の高さはもちろん物理的な遮音性がピカイチに高い。ほぼ耳栓のようなイヤホン構造なので装着すると物理的に静かになる。
対してLinkBuds Sは軽量コンパクトなイヤホン構造とあり、WF-1000XM4よりも物理的な遮音性が低い。この分、ノイズキャンセリングの遮音強度も低くなりがち。
WF-C700Nのノイズキャンセリング強度は未確認(新作のためまだ購入してない)。
2. 外音取り込み機能の対応有無(&開放感の違い)
対応有無 | 音の取り込み具合 | |
WF-1000XM4 | 対応(機械) | |
LinKBuds S | 対応(機械) | |
LinkBuds | 対応(物理) | + |
WF-C500 | × | - |
WF-C700N | 対応(機械) | 未確認 |
外音取り込み機能とは、イヤホンを装着したまま周囲の音が聞き取れる機能。イヤホンマイク通じて周囲の音を拾い、イヤホン・スピーカー経由で周囲の音が聞き取れる。
WF-1000XM4、LinkBuds Sは外音取り込み機能に対応。機能ON/OFFで周囲の音の明るさが明確に変わる。取り込みに伴うノイズもほとんど出ておらず、常時ONにして使う場合でも気持ち悪くない。
ただ、これを圧倒的に凌ぐのがLinkBuds。外音取り込み機能を使わず、イヤホンの物理構造により骨伝導イヤホンのような使い勝手を実現した。スピーカー経由ではなく、イヤホンの隙間からそのまま周囲の音が入ってくるので耳周りの開放感は抜群だ。
WF-1000XM4、LinkBuds Sは言ったところで機械的な周囲の音の取り込みにすぎない。LinkBudsとは天と地ほどの違い。
WF-C700Nの取り込み性能は未確認(新作のためまだ購入してない)。
3. オーディオ補正機能の違い
DSEEの対応有無 | 音質補正効果 | |
WF-1000XM4 | 対応(Extreme) | + |
LinKBuds S | 対応(Extreme) | + |
LinkBuds | 対応(通常版) | |
WF-C500 | 対応(通常版) | |
WF-C700N | 対応(通常版) | 未確認 |
DSEEはソニー独自の音質補正機能。YouTubeやNetflixなど通常のオーディオ再生を高音質化できる。
DSEEの上位版たる「DSEE Extreme」であれば音の粒が非常に細かくなる。オーディオにそこまで詳しくない人でも音質のよさ、音の粒が細かくなったのが体感ベースで理解できる。ソニーいわくの「ハイレゾ相当の高音質化」も嘘ではない。
通常版のDSEEだと正直そこまで機能ON/OFFの違いはわからない。お気持ち程度の音質補正といったところ。
なお、LinkBudsに関しては”耳をふさがないイヤホン”とあり、イヤホン構造的に音が抜けがち。DSEEを機能ONにしても体感ベースではほとんど効果らしい効果は感じられない。
DSEEの効果を明確に味わいたい人だと「DSEE Extreme」が使えるWF-1000XM4、LinkBuds Sがおすすめ。
4. マルチポイントの対応有無
対応有無 | |
WF-1000XM4 | 対応 |
LinKBuds S | 対応 |
LinkBuds | 対応 |
WF-C500 | × |
WF-C700N | 対応(今年夏に対応予定) |
スタンダードモデルのWF-C500以外はすべてマルチポイント対応。
マルチポイントは最大2台のデバイスを同時接続できる機能。なにかしらオーディオ再生しているデバイス側に自動で音声出力先が切り替わる。
スマホ←→PC間など複数デバイス間でワイヤレスイヤホンを使いまわす予定の人であればマルチポイント対応が紛うことなきセールスポイントに。都度、手動でペアリング接続先を切り替える必要がないのでストレスフリーだ。
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そこまでこだわらなくて問題ない比較ポイント
LDAC(ハイレゾ再生)の対応有無
対応有無 | |
WF-1000XM4 | 対応 |
LinKBuds S | 対応 |
LinkBuds | × |
WF-C500 | × |
WF-C700N | × |
ソニーが開発した高音質Bluetoothオーディオコーデック「LDAC」(エルダック)。上位版モデルのWF-1000XM4、LinkBuds Sのみ対応している。
LDACは「ハイレゾ再生が可能」と宣伝されるものの、LDACとはいえロッシー(CD音源よりも劣化する非可逆圧縮)なので伝送している音源の情報量はCD以下。CDの6.5倍の情報量を謳う”ハイレゾ”とは明確に別物だ。
ソニーとしてもLDACのことを厳密には「ハイレゾ・ワイヤレス」と表現している。あくまで「SBC」や「AAC」など従来のBluetoothオーディオコーデックに比べて3倍の情報量の高音質再生としており、これもうハイレゾとは別物だ。
正直、体感ベースだと従来のBluetoothオーディオコーデックとの音の違いがわからず、体験ベースでの満足度は低い。オーディオ重視の人だとLDACの有無よりもDSEEにこだわった方がいい。
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【まとめ】ソニーのワイヤレスイヤホン、それぞれどういった人におすすめ?
WF-1000XM4がおすすめな人
- とかくノイズキャンセリング重視の人
- ハイレゾ相当の高音質オーディオを楽しみたい人
ソニー・ワイヤレスイヤホンのフラッグシップモデル「WF-1000XM4」。
ノイズキャンセリング性能がピカイチ。ソフトウェア処理によるノイズカットの精度の高さ、イヤホン構造による物理的な遮音性の高さ、同2つが併さった圧倒的な静けさあり。
一方、物理的な遮音性と引き換えにイヤホンサイズが大きめに。そして重め(片側7g)。長時間のイヤホン装着だと耳が疲れる人もいそう。
オーディオ性能に関しては言うことなし。通常オーディオをハイレゾ相当に高音質補正する「DSEE Extreme」が使える。オーディオにそこまで詳しくない人でも体感レベルで音のよさ、音の粒の細かさ、音の解像度の高さが理解できる。
ノイズキャンセリング、およびオーディオ性能にこだわりたい人なら「WF-1000XM4」がおすすめ。
LinkBuds S がおすすめな人
- 軽量コンパクトなイヤホンを好む人
- ノイズキャンセリングやマルチポイントなど最新機能も使いたい人
LinkBuds Sは、とかく軽量コンパクトなイヤホン。WF-1000XMがでかすぎ、重すぎたのが嘘のよう。
WF-1000XMに比べると物理的な遮音性が下がり、その分ノイズキャンセリングの体感的な遮音強度も下がる。とはいえ、ソフトウェア処理によるノイズカットはきちんと機能してる。電車の中のガタゴト走行音など中和・低減できるので出先で音楽を聞きたい人にも十分おすすめ。
通常オーディオをハイレゾ相当に高音質化する「DSEE Extreme」にも対応。オーディオにそこまで詳しくない人でも体感レベルで高音質が理解できる高音質オーディオに。
WF-1000XM4ほどの徹底した遮音性が必要ない人であればLinkBuds Sは丁度いい落とし所。価格も2.1万円前後と費用対効果よし。
LinkBuds がおすすめな人
- 骨伝導イヤホン代わりになるワイヤレスイヤホンを使いたい人
LinkBudsは事実上の骨伝導イヤホン。見た目ワイヤレスイヤホンながらイヤホンを装着したままでも周囲の音が聞き取れる。
骨伝導イヤホンを使うシチュエーションでそっくりそのまま活用可能。通勤・通学中やランニング中(運動中)に安全面を考慮しながら音楽を聞きたい人だと丁度いい。
一方でやはり低音が弱め。音が多分に抜けるので音の質感のようなものはない。ソニー製品ではあるが、音質に特色ある製品とは言いがたい。
概してよくも悪くも骨伝導イヤホン。骨伝導イヤホンだと頭が締め付けられてイヤという人ならLinkBudsを試してみては。
WF-C500がおすすめな人
- スタンダードモデルで十分な人
- コスパ重視の人
WF-C500はソニーのスタンダードモデル。価格1万円で購入できる。
ノイズキャンセリングやマルチポイントなど最新機能こそ対応していないが、音楽を聞くため、動画を見るためのワイヤレスイヤホンとして考えれば必要十分。"ソニー”ブランドと相まってトータルでコスパよいワイヤレスイヤホンに。
ソニーらしいボーカル重視の音質なので低音が強すぎて聞き疲れるようなこともない。オーディオにそこまで詳しくない人でも体感レベルで満足できる高音質オーディオだ。
WF-C700Nがおすすめな人
- コスパ重視しつつノイズキャンセリングを使いたい人
- マルチポイントが使いたい人
2023年4月に登場したWF-C500の後継機種たる「WF-C700N」。
WF-C500だと物足りない、もっぱらノイズキャンセリングやマルチポイントが使いたい人だと「WF-C700N」を選びたい。
筐体デザインはそっくりそのままWF-C500。中身だけ改良した純然たるアップデートモデルに。
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