Appleのスマートウォッチ「Apple Watch」。今回レビューするのは2017年に発売された第3世代モデルの「Apple Watch Series 3」だ。
最新モデルの廉価版に位置付けられ、2020年現在も直販19,800円でApple公式の販売が続いている。スマートウォッチというカテゴリー上、最新モデルと比べてもスペック差は小さく、SuicaやApplePayがそのまま使える。なので、どうしても最新モデルが欲しいという人を除けば、Apple Watch Series 3 で十分だったりする。
以下、そうした実用面から Apple Watch Series 3 の購入を検討している人に向けたレビューだ。ぜひ参考にしてほしい。
レビュー対象製品
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Apple Watch Series 3の概要
Apple Watch Series 3 は2017年に発売開始されたApple Watch第3世代モデル。2020年現在もAppleStoreでの取り扱いが続いており、GPSモデルが19,800円、4Gで単独通信できるセルラーモデル(キャリアモデル)が29,800円で販売される。
最新モデル「Apple Watch Series 5」に対する廉価版モデルに位置づけられるが、所詮はApple Watch、スマートウォッチ。スマホやPCほどのスペック差は存在せず、一部機能が搭載されない程度の違いしかない。もっぱら以下のような内容だ。
Apple Watch Series 5で搭載された新機能(=Apple Watch Series 3で使えない機能)
- ディスプレイの常時点灯
- 電子コンパス(マップ利用時の方角調整が可能に)
- 転倒検出機能(Series 4から継続、転倒後1分反応がないと自動でSOS通知)
転倒検出機能は高齢者向け機能として一定のニーズがあるが、そのほか特にメジャーアップデートされておらず、OSも同じwatchOS 6を採用している。
2020年秋にはwatchOS 7がリリース予定だが、Apple Watch Series 3 に関してもアップデート対象機種に含まれているので、まだまだ現役モデルとして利用できる。
Apple Watchならではの決済やヘルスケアといった基本機能は Apple Watch Series 3 でも問題なく使えるため、Apple Watchの括りでみれば必要十分かつ実用充分なスペックを備えていると言えるだろう。
Apple Watch Series 3 レビュー
外観デザイン
外観デザインは、従来から続くスクエア型デザインを採用。角に丸みがあるので、そこまで存在主張は強くない。見た目のコンパクト感は、いかにもAppleらしい電子デバイス、ミニマルデバイスっぽさが感じられてよい。
ケース径は38mmと42mm版の2種類が展開される。
筆者が購入したのは38mm版。38mmと言うとメンズ腕時計では小さめサイズに該当するが、おかげでスマートウォッチならではの存在感、アピールの強さが控えめだ。こうしたスマートウォッチのギラギラ感、デカデカ感が嫌いな人であれば38mmを購入した方が収まりがいい。

40mmの腕時計とサイズ比較
バンド(ベルト)は初期のスポーツバンド。シリコンではなく、シリコンに似た「フルオロエラストマー」素材が使われる。
フルオロエラストマーは、肌に触れたときの感触はシリコンよりもソフトなのに、シリコンよりも耐久性に優れ、シリコンのようにペラペラしていない。さながら革ベルトのような厚みや芯があるので安っぽさも軽減されている。

ベルトアタッチメントはいかにもAppleな独自規格に
なお、バンドのアタッチメント(バンドの接合部分)はApple Watch独自規格となっており、一般的な腕時計で使われるバネ棒式のベルトには付け替えられない。
一方でApple公式として各種メーカー、ブランドとコラボしたバンドを用意しているほか、AmazonなどでもノンブランドのApple Watch用のバンドが数多く販売されているので、そこまで独自規格によるデメリットは感じない。独自規格ながらバンドの種類の豊富さはスマートウォッチ随一だろう。
Apple Watchの三大機能をチェック(決済、ヘルスケア、通知)
1. 決済
やはりApple Watchと言えばApple Payだろう。felicaを内蔵しているのでApple WatchでSuica、iD/QUICPayが使える。加えてPayPayのバーコード表示&決済にも対応しているので、今日の電子マネー対応スマートウォッチとしては言うことなしのスペックだ。

※写真一部加工

※写真一部加工
Pontaやdポイントカードにも対応。ローソンであればiD、QUICPay決済と同時にポイントカード処理(タッチ処理)できる。
Apple Watch Series 3 は、現状Apple Watch向けに提供されるすべての決済アプリに対応しており、決済用途では最新モデルと比べても遜色ない。決済目的でApple Watchの購入を考えている人であれば、Apple Watch Series 3
で十分だ。
2. ヘルスケア(健康管理)
こちらもApple Watchの代名詞。心拍センサーと歩数計(加速度計)を備えており、歩行距離、心拍、消費カロリーなどひととおりの健康データが計測できる。ジムやジョギングで使うスポーツウォッチとして代用できるので、普段から運動している人にはうってつけだ。

ワークアウトアプリ

心拍センサー
流行りの睡眠計測は標準アプリでは対応しないが、サードパーティアプリを使えば計測自体は可能。とはいえ、Apple Watchの厚みゆえ、腕に巻いたまま睡眠するのはちと難しい気がするが。

睡眠トラッキングアプリとして人気高い「AutoSleep」。
3. 通知確認
メールやLINEや着信通知などApple Watch上でひととおり確認できる。メッセージ系のアプリは定型文を登録しておけばApple Watch上から返信対応も可能。
基本的にiPhoneで受けられる通知と同等レベルの通知が受けられるので、通知を取捨選択しないとうるさくてしょうがない気がするが、ここまでスマホと比べても遜色ない通知が受けられるスマートウォッチは、業界探してもApple Watchくらいだろう。この点は評価したい。
また、これ以外にも Apple Watch Series 3 はスタンドリマインダー機能に対応しているため、一定時間座ったままの時間が続くと注意を促す通知が来る。健康意識したApple Watchらしい機能だ。
そのほかApple Watch Series 3の細かな機能
通話機能

※写真一部加工
Apple Watch Series 3 にはマイクとスピーカーが付いているので、Apple Watchから電話がかけられる。
GPS版だとペアリングしている親機iPhoneを経由して発着信されるが、4G通信で単独通信できるセルラー版であればApple Watch単体でも発着信できるので、より電話っぽさがある。

写真右側にある穴2つがマイク、左側にあるラインがスピーカー
いざ使ってみると思いのほか音質よく、マイクも音を拾っている。”いざ”と言うように、そこまでApple Watchで通話する機会はないのだが、使おうと思えば使えるクオリティを維持しているのはさすがのApple製品だと感じた。
単体ミュージックプレーヤー機能
Apple Watch Series 3 は、内部ストレージに曲データを保存しておけばiPhoneとペアリングしていない状態でもApple Watch単体で音楽再生できる。ジョギング中など、さながら腕時計型のミュージックプレーヤーとして活用できる。
なお、音楽再生はApple WatchとBluetoothペアリングしたワイヤレスイヤホンからのみ出力できる。Apple Watch Series 3 の本体スピーカーからの音楽再生はできないので、(稀だろうが)スピーカー用途での利用を考えている人は注意した方がいい。
単体決済機能
Apple Watch Series 3 は、iPhoneとペアリングしていない状態でもSuicaやApple Payなど決済機能が利用できる。運動中やジョギング中など財布おろかスマホも邪魔なシチュエーションでは腕元の気軽な決済デバイスとして活用できて便利だろう。
バッテリー持ち
Apple Watch Series 3 は公称18時間のバッテリー持ちとあり、時刻確認&Apple Payくらいの使用頻度であれば1日〜2日は充電せずに問題ない。
省電力モードも搭載されているため、いざとなればバッテリー時間は引き伸ばせる。ただ、省電力モードや電源OFFの状態だとSuicaなど決済機能が使えないので、この点は注意が必要だ。
充電にはApple純正の充電ケーブルが必要。タッチ充電だがQi充電とは別物のようで、一般的なQi充電器では充電できない。Apple純正の充電ケーブルは直販3,500円とさすがのAppleプライスだ。

Apple Watch純正ケーブル
この記事のまとめ
Apple Watch Series 3 をレビューした。
価格2万円ながらApple Watchとしての機能、スマートウォッチとしての機能がひととおり揃った王道モデルとなるため、Apple Watch、スマートウォッチ入門には最適な1品だと思う。
iPhoneとしかペアリングできないのが欠点だが、それゆえ、Apple PayはじめとしたiPhoneアプリとの連携力の強さは他に代えがたい。Apple製品とあり、腕時計バンドも数多く展開されており、さながらiPhoneケースのノリで見た目や印象を変えられるのも評価ポイントだ。ぜひ試してみてほしい。
レビュー対象製品
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