Ankerが展開するワイヤレスイヤホンブランド「Soundcore」。その中でもコスパ特化モデルと名高い「Anker Soundcore Life P2」をレビューしたい。
Anker Soundcore Life P2は、直販4,990円ながらaptXコーデック、USB Type-C充電、IPX7防水、cVc8.0ノイズカットなどなど昨今のトレンドを多分に詰め込んだワイヤレスイヤホン。おまけにケース併用で40時間使えるスタミナモデルとあり、表面的なスペックだけ見ると言うことなしだ。
一方で価格が価格なだけに実際の使い勝手としてどうなのか、そもそも使い物になるのかという不安もある。そこで以下では「Anker Soundcore Life P2」の実機を使ってその実力を検証していく。購入を検討している方は参考あれ。
レビュー対象製品
Anker Soundcore Life P2 レビュー
製品概要
Anker Soundcore Life P2 は、充電器メーカーのAnkerが手がけるワイヤレスイヤホン。同社オーディオブランド「Soundcore」名義で展開される。2019年11月に発売開始された。
直販価格4,990円とアンダー1万円おろかアンダー5000円のワイヤレスイヤホンながら、aptXコーデックに対応しており、高音質や安定した接続品質を謳う。aptXはもっぱらAndroidスマホでしか恩恵にあずかれないが、Bluetooth 5.0とAACコーデックにも対応しているので、iPhoneほかのデバイスでも大方問題ない。
デザイン

サイズは長い方が8cm、短い方が4.5cm

厚さは3cm
ケース、イヤホンともに黒一色。他のSoundcoreシリーズと同じく相変わらず黒い。イヤホンにファッション性を見いだす人だと気に食わないかも知れないが、下手に尖らず無難な感じのイヤホンとも言えるので、デザイン評価は各々の価値観に委ねられるだろうか。
ケースは長い方が8cm、短い方が4.5cm。厚さは3cm。AirPodsシリーズなどに比べるとケースが分厚いのでズボンのポケットに入れるともっこりする。また、ケース蓋は結構ペラッペラなので安っぽさがある。ここらは価格相応だろう。
つけ心地
カナル型(耳栓型)イヤホンなので難なくつけられる。イヤホン重量も軽く(片耳5g)、長時間付けていても耳が痛くならない。
とはいえ、AirPodsシリーズのように、うどんが耳から飛び出たデザインなので、イヤーピースのサイズがきちんと合ってないと耳から抜け落ちそうな不安定さはある。複数サイズのイヤーピースが付属しているので特に屋外で使おうと考えている人は紛失を避けるためにもサイズ調整した方がよい。
性能レビュー
Anker Soundcore Life P2の総合評価
(評価はSが最高、Cが最低)
評価 | コメント | |
ノイズキャンセリング性能 | – | 非搭載 |
外音取り込み機能 | – | 非搭載 |
オーディオ性能(音質) | B | 可もなく不可もなく、ドンシャリ系 |
接続安定性 | B | 普段使いでは問題ないが、音切れに遭遇しやすい |
ペアリング勝手 | B | 複数デバイスを跨いで使うと諸所不安定な部分あり |
バッテリー持ち | S | ケース併用で最大40時間使える |
充電環境 | A | USB Type-C充電、ワイヤレス充電には対応せず |
タッチ操作性 | A | 物理ボタン操作なので誤反応少ない |
マイク性能 | S | cVc8.0仕様の雑音カット機能あり |
防水性能 | S | スマホ同等のIPX7仕様 |
以下詳しく見ていく。
ノイズキャンセリング性能
ノイズキャンセリング(アクティブノイズキャンセリング)は非搭載。
外音取り込み機能
外音取り込み機能は非搭載。
オーディオ性能(音質)【評価B】
一言で言えばドンシャリ系のイヤホンだ。低音とシャンシャン音が強め、ボーカル音声など中音域が少し弱め、良くも悪くも価格相応のイヤホンといった印象を受けた。シャンシャン音が結構強いので耳が肥えた人だと気に食わないかもしれない。
明らかにオーディオにこだわったイヤホンとは言えないが、そこまで極端に音が悪いわけではない。普通に音楽を聞いたり、動画を観たりする程度の使い方であれば実用十分、必要充分な製品だと思う。
なお、オーディオコーデックはSBC、AAC、aptXに対応している。iPhoneならAACで、Androidなら大方aptXでの再生となる。
接続安定性【評価B】
普段使いするにあたって致命的な接続切れ、音切れ、延滞はない。ただ、気持ち1日に1回くらいのペースでポツンといった音切れがあるよう感じる。コンマ数秒音が飛ぶだけですぐに復帰するので特段あげつらう必要もないかと思うが、高価格帯のワイヤレスイヤホンに比べると、やはり価格なりとの印象を受けた。
ペアリング勝手【評価B】
ペアリングボタンは付いておらず、ケース蓋を開くたびに新規ペアリングモードになる。すでにペアリング済みのデバイスが近くにあれば、そのまま既存ペアリングされる。
非常に簡単な仕様なのだが、2台目以降のデバイスと新規ペアリングする際は、既存ペアリングしたデバイスのBluetoothを一度オフにして、既存ペアリングしないよう調整する必要があるので途端に面倒になる。
複数デバイス間でペアリングを移動させる際は、Bluetooth設定画面から手動で繋ぎ直せば問題ない。ただ、なまじ片耳再生モードを搭載しているせいか、片耳しかペアリングされなかったり、他のデバイスとの既存ペアリングが解除できないことがあった。そのため、複数デバイスでワイヤレスイヤホンを使い回そうと考えている人だとペアリング勝手に不満を覚えるかもしれない。
バッテリー持ち【評価S】
イヤホン単体で7時間、ケース併用で最大40時間のバッテリー駆動が可能。実際に使っていてバッテリーが足りなくて充電に追われる機会はなかった。1日あたり5時間以内の利用であれば1週間は充電せずに使えるので、逆に充電が疎かになりそうだ。
充電環境【評価A】
充電はUSB Type-Cポートから行う。ワイヤレス充電(Qi充電)には対応せず。急速充電機能を備えており、10分の充電でオーディオ再生60分相当のバッテリーチャージが可能。
タッチ操作性【評価A】

物理ボタン
タッチセンサーではなく物理ボタンを搭載している。少しボタンが硬めだが、タッチセンサーよりも反応処理が正確なので、ボタンの2回押し操作などストレスフリーに行える。
タッチ操作(ボタン操作)コマンドは以下のような感じだ。
右イヤホン
1回押し | オーディオ再生/停止、(着信時)通話受け/通話終了 |
2回押し | 曲の先送り |
長押し(1秒押し) | 音声アシスタント起動、(着信時)着信拒否 |
左イヤホン
1回押し | オーディオ再生/停止、(着信時)通話受け/通話終了 |
2回押し | 曲の前戻し |
長押し(1秒押し) | 音声アシスタント起動、(着信時)着信拒否 |
マイク性能【評価S】

うどんの先にマイクあり
イヤホンマイクを内蔵しており、マイクを使った通話、また音声アシスタントを起動しての音声操作が行える。
マイク用ノイズキャンセリングことcVc8.0仕様の雑音カット機能を備えており、通話マイク近くの音だけを拾って通話伝達してくれる。そのため、屋外など比較的騒音の多い場所で通話しても影響出にくく、アンダー5000円のワイヤレスイヤホンながら優秀な出来と言える。
防水性能【評価S】
スマホと変わらぬIPX7相当の防水防塵。AirPods ProですらIPX4相当なので妙な力の入れようだ。IPX7となると一定時間なら浸水なら耐えられるレベルなので、軽く水洗いしても問題ない。
専用アプリには対応せず
Anker Soundcoreシリーズは専用アプリ「Soundcore」が利用できる。ただ、Anker Soundcore Life P2 はアプリ対応しておらず、アプリが利用できなかった。
この記事のまとめ
Anker Soundcore Life P2 をレビューした。価格が価格なだけに目立ったオーディオ性能ではなかったが、普段使いする分には問題なく、実用十分、必要充分な製品との印象を受けた。
ぶっちゃけ、ノンブランドの中華イヤホンとそこまで変わらないと思うが、やはりそこはAnker Soundcoreの名を冠ったAnkerブランド製品だろう。18ヶ月の製品保証も付くので、中華イヤホンにブランドと保証を付け加えた製品として評価すれば割に合うかと思う。
レビュー対象製品
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