Appleが手がけるApple Watchはじめ、市民権を獲得しつつある腕時計型のウェアラブルデバイス「スマートウォッチ」。
昨今ではSuicaに対応したスマートウォッチも登場。通勤/通学で使いたい人、ランニングやスポーツ中の手軽な決済手段として使いたい人におすすめのデバイスに。
この記事では、こうしたSuica対応スマートウォッチの情報をまとめた。Suicaが使えるスマートウォッチを探している人は記事を参考にしてほしい。
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先に知っておきたいSuica対応スマートウォッチ事情5つ
1. Suica対応スマートウォッチは以下5社から展開
Suica対応スマートウォッチは、以下の5社から展開される(2022年10月時点)。
- Apple
- ソニー
- GARMIN
- Fitbit
2. Suica定期券が使えるのはApple Watchのみ
Suica対応スマートウォッチは上記5社から展開される一方、Suica定期券はAppleが手がける「Apple Watch」でしか利用できない(2022年10月時点)。
他社のSuica対応スマートウォッチはチャージ残高を使ったSuica決済のみ対応となる。
3. 残高オートチャージもApple Watchのみ利用可能
クレジットカードを使った残高オートチャージ機能(改札自動チャージ機能)もApple Watchのみの提供。
他社のSuica対応スマートウォッチだとオートチャージできないので事前に入金しておく必要がある。なお、入金それ自体にクレジットカードを使うことは可能だ。
4. ビューカードのチャージ還元率は0.5%扱い
出典:ビューカード|JR東日本(リンク先PDF)
JR東日本(厳密には株式会社ビューカード)が発行するVIEWカード。
以前はスマートウォッチ版Suicaの残高チャージに対して還元率1.5%が適用されたが、これが2021年7月より0.5%に引き下げられた。
5. JRE POINTは登録可能(Suica ID番号あり)
スマートウォッチ版SuicaであってもSuica ID番号は発行される。同番号をJRE POINTで登録すればSuica決済によるポイント特典が適用される。
Suica対応スマートウォッチ一覧&おすすめモデル紹介
Suica対応スマートウォッチ概要
Suica対応スマートウォッチは以下5社から展開される。
- Apple
- ソニー
- GARMIN
- Fitbit
1. Apple「Apple Watch」シリーズ
主なSuica機能の対応可否
機能の対応可否 | |
Suica定期券 | ◯ |
Suicaグリーン券 | ◯ |
残高オートチャージ | ◯ |
Suica以外の決済機能
PASMO、iD/QUICPay(ApplePay)、PayPayほか |
注意事項
Androidスマホとは接続できず(iPhone完全専用) |
対応可否 | |
鉄道乗車 | ◯ |
バス乗車 | ◯ |
店頭レジ決済 | ◯ |
非ペアリング時の単体決済 | ◯ |
タッチでGo!新幹線 | ◯ |
スマートEX | ◯ |
エクスプレス予約 | ◯ |
対応可否 | |
Suica定期券 | ◯ |
Suicaグリーン券 | ◯ |
クレジットカードチャージ | ◯ |
オートチャージ | ◯ |
現金チャージ | ◯ |
JRE POINT連携 | ◯ |
Suica対応スマートウォッチとして非常に勝手よいApple Watch。
接続するiPhoneのモバイルSuica情報(Apple Pay情報)を吸い上げて使うため、Apple Watchで実質的にモバイルSuicaが利用可能。Suica定期券やSuicaグリーン券、オートチャージなどそのまま機能する。
iPhone完全専用でAndroidスマホユーザーだとApple Watchが使えないのが唯一にして絶対的なネック。ただ、特にSuica定期券を使いたい人だとApple Watch以外の選択肢はない。
おすすめモデル
Apple Watch Series 8(2022)
2022年9月に発売開始した最新モデル(現行モデル)。価格は6万円〜。ECG(心電図)機能を搭載した名実ともに医療機器の扱い。
Apple Watch SE 2(2022)
Apple Watchの入門モデル。第2世代モデルが2022年に登場。価格は4万円〜。
Apple Watch Ultra(2022)
2022年発売のハイエンドモデル。スキューバダイビングなどスポーツ・アウトドアに耐えるタフネス仕様に。価格は12万円〜。
2. Google「Pixel Watch」
主なSuica機能の対応可否
機能の対応可否 | |
Suica定期券 | × |
Suicaグリーン券 | × |
残高オートチャージ | × |
Suica以外の決済機能
確認中(NFCタッチ決済のみ対応との見方強し) |
注意事項
iPhoneでは使えず(Google Payアプリによる設定必須) |
対応可否 | |
鉄道乗車 | ◯ |
バス乗車 | ◯ |
店頭レジ決済 | ◯ |
非ペアリング時の単体決済 | ◯ |
タッチでGo!新幹線 | ◯ |
スマートEX | ◯ |
エクスプレス予約 | ✗ |
対応可否 | |
Suica定期券 | ✗ |
Suicaグリーン券 | ✗ |
クレジットカードチャージ | ◯ |
オートチャージ | ✗ |
現金チャージ | ◯ |
JRE POINT連携 | ◯ |
2022年10月に登場したGoogleのスマートウォッチ「Pixel Watch」。簡易版Suicaを内蔵。事前チャージした残高を使ったSuica決済が可能だ。
ただ、Suica定期券やオートチャージには対応せず。あくまでも簡易版Suicaにとどまる。
Androidスマホ向けに提供される「Google Pay」アプリを経由してSuica設定を行うため、Androidスマホが必須。iPhoneしか持ってない人だとSuica設定できない。
おすすめモデル
Pixel Watch 本体
カスタムバンド各色(バンドのみ別途購入可能)
3. ソニー「wena 3」
主なSuica機能の対応可否
機能の対応可否 | |
Suica定期券 | × |
Suicaグリーン券 | × |
残高オートチャージ | × |
Suica以外の決済機能
iD/QUICPay、楽天Edyほか |
注意事項
Suica以外の電子マネー設定はiPhone必須 |
対応可否 | |
鉄道乗車 | ◯ |
バス乗車 | ◯ |
店頭レジ決済 | ◯ |
非ペアリング時の単体決済 | ◯ |
タッチでGo!新幹線 | ◯ |
スマートEX | ◯ |
エクスプレス予約 | ✗ |
対応可否 | |
Suica定期券 | ✗ |
Suicaグリーン券 | ✗ |
クレジットカードチャージ | ◯ |
オートチャージ | ✗ |
現金チャージ | ◯ |
JRE POINT連携 | ◯ |
簡易版Suicaを内蔵したソニーのスマートウォッチ「wena 3」。チャージ残高を使ったSuica決済が可能。Suica定期券や残高オートチャージには対応せず。
Suicaの初期設定はiPhone、Android双方から可能。Apple Watch、Pixel WatchのようなOS縛りはない。
ただ、Suica以外の電子マネーの設定はiOSアプリ「おサイフリンク」通じて行う。同アプリはAndroid向けには配信されておらず、Suica以外の電子マネーを使いたい人だと実質的にiPhone必須となるので注意。
また、iD/QUICPayで登録できるクレジットカードは、Androidアプリとして提供される「おサイフケータイ」に準拠。Google Pay経由でしか登録できないKyash、LINE Payなどは設定できない。この点も注意したい。
おすすめモデル
いずれもバンドのみの価格情報。ヘッドは別途用意する必要あり。サイズさえ合えば他社の腕時計のヘッドも装着できる。
wena 3 メタルバンド
価格3.3万円。ビジネスユースにも合うフォーマル仕様。シルバーとブラックの2色展開。
wena 3 レザーバンド
価格3万円。カジュアル〜フォーマルまで合うレザーバンド(革バンド)。ブラウンとブラックの2色展開。
wena 3 ラバーバンド
価格2.4万円。スポーツ用途を想定したラバーバンド(シリコンバンド)。ブラック1色のみの展開。
4. GARMINシリーズ
主なSuica機能の対応可否
機能の対応可否 | |
Suica定期券 | × |
Suicaグリーン券 | × |
残高オートチャージ | × |
Suica以外の決済機能
簡易版Visaタッチ決済(対応有無は機種による) |
注意事項
特になし |
対応可否 | |
鉄道乗車 | ◯ |
バス乗車 | ◯ |
店頭レジ決済 | ◯ |
非ペアリング時の単体決済 | ◯ |
タッチでGo!新幹線 | ◯ |
スマートEX | ◯ |
エクスプレス予約 | ✗ |
対応可否 | |
Suica定期券 | ✗ |
Suicaグリーン券 | ✗ |
クレジットカードチャージ | ◯ |
オートチャージ | ✗ |
現金チャージ | ◯ |
JRE POINT連携 | ◯ |
スポーツ・アウトドア分野で高い知名度を誇る米GARMIN(ガーミン)。
2020年より簡易版Suicaを内蔵したスマートウォッチを展開。専用アプリ「GARMIN CONNECT」からSuica設定できる。アプリはiOS、Android双方に配信されるため、iPhoneユーザー、Androidスマホユーザーどちらでも問題なくSuicaを設定&利用可能だ。
一部製品であれば簡易版Visaタッチ決済にも対応。ソニー銀行、PayPay銀行、三菱UFJ銀行のデビットカードと紐付けることでNFC決済できる。とはいえ、いずれもデビットカードに限られるため利用するシチュエーションは限られそう。
おすすめモデル
vivomove 3s(価格2.8万円)
GARMINはSuica対応モデルだけで20種類以上あるのだが、その中で筆者おすすめなのがこれ。
物理針と簡易ディスプレイを組み合わせたハイブリッド・スマートウォッチ。がっつり操作するには向かないが、日常生活の中にスマートウォッチを取り込みたい人だと”いかにも”感がなくて合わせやすい。
Venu Sq Music(価格2.8万円)
価格2万円台でGPS内蔵したコスパモデル。スマホとペアリングしていない状態でもランニングルートや走行距離が記録できる。
スマートウォッチ単体での音楽再生も可能。端末ストレージ(1GB)に音楽ファイルを保存して、ワイヤレスイヤホン経由で音楽再生できる。これに加えて、もちろんSuica対応だ。
ForeAthlete745(価格5万円)
日常的なスポーツ用途はもちろん、トライアスロンや登山でも活用できるガチ向けのスポーツウォッチ。GPSほか気圧高度計も内蔵している。スマートウォッチ単体での音楽再生、Suica決済もカバー。
5. Fitbit
主なSuica機能の対応可否
機能の対応可否 | |
Suica定期券 | × |
Suicaグリーン券 | × |
残高オートチャージ | × |
Suica以外の決済機能
簡易版Visaタッチ決済(対応有無は機種による) |
注意事項
特になし |
対応可否 | |
鉄道乗車 | ◯ |
バス乗車 | ◯ |
店頭レジ決済 | ◯ |
非ペアリング時の単体決済 | ◯ |
タッチでGo!新幹線 | ◯ |
スマートEX | ◯ |
エクスプレス予約 | ✗ |
対応可否 | |
Suica定期券 | ✗ |
Suicaグリーン券 | ✗ |
クレジットカードチャージ | ◯ |
オートチャージ | ✗ |
現金チャージ | ◯ |
JRE POINT連携 | ◯ |
Google傘下のスマートウォッチメーカー「Fitbit」。Pixel Watchとは別枠ブランド扱い。
簡易版Suicaを内蔵しており、チャージ残高によるSuica決済が可能。Suica定期券やオートチャージは使えず。
Suicaの設定は専用アプリから行う。専用アプリはiPhone、Android双方で利用可能だ。
Suica対応スマートウォッチとしては安価なものが多いため、Suicaが使えれば十分... くらいの人だとコスパよく調達できてよさそう。
おすすめモデル
Fitbit Charge 5(価格1.9万円前後)
Fitbit最新モデル。スマートウォッチよりかはスマートバンドに近い。価格1.9万円とコスパよし。
Fitbit Versa 3(価格2.2万円前後)
価格2.2万円でGPS内蔵したコスパモデル。スマホなしでランニングルートや走行距離を記録したい人だと選びたい。
この記事のまとめ
ここまでSuica対応スマートウォッチをまとめてきた。
Suica定期券が使いたい人だとApple Watch一択。Suicaそれ自体が使いたいだけであればGoogle、ソニー、GARMIN、fitbitのスマートウォッチでも問題ない。もっぱら2万円台からSuica対応モデルが購入できる。
昨今だと健康ウォッチとしての側面が強いスマートウォッチだが、キャッシュレスガチ勢など決済を主としてスマートウォッチを使いたい人であればSuica対応スマートウォッチとの相性はよさそう。気になる製品があったらチェックしてみてほしい。
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