Ankerが展開するワイヤレスイヤホンブランド「Soundcore」。その中でもコスパ特化モデルと名高い「Anker Soundcore Life P2」をレビューしたい。
直販価格4,999円。Ankerのワイヤレスイヤホンの中では格安モデルに位置づけられる。格安モデルながら上位版モデルでの採用進むaptXコーデックに対応しているほか、USB Type-C充電にも対応。また、スポーツ防水相当のIPX7の防水性能を保持する。
極めつけにはケース併用で40時間使えるロングバッテリーを搭載。これら揃って直販4,999円だ。価格破壊級のコスパ特化モデルと言っても過言ではない。
一方、価格が安いだけに実際の使い勝手としてどうなのか、そもそも使い物になるのかという不安もあると思う。この記事では、そうした実際の使い勝手を中心にレビューしていきたい。
この記事の目次(タッチで移動)
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【レビュー対象製品】Anker Soundcore Life P2
発売時期 | 2019年11月 |
直販価格 | 4,999円(税込) |
カラーリングはブラック、ホワイト、ミントグリーンの3色。レビューはブラックで行う。
Anker Soundcore Life P2 の製品概要
イヤホン単体7時間、ケース併用で40時間使える。業界相場(ケース併用24時間前後)を大きく上回るスタミナ仕様。
ビデオ通話やハンズフリー通話の際にイヤホン&マイクとして利用可能。ノイズカットはcVc8.0仕様。
Bluetoothバージョン | 5.0 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC、aptX |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体7時間、ケース併用で最大40時間 |
充電方法 | USB Type-C(有線) |
防水性能 | ○(IPX7) |
通話マイク | ○(ノイズカットあり) |
外音取り組み機能 | × |
ノイズキャンセリング(ANC) | × |
ペアリング仕様
マルチペアリング | 対応(最大?台) |
マルチポイント | × |
複数デバイス間のワンタッチでのペアリング切り替え | ×(先に現在のペアリングを解除する必要あり) |
関連モデルとの違い(2021年8月追記)
Anker Soundcore Life P2 の関連モデルとして以下2機種が存在する。
- Anker Soundcore Life P3(直販価格8,990円〜9,990円)
- Anker Soundcore Life P2 Mini(直販価格4,490円)
Anker Soundcore Life P3(直販価格8,990円〜9,990円)
2021年8月に発売開始。Anker Soundcore Life P2の事実上の上位版モデルの位置づけ。後継機ではない。ノイズキャンセリング(ANC)や外音取り込み機能、ワイヤレス充電(Qi充電)に対応している。
Anker Soundcore Life P2よりも多少なりにハイエンドな機種を探している人におすすめだ。
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最強U1万円ワイヤレスイヤホン「Anker Soundcore Life P3」レビュー
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Anker Soundcore Life P2 Mini(直販価格4,490円)
2021年9月に発売開始。名前のとおりAnker Soundcore Life P2の小型版モデルに位置づけられる。基本的なスペックはほぼ変わらず。簡易なイコライザー調整(音質調整)に対応している。
イヤホン形状はほぼAirPods
AirPodsを思わすスタンダードなイヤホン形状。イヤホン重量も軽く(片耳5g)、長時間付けていても耳が痛くならない。
AirPodsのように耳から多分に飛び出たデザインなので、ズボラな人だとイヤホンの紛失リスクがあるかもしれない。
ただ、AirPodsと違ってイヤーピースを搭載している。イヤーピースのサイズさえ調整すればしっかりと耳穴とフィットするので、まだ紛失リスクは低減できるかと思う。
充電ケースは価格相応の安っぽさあり

サイズは長い方が8cm、短い方が4.5cm

厚さは3cm
充電ケースはなんと言うか安っぽい。外観素材は素のままのプラスチック。ケース蓋が異様にペラッペラということもあり、感触的にも安っぽさが多分にある。

ケース蓋が薄っぺらい
格安モデルながらUSB Type-Cケーブルで充電できる
USB Type-Cケーブルを使った有線充電に対応。ワイヤレス充電(Qi充電)には対応せず。
格安モデルではありがたいUSB Type-C仕様。USB Type-Cケーブルが普及する昨今だが、似たような価格帯の製品だともれなくmicroUSBなので、USB Type-C対応は地味だが堅実な評価ポイントだ。
ペアリング勝手
Anker Soundcore Life P2 の主なペアリング仕様
マルチペアリング | 対応(最大?台) |
新規ペアリングモードの起動方法 | 装着した左右イヤホンのタッチパッドを同時に3秒押しで新規ペアリングモードが起動 |
マルチポイント | × |
複数デバイス間のワンタッチでのペアリング切り替え | ×(先に現在のペアリングを解除する必要あり) |
ペアリングまわりの細かな内容は以下記事を確認あれ
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【Tips】Anker「Soundcore」完全ワイヤレスイヤホンの新規ペアリングモードの起動方法まとめ
続きを見る
Anker Soundcore Life P2 を実際に使ってみた感想とレビュー
音質はドンシャリ、aptX接続でもそこまで劇的に変わらない
音質は典型的なドンシャリ系イヤホン。こもり気味の低音とシャンシャンした高音が響く。ボーカル音声など中音域が少し聞き取りづらく、よくも悪くも価格相応のイヤホンといった印象を受けた。
aptXコーデックにも対応しており、大方のAndroidスマホであればaptX使った高音質なオーディオ再生が可能(iPhoneはaptX非対応)。ただ、そこまで劇的に音質が向上するわけではなく、気持ち音が明るくなったかな?というくらい。過度な期待は禁物だ。
オーディオ重視のワイヤレスイヤホンに比べれば劣っていると言わざるを得ない音質だが、それでもノンブランドの下手な格安ワイヤレスイヤホンよりはマシ。長時間使っていても聞き疲れないし、まだオーディオらしい音の強弱表現はある。
ワイヤレス接続は安定してる方、時々ポツンと鳴る
アンダー5000円の格安モデルだが、Bluetooth 5.0仕様のワイヤレスイヤホンということもあり、致命的な接続切れ、音切れに遭遇することはない(少なからず筆者が使った限りでは)。
ただ、人混みの中だと周囲の人のBluetoothデバイスと電波干渉しがち。時折”ポツン”みたいなノイズが入る。コンマ数秒音が飛ぶだけですぐに復帰するので特段あげつらう必要もないかと思うが、価格なりとの印象は拭えぬ。
バッテリー持ちは良い(ケース併用で最大40時間)
イヤホン単体で7時間、ケース併用で最大40時間のバッテリー駆動が可能。
業界相場だとケース併用で24時間前後のものが一般的なので40時間使えるのは異常。1日数時間使う程度であれば、ゆうに2週間くらいは充電せずに済む。ワイヤレスイヤホンの充電が面倒くさいと考えてるズボラ気質な人だとたまらない。
物理ボタン搭載、タッチセンサーよりも反応処理は安定してる

物理ボタン
イヤホン本体側にタッチセンサーではなく物理ボタンを搭載している。少しボタンが硬めだが、タッチセンサーよりも反応処理が正確なので、ボタンの2回押し操作などストレスフリーに行える。
タッチ操作(ボタン操作)コマンドは以下のような感じ。割り当て変更はできない。
右イヤホン
1回押し | オーディオ再生/停止、(着信時)通話受け/通話終了 |
2回押し | 曲の先送り |
長押し(1秒押し) | 音声アシスタント起動、(着信時)着信拒否 |
左イヤホン
1回押し | オーディオ再生/停止、(着信時)通話受け/通話終了 |
2回押し | 曲の前戻し |
長押し(1秒押し) | 音声アシスタント起動、(着信時)着信拒否 |
IPX7(スポーツ防水)の防水性能あり
スマホと変わらぬIPX7相当の防水性能あり。プールの中で使っても問題ないし、イヤホンが汚れたら水洗いしても大丈夫だ。
Anker Soundcore Life P2 の気になったところ(あるいはデメリット)
ノイズカット対応マイクだが、そこまでノイズカット精度は高くない

うどんの先にマイクあり
イヤホン本体に通話マイクを内蔵。マイクを使った通話、音声アシスタントを起動しての音声操作が行える。
通話マイクとしては問題なく使える。また、格安モデルでは珍しくノイズカット機能を搭載している。ただ、cVc8.0仕様のオマケ程度のノイズカットとあり、ノイズカット精度は低め。普通に周囲の音を拾ってるし、正直効果がよくわからない。
ノイズカットに関してはあまり期待しない方がいい。
cVc8.0は米クアルコムが提供する標準のノイズカット機能。クアルコム製チップを搭載したBluetooth製品であれば利用できる。
専用アプリ非対応、イコライザー調整など一切行えず

※専用アプリの参考画像
Ankerが提供する専用アプリ「Soundcore」は利用できず。
アプリを通じたイコライザー調整(音質調整)やボタン操作の割り当て変更が行えず、すべてデフォルト状態で使うことになる。
【まとめ】下手な格安ワイヤレスイヤホンを買うくらいなら、せめてこっちを買うべき
Anker Soundcore Life P2 をレビューしてきた。
オーディオ性能、使い勝手ともに価格相応の普通の出来だが、下手なノンブランドの格安ワイヤレスイヤホンよりは100倍マシ。100倍だ。
あくまで大手Ankerが手がける製品とあり、実用水準の勝手をキープしてるのがなによりの評価ポイント。音楽を聞くためのとりあえずのワイヤレスイヤホンとして考えれば十分すぎる優良品だと思う。
それこそ価格に似合わぬUSB Type-Cの充電ポートを搭載しているので、今日のUSB Type-Cデバイス環境の中に放り投げても違和感なく馴染んでくれる。はじめてのワイヤレスイヤホンとして、とりあえずのワイヤレスイヤホンとしてコスパよく調達したい人におすすめだ。
レビュー対象製品
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