月額1,000円前後から利用できる格安SIM。すでに何かしらの格安SIMを使ったことがある人も多いかと思う。
格安SIMと言えばMVNO(仮想移動体通信事業者)サービスが一般的だったが、昨今では大手キャリア自身が展開する格安SIMこと「サブブランド」「オンライン専用プラン」が続々登場。コスパと通信品質のよさで格安SIM業界の市場シェアを奪いつつある。
この記事では、もっぱらMVNOから「サブブランド」「オンライン専用プラン」への乗り換えを検討している人に向けたおすすめの格安SIMをまとめている。昨今の格安SIM事情も含めて解説していくので参考にしてほしい。
この記事の目次(タッチで移動)
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昨今の格安SIM事情(2023年版)
MVNOの契約者数は頭打ち、大手キャリア傘下サービスに客が流れる

出典:総務省
格安SIMと言えばMVNO(仮想移動体通信事業者)をイメージする人が多いかと思う。実際にIIJmioやmineoなどMVNOが手がける格安SIMが業界を率いてきた。
ただ、すでにMVNOが手がける格安SIMの契約者数は頭打ち。2020年〜2021年をピークに減少フェーズに突入した(総務省調べ)。
減少の最大の理由が大手キャリア3社のオンライン専用プラン。
2020年後半〜2021年にかけて大手キャリア3社がオンライン専用プランを発表。料金が従来のMVNO同等なのに加え、通信品質は大手キャリア同等の高品質仕様とあり、MVNOから乗り換える人が続出した。
大手キャリア3社が展開するオンライン専用プラン
- ドコモ「ahamo」
- KDDI「povo」
- ソフトバンク「LINEMO」
月額料金はMVNO、大手キャリア傘下サービスともに誤差の範疇に

出典:総務省
MVNOが展開する格安SIMは、”格安SIM”の名前のとおり安さこそが強みだった。
ただ、大手キャリア3社が展開するオンライン専用プランが、ほぼほぼMVNOとバッティングする料金設定に。料金の安さをMVNOの強みと言える時代はすでに終わりつつある(というか、終わった)。
小・中容量プラン(すべて音声通話プラン)
月額料金(税込) | 月間データ通信量 | |
▼ 大手キャリア傘下 | ||
au「povo」 | 0円〜 | 0GB〜 |
ソフトバンク「LINEMO」 | 990円 | 3GB |
▼ 主要MVNO | ||
IIJmio 4ギガプラン | 990円 | 4GB |
OCNモバイルONE | 990円 | 3GB |
mineo マイピタ 5GB | 1,518円 | 5GB |
大容量プラン(すべて音声通話プラン)
月額料金(税込) | 月間データ通信量 | |
▼ 大手キャリア傘下 | ||
ドコモ「ahamo」 | 2,970円 | 20GB |
ドコモ「ahamo」(大盛り) | 4,950円 | 100GB |
ソフトバンク「LINEMO」 | 2,728円 | 20GB |
▼ 主要MVNO | ||
IIJmio 20ギガプラン | 2,000円 | 20GB |
OCNモバイルONE | 1,760円 | 10GB |
mineo マイピタ 20GB | 2,178円 | 20GB |
大手キャリア傘下サービスの通信品質はMVNOを明確に上回る
MVNOだと昼間など通信が混み合う時間帯に通信速度が遅くなるのは知れた話。
パケ詰まりのような通信延滞が起き、ヤフーニュースの記事1つ開くにももたつく。動画を見るのはなかなか難しい(ほぼ無理)。
対して大手キャリア傘下の格安SIMサービスだと昼間の時間帯でも通信延滞しない。昼12時台に平然と100Mbps〜の通信速度が出る。動画もらくらく再生できる。
大手キャリアの通信基地の一部を間借りしてるだけのMVNOに対して、大手キャリア傘下の格安SIMサービスは、自前の通信基地を優先的に使用。(おそらく)上限速度こそ制限されているが、普段使いでは何ら問題ない通信速度が出る。
実用性の観点から言うと十分すぎるし、これまでMVNOを使ってきた人だと別世界すぎて感動すら覚える。
楽天モバイルは以前よりはマシになったが、まだまだ万人にはおすすめできず
2020年にMVNOからMNOに転身。国内第4の通信キャリアになった楽天モバイル。
2023年現在、ネックとされた通信品質は改善こそしたが、まだまだ万人におすすめできる状況ではない。
現在なおプラチナバンド(屋内でも通信しやすい周波数)が割り当てられておらず、都市部であってもビル屋内や地下鉄だと通信が不安定になりがち。
楽天モバイル単体で運用するよりかは、デュアルSIMで使うサブ回線(電話用回線)くらいの位置づけで考えた方がいい。
なお、料金に関しては2022年に大幅刷新。以前は通話オンリーで使えば月額0円で運用できたが、現在は最低でも月額1,078円かかる。
▼ 楽天モバイルの料金プラン概略
月々のデータ利用量 | 月額料金(税込) |
3GB以内 | 1,078円 |
20GB以内 | 2,178円 |
20GB〜(以降上限なし) | 3,278円 |
音声通話は専用アプリを使えば完全無料。
格安SIMおすすめ人気ランキング(2023年版)
【1位】ソフトバンク「LINEMO」(月額990円〜)
▶ LINEMO公式サイトを見る
プラン | 月額料金(税込) |
月3GBプラン | 月額990円 |
月20GBプラン | 月額2,728円 |
通話料は30秒/22円。無料通話なし。契約後1年間は「1回5分以内の国内通話が無料」になる通話オプションを無料で利用可能。

ソフトバンクが手がけるオンライン専用ブランド「LINEMO」。
月3GBプラン、月20GBプランともにMVNO同等レベルのコスパのよさ。これに加えてソフトバンク同等の高品質な通信回線を併せ持つ。
昼間など通信が混み合う時間帯でも通信速度が遅くならない。昼どきにがっつり通信したい人だと嬉しいところ。
オンライン専用ブランドとあり、いざというときのサポートがオンラインチャットのみだが、もとより格安SIMを使いこなせてる人なら問題ないだろう。
【2位】KDDI「UQ moible」(月額1,628円〜)
▶ UQ moible公式サイトを見る
プラン | 月額料金(税込) |
月3GBプラン | 月額1,628円 |
月20GBプラン | 月額2,728円 |
月25GBプラン | 月額3,828円 |
通話料は30秒/22円。無料通話なし。余ったデータ容量は翌月末まで繰り越し可能。

auのサブブランド「UQ mobile」。月3GBプランが月額1,628円と割高だが、その分サポートが充実。auショップでの実店舗サポートが受けられる。
通信品質はau同等。auが使える地域に住んでる人ならauの勝手そのものだ。
注目すべきは上位プラン。月20GBプランが月額2,728円とLINEMO同等の料金になる。LINEMOとは異なり余ったデータ通信量は翌月末まで繰り越せるのでデータ余りがあっても無駄にならない。
auショップでの実店舗サポートを受けたい人、月20GBプランを使いたい人であればUQ mobileがおすすめ。
【3位】ドコモ「ahamo」(月額2,970円〜)
▶ ahamo 公式サイトを見る
プラン | 月額料金(税込) |
月20GBプラン | 月額2,970円 |
月100GBプラン(大盛りオプション追加) | 月額4,950円 |
1回5分以内の国内通話が無料。

ドコモのオンライン専用プラン「ahamo」。月額2,970円で月20GBのデータ通信、および1回5分以内の国内通話料が無料になる。
もとよりコスパ重視の人だと先のLINEMO、UQ mobileの方がおすすめ。ahamoで注目すべきは「大盛り」オプションを追加した月100GBプラン。
月額4,950円で月100GBとMVNOを超越するコスパのよさ。おまけにドコモ純正回線なので昼間の時間帯でも通信速度が遅くならない。テザリングも当然ながら可能だ。
1人暮らしの人などで自宅回線も兼ねた大容量プランを探している人だと丁度いい選択肢に。
【4位】楽天モバイル「Rakuten UN-LIMIT」(月額1,078円〜)
▶ 楽天モバイル 公式サイトを見る
プラン(段階制プラン) | 月額料金(税込) |
月3GB以内 | 1,078円 |
月20GB以内 | 2,178円 |
月20GB〜(以降上限なし) | 3,278円 |
通話料は専用アプリ「Rakuten Link」を使えば完全無料。

2023年現在、楽天モバイルは万人におすすめできるサービスではない。どちらかと言うとチャレンジャー向けだ。
そのうえでだが、月額3,278円で月無制限で通信できるコスパのよさが魅力。悪しき1日=10GB制限も現在は撤廃されたのでガッツリ使いたい人との相性はよい。
固定回線を持ちたくない、ケチりたい人であれば楽天モバイルは十分に現実的な選択肢になる。
一方で住んでる地域によっては通信が不安定になることも。この点がネックだ。
なお、以前は通話回線として月額0円で運用するハック技があったが、現在は0円プランは廃止されてるので勘違いせぬように。
【参考掲載】日本通信「合理的シンプル290プラン」(月額290円)※MVNOサービス
▶ 日本通信 公式サイトを見る
プラン | 月額料金 |
月1GBプラン | 月額290円 |
通話料は30秒/22円。無料通話なし。

MVNOの老舗・日本通信が手がける現行プラン「合理的シンプル290」。月額290円で音声通話と1GBのデータ通信が可能。
MVNOなので昼間の時間帯だと通信速度が遅くなる。ただ、通話回線に関しては別枠なので問題なし。2回線運用(デュアルSIM運用)のための通話専用SIMとして考えれば、そのコスパのよさは間違いなく評価できる。
さりげなくeSIM発行にも対応。2回線運用のための通話回線を探している人ならこれで十分。