約3年ぶりリニュアル。AirPods上位版モデル「AirPods Pro」(第2世代)。
代名詞たるノイズキャンセリング機能を強化。充電ケースには「Apple U1」チップを初搭載。紛失時などAirTag仕様の高精度な位置情報が確認できるように。
円安・物価高の影響か、米ドル価格249ドルながら日本円で39,800円と割高だが、この1点を除けばデメリットらしいデメリットない。iPhoneユーザーでAirPodsデビュー、AirPods Proデビューしたい人なら迷わず選びたい。
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AirPods Pro(第2世代)製品概要
基本情報・スペックシート
基本情報
発売時期 | 2022年9月 |
市場価格 | 39,800円 |
販売元メーカー | Apple(米国) |
スペックシート
ノイズキャンセリング | 対応 |
外音取り込み(ながら聞き機能) | 対応 |
マルチポイント | △(Appleデバイス間のみ可) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | 対応 |
防水 | 対応(IPX4) |
Bluetoothバージョン | 5.3 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体6時間 |
ケース併用で最大30時間 | |
ケース充電方法 | Lightning(有線)、Qi / MagSafe(無線) |
外観デザイン
イヤホン形状は(第1世代)モデルまま。今や業界スタンダードとなった筒型イヤホン・デザイン。
充電ケースも(第1世代)モデル同様のデザイン。
数値で言うと縦4.5cm、横6cm、厚み2cmほど。片手で握り込めるコンパクトサイズ。
ケース側面にはストラップホールあり。これは今作より追加された地味なアップデート点だ。
底面部にはスピーカーを新搭載。ペアリング設定時や充電開始時など簡易なサウンド(効果音)が鳴る。
効果音はバラエティ番組でよく聞く「チーン」といった音。鬱陶しい場合はサウンドOFFにしてしまえばいい。iPhoneの「設定」アプリ内から変更できる(※Androidスマホユーザーだと変更する手段なし)。
従来モデルからの進化点
約3年ぶりにリニュアルされた AirPods Pro(第2世代)だが、(第1世代)モデルと比べて代わり映えしない印象あり。
もっぱらのアップデート点は以下のようなところ。
(第2世代)モデルの主たるアップデート点
- 音質がクリアに
- 充電ケースが「探す」機能に対応
- バッテリー駆動時間がケース併用で30時間に向上(前作24時間)
以下のような点は(第1世代)モデルと変わらない。
(第1世代)モデルと比べてそこまで変わらないところ
- ノイズキャンセリング性能
- 外音取り込み性能
- 基本的なスペック仕様
初めてAirPods Proを使う人であればまだしも(第1世代)モデルを使っている人だとあえて(第2世代)に乗り換えるべきか微妙。
価格が39,800円と(第1世代)モデルに比べて1万円近く値上げされたこともあり、そこまでバッテリーがヘタってないのであれば(第1世代)モデルままでも十分かもしれない。
AirPods Pro(第2世代)レビュー
イヤホンの装着感は安定(イヤーピースあり)
通常版AirPodsと異なりAirPods Proはイヤーピースを搭載。遮音性を高めると同時に、ふとしたタイミングでイヤホンが抜け落ちるのが防げる。イヤホンの装着感は安定してる。
通常版AirPodsだとイヤーピースを搭載せず、イヤホンの紛失リスクが高め。ズボラな人、よく失くしものをする人だとイヤーピースありのAirPods Proを選んだ方がいい。
音質はクリア(あるいはシャカシャカ)
(第1世代)は音の強弱が少ないのっぺりとした音質だったが、(第2世代)では気持ちドンシャリに。従来よりも音の強弱が感じられるようになった。
特に楽器の音など高音域サウンドが明確に描写されてる。(第1世代)で感じられなかったクリアな音。一方では高音域がシャカシャカしすぎてて音を安っぽく感じる人もいそう。
低音こもった感じがないので聞きやすい音とは思うが、音質を重視したワイヤレスイヤホンを探している人だと注意したい。もとよりAirPodsだが、やはりAirPodsだ。音質を最重視したイヤホンではない。
「空間オーディオ再生」は実用レベルの性能あり
AirPodsシリーズの新たな代名詞となりつつある空間オーディオ再生。
YouTubeやNetflix、ミュージックアプリなど主要アプリで利用できる(iPhone・iPadとの接続必須)。
空間オーディオ再生に変更すると音の鳴る位置や距離感が明確に変化。"音場の広さ”では太刀打ちできない音の広がり、一方ではゼロ距離いわれんばかりの音の近さを実現した。特に動画コンテンツとの相性は抜群だ。
他社の空間オーディオだと高音域がスカスカになりがちだが、AirPodsなら問題なし。常時機能オンで使ってても気持ち悪くない。
ノイズキャンセリングは高性能だが、前作モデルに比べて明確な差はない
AirPods Proの代名詞たるノイズキャンセリング。機能ONにすれば周囲の音を中和・低減できる。
低周波音に限れば8割〜9割方カット。電車の中で使えば電車の走行音(ガタゴト音)まで明確に低減される。もとより静かな場所であれば無音そのもの。オーディオ再生を止めてのデジタル耳栓代わりの運用も現実的だ。
概して優秀なノイズキャンセリングではあるが、Apple公式いわくの「前作比2倍のノイズキャンセリング性能」があるかは微妙。
(第1世代)モデルでカバーしきれなかった人の話し声も気持ち遮断できるようになったかな...?と思うところはあるが、明確に進化したとは断定できない。性能は前作比2倍よりかは前作比1.3倍くらいが妥当なところかと思う。
外音取り込み機能は優秀、骨伝導イヤホン代わりになる
初代AirPods Proでノイズキャンセリング以上に注目を集めたのが外音取り込み機能。機能ONにするとイヤホンを装着したままスピーカー通じて周囲の音が聞き取れる。
初代AirPods Proは周囲の音の9割を通しているかのように錯覚させる非常に高性能な外音取り込み機能を搭載。音こもりもゼロに近く、他社メーカー品を圧倒どころか駆逐する完成度だった。
AirPods Pro(第2世代)でもその高性能ぶりは健在。常時機能ONにしつつ音量を少し下げておけば事実上の骨伝導イヤホンになる。同機能狙いでの購入は十分に現実的だ。
通話マイクは変わらず高性能
通話マイク性能は(第1世代)モデルと同様に高性能。
通話中に周囲の音を検知し、周囲の音をほぼ9割方除去。口元の音だけ拾って通話転送してくれる。
風切り音(マイクに風が当たった音)はほぼ10割方カット。屋外で通話したい人でも問題ない。
【新搭載】スワイプ操作で音量調整が可能に
イヤホンの筒部分に感圧ボタンあり。オーディオ操作、通話操作、ノイズキャンセリングON/OFFなどひととおり可能。
また、(第2世代)より新たにスワイプ操作が追加された。感圧ボタン部分を上下スワイプすれば音量アップ・音量ダウンできる。
感圧ボタンなので誤タッチの恐れなし。多少なりに力を入れないと押せず、触れただけだと反応しない。タッチセンサーボタンよりも圧倒的に使いやすい。
スマホ操作コマンド("長押し"のみ割り当て変更可能)
左イヤホン | 右イヤホン | |
1回タッチ | 再生/停止 | |
2回タッチ | 次の曲へ進む | |
3回タッチ | 前の曲へ戻る | |
長押し | ノイズキャンセリング←→外音取り込み機能 | |
スワイプ上下 | 音量アップ/音量ダウン |
長押しコマンドは「Siri起動」に変更可能。
通話対応コマンド(割り当て変更不可)
左イヤホン | 右イヤホン | |
1回タッチ | 着信対応/終了 | |
2回タッチ | 着信拒否 |
「イヤホンを探す」はAirTag仕様に
AirPods Pro(第2世代)は充電ケースにApple U1チップを新搭載。
AirTag同等の高精度な位置情報が探れるように。また、充電ケースに新搭載されたスピーカーから音も鳴らせる。
ただ、イヤホン単体で紛失した場合は従来どおり最後にペアリング接続していた場所までしか辿れないので注意。Apple U1チップは充電ケースのみに搭載している。
【まとめ】どういう人が購入すべき?
評価ポイント
- 業界トップクラスのノイズキャンセリング性能
- 骨伝導イヤホン代わりになる高精度な外音取り込み機能あり
- Appleデバイス間ならマルチポイント接続可能
- 空間オーディオ再生の完成度は高め
- 充電ケースが地味リニュアル、「探す」機能に新対応
微妙だったところ
- 初代モデルと比べて大きな変化点なし
- 初代モデルよりも高い(3万円前後→39,800円に)
- Androidスマホとの相性は微妙(使えない機能多し)
製品をおすすめできる人
- 業界トップクラスのノイズキャンセリングが使いたい人
- 骨伝導イヤホン代わりに使いたい人
- Appleデバイス間のマルチポイント狙いの人
- イヤホンの装着感を重視する人(イヤーピースによる装着安定感を重視する人)
全体的に悪くはない。ただ、(第1世代)モデルと比べて代わり映えしない印象は拭えず。(第1世代)モデルを持ってる人だとあえて乗り換える必要性は薄い。
どちらかと言うとAirPods Proデビュー組に向けた製品になるかと思う。業界トップクラスのノイズキャンセリング性能、骨伝導イヤホン同等の外音取り込み機能(ながら聴き機能)。いずれもセールスポイントと言えるだけの実力あり。
また、通常版AirPodsと異なりイヤーピースを搭載しているため、イヤホンの紛失リスク(落下リスク)も少ない。ズボラ気質な人、よく失くしものする人でも精神衛生上の安心感あり。AirPods Proデビューしたい人にはうってつけの製品だ。
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