日本国内での発売が開始されたBeatsの完全ワイヤレスイヤホン「Beats Studio Buds」。
Beatsは現在Apple傘下のオーディオブランド。「Beats Studio Buds」もまたAppleが開発。iPhone接続時にAirPodsと同じく専用ポップアップ画面から接続設定が行えるなど所々AirPodsらしさある。
音質はBeatsらしいドンシャリ・サウンドにチューニング。さながらAirPodsのBeats版、ドンシャリ版といったポジションの製品に仕上がった。
価格も1.7万円ほどなので、もとよりAirPodsの購入を検討している人であれば価格的に検討余地あり。ノイズキャンセリングにも対応しているのでコスパで言えば「Beats Studio Buds」の方が一枚上手かもしれない。
筆者も今回、Beatsのブランドカラーであるレッドカラーモデルを購入した。このレッドカラーモデルを使って以下レビューしていきたい。
Beats Studio Buds 製品評価
発売時期 | 2021年8月 |
市場価格 |
▼ 主要機能の対応有無
ノイズキャンセリング | 対応 |
外音取り込み機能 | 対応 |
マルチポイント | × |
ハイレゾ相当再生 | × |
▼ Beats Studio Buds の製品評価
低音 | (4) |
中音 | (3.5) |
高音 | (4) |
イヤホンの装着感 | (4.5) |
ノイズキャンセリング | (3.5) |
外音取り込み機能 | (3) |
マイク性能 | (5) |
バッテリー性能 | (4) |
ここがGood!!
- 中身は(ほぼ)AirPods、オーディオはBeatsの最強サラブレッド
- AirPods相当の防水&バッテリー持ち
- Androidスマホでも利用可能、「Google Fast Pair」使った初回の接続設定が可能
- 高性能マイク搭載、口元の音だけ拾ってくれるノイズカット仕様
ここがBad...
- Appleデバイス間のマルチポイント機能には対応せず
- 充電ポートはUSB Type-C、ライトニングケーブルで充電できず
- ワイヤレス充電(Qi充電)に対応せず
製品カラーリングは3色
カラーリングは黒、白、赤(Beatsレッド)の3色。レビューは赤で行う。
この記事の目次(タッチで移動)
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Beats Studio Buds の製品概要
スペックシート抜粋
Bluetoothバージョン | 5.0 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC |
ノイズキャンセリング | 対応 |
外音取り込み機能 | 対応 |
マルチポイント | × |
防水性能 | IPX4 |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体6時間 |
ケース併用で最大24時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)のみ |
Beats Studio Buds のペアリング仕様
ペアリング仕様抜粋
Google Fast Pair | 対応 |
マルチポイント | × |
マルチペアリング | 対応(最大?台) |
ペアリング接続の上書き切り替え | 対応 |
新規ペアリングモードの起動方法 | ケース内部のボタンを7秒押し |
ペアリング仕様はAirPods準拠。iPhoneユーザーであれば「Fast Pair」(専用ポップアップ画面)からの簡易接続が可能。
Androidスマホで使う場合でも「Google Fast Pair」使った簡易接続が可能だ。なお、Google Fast PairはAndroid OS 6.0以上のスマホのみ対応。
Google Fast Pair とは?
Google Fast Pairは、Googleが提供するペアリング簡素化システム。
Android OS 6.0以上のスマホであれば、専用のポップアップ画面からワンタッチでペアリング設定できる。
マルチポイントとは?
マルチペアリングとは?
マルチペアリングとは、複数デバイスのペアリング情報が記録できる機能のこと。
1度記録してしまえば次回以降に再度セットアップする必要がなくなり、ケースふたを開くだけでデバイスと再接続できる。
昨今のワイヤレスイヤホンだとおおよそ5台〜10台のデバイスのペアリング情報が記録できる。
ペアリング接続の上書き切り替えとは?
複数デバイス間でペアリング接続を切り替える場合、先に現在のペアリングを解除する必要がある。
一部のワイヤレスイヤホンであれば現在のペアリング接続を解除せず、ペアリングを移したいデバイスのBluetooth設定画面でイヤホン名を選択するだけでペアリングを上書きして切り替えられる。
新規ペアリングモードの起動方法について
初回設定時はケースふたを開くだけで自動で新規ペアリングモードが起動する。
2回目(2台目)以降のペアリングを行う場合は新規ペアリングモードを手動で起動する必要がある。
新規ペアリングモードの起動方法

ケース内部にペアリングボタンあり
新規ペアリングモードの起動方法は簡単。
ケースに左右イヤホンをセット。ケースふたを開いた状態でケース背面のペアリングボタンを7秒長押しするだけ。
初回(デバイス1台目)のペアリングであればケースふたを開くだけで新規ペアリングモードが起動する。
複数デバイス間のペアリング切り替え方法
Beats Studio Buds は上書きペアリング切り替えに対応。
ペアリング切り替え都度、現在のペアリングを解除する必要なし。ペアリングを移したいデバイスのBluetooth設定画面からイヤホン名をタップすれば、そのままペアリングが切り替えられる。
iPhone、iPad環境であればiOSショートカットを使ったペアリング再接続も可能だ。
Beats Studio Buds の機能レビュー
バッテリーまわりのこと
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体6時間 |
ケース併用で最大24時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)のみ |
AirPodsシリーズだとlightningケーブルを使って充電するが、Beats Studio Buds はUSB Type-Cケーブルで充電する。
ワイヤレス充電(Qi充電)に対応しないのが残念なところ。勝手が知れてる人ほど充電の都度ケーブルを挿すのを面倒くさく感じそう。
通話マイク仕様
通話時ノイズカット機能 | 対応 |
風切り音カット | 対応 |
通話マイクは高性能。ノイズカットも機能しているのでビデオ通話で使いたい人でも問題ない。
口元の音、周囲の音を聞き分け、通話先には口元の音を極力ピックアップして転送してくれる。
いざ使うと口元の音の検出精度は高い。ほぼAirPodsシリーズと変わらぬ精度なので屋外でのハンズフリー通話から屋内でのビデオ通話まで活用できる機会は多そうだ。
操作性

物理ボタン搭載
ボタン種類 | 物理ボタン |
操作コマンドの割り当て変更 | × |
タッチセンサーボタンのように見えるが、実は物理ボタン。”カチカチ”っと押して操作できる。
タッチセンサーのようにふとしたタイミングでの誤タッチ、誤反応がないので使いやすい。
音楽操作コマンド(割り当て変更不可)
(イヤホン左右共通) | |
1回押し | オーディオ再生/停止 |
2回押し | 曲の先送り |
3回押し | 曲の前戻し |
長押し | 再生コントロール(ノイズキャンセリング←→外音取り込み) |
通話対応コマンド(割り当て変更不可)
(イヤホン左右共通) | |
1回押し | 着信対応、着信終了 |
長押し | 着信拒否 |
防水性能
防水性能 | IPX4(IP4) |
防塵性能 | × |
AirPodsと変わらずIPX4の防水性能あり。雨、汗など耐えられる。スポーツで使うくらいなら故障リスクは低い。
Beats Studio Buds の外観&使用感
イヤホンサイズは小さめ、耳が小さい人でも難なく装着可能
イヤホンサイズは小さめ。装着すると耳の穴の中にきれいに収まる。
イヤーピースのサイズさえ調整すれば、イヤホンの装着感、ホールド感は安定する。
AirPodsシリーズのように耳の外に飛び出すイヤホンデザインではないので、ふとしたタイミングでイヤホンが抜け落ちることもない。
いかんせんAirPodsだと紛失リスクが大きかったりするが、そうした不安を抱えずに使えるのは評価ポイント。
ケースはたまご型
ケースはたまご型デザイン。サイズで言うと縦5cm、横7cm、厚み2.5cmほど。丸みを帯びているので実際に手で持つともっと小さく感じる。
厚みが2.5cmしかないのでズボンのポケットに入れておいても邪魔にならず、もっこりしない。男性で普段からズボンのポケットにワイヤレスイヤホンを入れてる人でも問題ないサイズ感。
Beats Studio Buds の音質
音質はドンシャリ、バックサウンドをメインに楽しめる
音質はドンシャリ系。低音ドンドン、高音シャンシャン聞こえる。
Beatsはもともと重低音メインで鳴らすオーディオブランドなのでドンシャリ傾向がわりと強い。Beats Studio Buds もその路線を堅実に引き継いでる。
低音はきちんと響いてる低音だ。EDMサウンドなど聞くと空気が震えるようにして低音が鳴り響くのでテンション上がる。ただ、少しばかり音がこもり気味なのでボーカル重視で音楽を聞きたい人だとオーディオ相性が悪いかもしれない。
【重点レビュー】ノイズキャンセリング&外音取り込み
ノイズキャンセリングはごくごく普通、AirPods Proよりも静音効果は弱め
Beats Studio Buds はノイズキャンセリング(ANC)に対応。機能ONにすれば周囲の騒音を低減できる。
性能は、ごくごく普通。低周波音(濁音ノイズ)を中心に除去しており、人の話し声などは残っている。
ノイズキャンセリングといえば、とにもかくにもAirPods Proが評判高いが、Beats Studio Buds のノイズキャンセリングはそこまで静音効果は強くない。AirPods Proよりも実力は明確に下だ。
実用レベル以上、AirPods Pro以下のノイズキャンセリング性能と理解しておきたい。
ホワイトノイズあり
ノイズキャンセリング利用時に”サーッ”といった機械音(通称ホワイトノイズ)が発生している。オーディオ再生している状態なら気にならないが、オーディオを止めると聞こえる。ノイズキャンセリングを耳栓として活用したい人だと注意。
外音取り込み機能はイマイチ
イヤホンを装着した状態で周囲の音が聞き取れる「外音取り込み機能」に対応。ただ、性能は微妙だ。
取り込み自体は機能しているが、取り込み音が幕がかかったような、鼻声スモーキーな音。あまり自然な感じの取り込み音ではない。
また、同時に自分の声が鼻声ボイスのように聞こえるのでイヤホンを付けたまま会話するときなど違和感ある。駅のアナウンスを聞く程度の使い方ならまだしも、会話したり、常時機能ONで骨伝導イヤホンのように使うには合わない。
Beats Studio Buds の気になったところ(あるいはデメリット)
Appleデバイス間の自動切り替え(Apple版マルチポイント)には対応せず
Beats Studio Buds は、Appleが開発こそしているもののApple自社製チップを搭載せず。
AirPodsシリーズで提供されるApple版マルチポイント(Appleデバイス間の自動切り替え)にも対応しておらず、都度オーディオ再生したいデバイスに手動でペアリングを切り替える必要がある。
手元デバイスをApple製品で固めている人だと勝手の悪さがマイナス点として響きそう。
上位版モデルの Beats Fit Pro であればApple版マルチポイントに対応している。どうしても同マルチポイント機能が使いたい人ならこちらを検討あれ。
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関連記事「Beats Fit Pro」と「Beats Studio Buds」は何が違う?実機で比較する
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イヤホン着脱によるオーディオの自動停止/再生機能なし
AirPodsシリーズだと当たり前に使える機能だが、なぜだか省いてしまったよう。
イヤホンを外したときはオーディオが止まらずに流れ続け、イヤホンを装着したときは手動で再生ボタンを押さないと再生が始まらない。
AirPodsシリーズから乗り換える人だと勝手の違いに慣れが必要かもしれない。
この記事のまとめ
ここまで Beats Studio Budsをレビューしてきた。
AirPodsの購入を検討している人だと悩ましい「AirPodsのBeatsライクなカスタム版」といったところ。
AirPodsが音の強弱が少ないフラットサウンドなのに対して、 Beats Studio Buds は音の強弱が激しいドンシャリサウンドなので丁度よく差別化できてる。
ただ、Appleデバイス間のマルチポイント機能に対応せず。iPhone単体で使うならまだしもMacやiPadも使っている人だと考えどころ。
どうしてもAppleデバイス間のマルチポイント機能が使いたい人だと上位版モデルの Beats Fit Pro を選んだ方がいいかもしれない。
Beats Studio Buds はiPhoneを単体で使っている人、あるいはAndroidスマホなど使っている人にこそおすすめしたい。
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