サムスンが手がけるワイヤレスイヤホンシリーズ「Galaxy Buds」(ギャラクシー・バッズ)。
2019年に初代モデルが発売され、2022年3月時点で3製品が現行モデルとして展開される。
以前に比べて、よくも悪くも同3製品の性能差、価格差が縮まってきたこともあり、なかなか初見だとどれがいいのか選びづらい。
そこで、この記事では現行Galaxy Budsを比較解説。それぞれどういったポジションに位置づけられる製品なのか、どういった強みがある製品なのか解説していく。
Galaxy Budsシリーズの購入を検討している人、また従来のGalaxy Budsシリーズからの乗り換えを検討している人は記事を参考にしてほしい。
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Galaxy Budsシリーズ大枠解説
2022年3月時点で公式展開されるGalaxy Budsシリーズは以下の3機種。
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現行エントリーモデル。「Galaxy Buds」(初代)、「Galaxy Buds+」(第2世代)に続く第3世代モデル。ノイズキャンセリング(ANC)に対応している。
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Galaxy Buds Proと対をなす上位版モデル。イヤーピースを使わないオープンイヤーイヤホン(耳穴をふさがないイヤホン)として展開される。
Galaxy Budsシリーズ、何が違う?それぞれの製品特徴をチェック
Galaxy Buds2(エントリーモデル)
発売時期 | 2021年9月 |
市場価格 | 1.6万円前後 |
Galaxy Buds2の製品特徴
- 初代「Galaxy Buds」の系譜を継ぐエントリーモデルの第3世代
- エントリーモデルでノイズキャンセリング(ANC)初対応
- どんな耳穴にもフィットする丸形イヤホン
- 音質は低音寄りフラット
- 防水性能はIPX2とオマケ程度
1. 初代「Galaxy Buds」の系譜を継ぐエントリーモデルの第3世代
Galaxy Buds2は、エントリーモデルの現行機種。「Galaxy Buds」(初代)、「Galaxy Buds+」(第2世代)に続く第3世代の位置づけ。
2. エントリーモデルでノイズキャンセリング(ANC)初対応
これまで上位版モデルの専売特許だったノイズキャンセリング(ANC)をエントリーモデルながら搭載。機能ONにすると周囲の騒音が低減できる。
ノイズキャンセリング性能は高く、ほぼ上位版モデルと変わらぬ騒音カット率。オーディオ再生している状態ならほぼ周囲の音が気にならない静寂空間が作れる。
ホワイトノイズ(ノイズキャンセリング利用時の"サーッ”といった機械音)も発生していないのでオーディオ止めての耳栓利用も問題ない。
3. どんな耳にもフィットする丸形イヤホン

Galaxy Buds2の装着イメージ
イヤホン形状は新設計の丸型デザインに。イヤホンの突っかかりがなく、耳の穴の中でクルっと回って最適なポジションでフィットする。
イヤーピースのサイズさえ調整すれば、耳の大きさ、耳穴のいびつさ関係なく、十人十色の最適な装着感が得られる。イヤホンのフィット感で悩みがちの人にもおすすめだ。
4. 音質は低音寄りフラット
上位版モデル「Galaxy Buds Pro」同様に低音域と高音域を担当する2つのスピーカーを搭載。
中音域〜高音域も出ているが、それ以上に低音が強め。ボーカルよりもバックサウンド重視で音楽を聞きたい人だとオーディオ相性はよさそうだ。
5. 防水性能はIPX2とオマケ程度
イヤホン本体の防水性能(厳密には防滴性能)はIPX2。せいぜい水しぶきを防ぐ程度。土砂降りの雨の中で使ったり、どっぷりと濡らしてしまうと故障するおそれあり。
Galaxy Buds Pro(上位版モデル)
発売時期 | 2021年4月 |
市場価格 | 2万円前後 |
Galaxy Buds Proの製品特徴
- 全部入りProモデル
- IPX7のスポーツ防水搭載
- 音質は中音域〜高音域重視
- イヤホンのフィット感は人を選ぶ
- Galaxy Buds2の登場で「Pro」要素が薄れつつある
1. 全部入りProモデル
Galaxy Buds Proは、"Pro"ポジションの最上位モデルの位置づけ。
ノイズキャンセリング(ANC)や外音取り込み機能ほか、サムスンが提供する3Dオーディオサービス「360 Audio」もGalaxy Budsシリーズで唯一利用できる。
「360 Audio」はOne UI 3.1以上を搭載した一部のGalaxyスマホと接続することで利用可能。ホームシアター用のスピーカーでオーディオ再生したような立体的、多方的な音響再生が可能になる。Appleが提供する空間オーディオのような”遊び"がほしい人であれば検討余地あり。
2. IPX7のスポーツ防水搭載
Galaxy Budsシリーズで唯一となるIPX7の防水性能。雨、汗どころか水泳中にも使える。イヤホンが汚れたら水洗いしても問題ない。
3. 音質は中音域〜高音域重視
低音域と高音域を担当する2つのスピーカーを内蔵。中音域〜高音域を重視した解像度高めのオーディオが楽しめる。
Galaxy Buds2と違ってボーカルサウンドをメインで楽しみたい人におすすめ。
4. イヤホンのフィット感は人を選ぶ
イヤホンはごくごく一般的なカナル型(耳栓型)イヤホン。
Galaxy Buds2と比較すると人を選ぶ(耳を選ぶ)装着感。ほぼ横一直線のイヤホン・デザインとなるため、耳穴の形がいびつな人だとイヤホンを耳奥まで押し込みにくそう。
5. Galaxy Buds2の登場で「Pro」要素が薄れつつある

Galaxy Buds2
2021年9月に登場したエントリーモデルの「Galaxy Buds2」が異様に高性能、高機能なこともあり、Galaxy Buds Proの"Pro"ポジションが曖昧になりつつある。
それこそ上位版モデルの専売特許だったノイズキャンセリングもGalaxy Buds2に搭載される。Galaxy Buds2と比較すると、せいぜいIPX7の防水性能くらいしか強みがない。
Galaxy Buds Live(オープンイヤーイヤホン)
発売時期 | 2020年9月 |
市場価格 | 1.8万円前後 |
Galaxy Buds Liveの製品特徴
- シリーズ唯一のオープンイヤーイヤホン
- ノイズキャンセリングON/OFFで(多少なりに)遮音性を調整可能
- 根っからの重低音イヤホン
- 防水性能はIPX2とオマケ程度
1. シリーズ唯一のオープンイヤーイヤホン

イヤーピースは非搭載
Galaxy Buds Liveは、あえて周囲の音が聞こえるように設計されたオープンイヤーイヤホン。
オープンイヤーイヤホンというと骨伝導イヤホンのような耳周りに引っかけて耳穴をふさがないで使うスタイルが一般的だが、Galaxy Buds Liveは耳穴にイヤホンを突っ込む普通のカナル型(耳栓型)イヤホン。
イヤホン外装形状がクネクネしており、イヤホンを装着しつつも耳穴にごくわずかな隙間が作れる。これによりオープンイヤーに近い使い勝手を実現した技あり製品だ。
2. ノイズキャンセリングON/OFFで(多少なりに)遮音性を調整可能
Galaxy Buds Liveは意外にもノイズキャンセリング(ANC)対応。機能ONにすると静音効果が味わえる... と言いたいところだが、もとよりオープンイヤーイヤホンであり、屋外で使ったところで静音効果は弱め(薄め)。
ただ、自宅や図書館など静かな場所であれば、エアコンの音、ダクトの音など低周波音を除去し、オープンイヤーイヤホンとは思えぬ静けさが得られる。もとより静かな場所で耳栓のようにして使うくらいなら丁度いいかもしれない。
3. 根っからの重低音イヤホン
Galaxy Buds2とGalaxy Buds Proは2つのスピーカーを搭載したフラット寄りのサウンドだが、Galaxy Buds Liveはベースダクトのみを内蔵した根っからの重低音仕様。
オープンイヤーイヤホンと相まって重低音ながらもそこまで重くならず、重低音の美味しい部分だけ楽しめる。
4. 防水性能はIPX2とオマケ程度
Galaxy Buds2と同じくIPX2仕様。水しぶきを防ぐ程度の防水性能(厳密には防滴性能)しかない。
雨や汗程度であれば問題ないと思うが、がっつり濡れる環境で使うのは注意したい。
Galaxy Budsシリーズのさして変わらないところ(特に気にする必要がないところ)
価格
市場価格 | |
Galaxy Buds2 | 1.3万円前後 |
Galaxy Buds Pro | 1.6万円前後 |
Galaxy Buds Live | 1.6万円前後 |
皮肉にも?今日のGalaxy Budsシリーズはさして価格差が見られない。純粋にイヤホンの使いみちだけでポジションを分けてる感じ。
一応はGalaxy Buds2がエントリーモデル、Galaxy Buds Pro、Galaxy Buds Liveが上位版モデルの位置づけだ。
充電ケース形状
充電ケース形状 | |
Galaxy Buds2 | 縦横5cm、厚さ2.5cm |
Galaxy Buds Pro | |
Galaxy Buds Live |
現行Galaxy Budsシリーズは、スクエア型デザインケースで統一。
ケースの外装サイズはすべて同じ。ケースカバー(保護ケースカバー)は3機種とも同じサイズのものが使いまわせる。
Galaxy Harajuku(原宿にあるGalaxy公式ショップ)であれば1回300円でケースカバーが作れるのでこちらも活用したい。なお、ケース作成は公式サイトからも可能。全国発送も行っている(公式サイトをチェック)。
充電方法
充電方法 | |
Galaxy Buds2 | USB Type-C(有線)、Qi(無線) |
Galaxy Buds Pro | |
Galaxy Buds Live |
充電ケースの充電方法はいずれも同じ。
ワイヤレス充電ことQi充電も使えるので慣れた人ほど勝手がいい。
バッテリー駆動時間
バッテリー駆動時間(ノイズキャンセリング常時ON時) | |
Galaxy Buds2 | イヤホン単体5時間、ケース併用で最大20時間 |
Galaxy Buds Pro | イヤホン単体5時間、ケース併用で最大18時間 |
Galaxy Buds Live | イヤホン単体6時間、ケース併用で最大21時間 |
バッテリー駆動時間もさして変わりない。
ノイズキャンセリングOFFならいずれもケース併用で最大30時間前後のバッテリー持ちに。
Bluetoothオーディオコーデック
対応Bluetoothオーディオコーデック | |
Galaxy Buds2 | SBC、AAC、Samsung Scalable |
Galaxy Buds Pro | |
Galaxy Buds Live |
いずれもサムスンの自社開発チップを搭載。
流行りのaptXには対応しないが、aptX以上の高音質&低遅延コーデックと宣伝されるGalaxyスマホ専用のBlueoothオーディオコーデック「Samsung Scalable」が利用できる。
通話マイク性能
通話マイク性能 | |
Galaxy Buds2 | ノイズカット付き通話マイク搭載 |
Galaxy Buds Pro | |
Galaxy Buds Live |
いずれも片側3つのイヤホンマイクを搭載。通話時に精度の高いノイズカット機能(正確には口元から離れた場所にある音のトーンダウン)が利用できる。
Galaxy Buds2はエントリーモデルの位置づけだが、通話マイクはほぼ上位版モデルと変わらぬ高性能ぶり。
Galaxy Budsシリーズ、それぞれどんな人におすすめ?
Galaxy Buds2をおすすめできる人
- スタンダードモデルで十分な人
- イヤホンのフィット感を重視する人
Galaxy Buds2はもとよりエントリーモデルの位置づけなので迷ったらこれで十分。
第3世代となり、上位版モデル「Galaxy Buds Pro」の専売特許だったノイズキャンセリング(ANC)、ノイズカット付き通話マイクなど搭載。機能面ではよくも悪くも上位版モデルと大差なくなり、コスパよい機種となりつつある。
また、イヤホン形状がまん丸デザインに再設計されたことで、イヤホンのフィット感が抜群によい。さながらスポンジの耳栓のようにして”グイッ”と耳奥に押し込める。イヤホン装着によるストレスをできるだけ減らしたい人にもおすすめだ。
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Galaxy Buds Proをおすすめできる人
- イヤホンの防水性能に重きを置く人
- とかく最新機能を使ってみたい人
Galaxy Buds Proは、従来なら紛うことなき最上位モデルだったのだが、Galaxy Buds2が高性能すぎてポジションが曖昧になりつつある。
現在のもっぱらの差別化ポイントは防水性能くらい。シリーズ屈指のIPX7仕様なので雨、汗、プール利用などもろもろ耐える。また、イヤホンの水洗いも可能なのできれい好きの人だと嬉しいところ。
そのほか、Galaxyの最新スマホとセットで使えば「360 Audio」(サムスンの立体音響サービス)も利用できる。ここらの機能に造詣ある人なら機能狙いでGalaxy Buds Proを選んでもいいかもしれない。
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Galaxy Buds Liveをおすすめできる人
- オープンイヤーイヤホンとして使いたい人
- イヤーピースを使った窮屈なイヤホンが苦手な人
Galaxy Buds Liveは、シリーズの中で唯一無二のオープンイヤーイヤホンとしてポジション確立している。
骨伝導イヤホンのようなガチなオープンイヤーイヤホンではないのでバイクライダー、自転車乗りにはおすすめできないが、屋外ジョギングするときに使ったり、在宅ワークでチャイムを聞き逃さないように音楽を聞きたいときであれば丁度よさそう。
イヤーピースを使わないイヤホンなので耳穴への締め付け感も皆無。イヤーピースのあるイヤホンだとどうしても耳が疲れてしまう人ならGalaxy Buds Liveを使えばストレス回避できていいかもしれない。
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