楽天モバイルの0円スマホとして注目を集める「Rakuten Hand」と「Rakuten Mini」。いずれもコンパクトで軽量でおサイフケータイに対応したAndroidスマートフォンだ。
この記事ではRakuten HandとRakuten Miniを比較。いざ何が違うのか、どちらを買うべきなのか解説&検討していく。
楽天モバイル契約と同時に機種を購入しようと考えている人は参考にしてほしい。
Rakuten HandとRakuten Miniの製品概要
Rakuten Hand
発売時期 | 2020年12月 |
端末価格 | 2万円(実質0円) |
画面サイズ | 5.1インチ |
本体重量 | 129g |
おサイフケータイ | 対応 |
テザリング | 対応(最大10台) |
初期OS | Android 10 |
画面サイズ | 5.1インチ(1520×720) |
本体重量 | 129g |
メモリ | 4GB |
本体容量 | 64GB |
microSD | × |
CPU | Snapdragon 720G |
カメラ | 外側①4800万画素(標準)、外側②深度測位 |
内側①1600万画素 | |
充電端子 | USB Type-C |
ワイヤレス充電 | × |
指紋認証 | ◯(ディスプレイ内) |
顔認証 | ◯ |
おサイフケータイ(felica) | ◯ |
防水/防塵 | ◯ |
そのほか | eSIM専用、楽天回線以外のVoLTE通信に非対応 |
Rakuten Handは、2020年12月に発売開始となった楽天オリジナルスマホ。人気沸騰から生産が追いつかず一時販売休止になった、今まさに売れに売れまくってる大ヒットモデルだ。販売再開は2021年3月中旬を予定している。
0円スマホながらミドルレンジ相当のスペックを誇り、一見すると0円スマホとは思えぬ安定感がある。前作Rakuten Miniの弱点だったバッテリー持ちも改善されていて、メインスマホとして1日使い回せるのも評価ポイントだ。
Rakuten Mini
発売時期 | 2020年1月 |
端末価格 | 18.700円(実質0円) |
画面サイズ | 3.6インチ |
本体重量 | 79g |
おサイフケータイ | 対応 |
テザリング | 対応(最大8台) |
初期OS | Android 9 |
画面サイズ | 3.6インチ(1280×720) |
本体重量 | 79g |
メモリ | 3GB |
本体容量 | 32GB |
microSD | × |
CPU | Snapdragon 429 |
カメラ | 外側①1600万画素(標準) |
内側①500万画素 | |
充電端子 | USB Type-C |
ワイヤレス充電 | × |
指紋認証 | × |
顔認証 | ◯ |
おサイフケータイ(felica) | ◯ |
防水/防塵 | ◯ |
そのほか | eSIM専用、楽天回線以外のVoLTE通信に非対応 |
2020年1月発売。画面3.6インチ、本体重量79gの”超”小型スマホ。Android OSを搭載したスマホとしては世界最小・最軽量を謳う。
おサイフケータイやテザリングが利用できるので、さながらおサイフケータイ対応のモバイルルーターといったところ。あくまでベースはAndroidスマホとあり、カスタマイズできる幅が広いのでいじりがいがある。
Rakuten HandとRakuten Mini、そもそも何が違うのか
Rakuten Mini → サブスマホとして2台持ちで運用する人向け
Rakuten Handはまさしくメインスマホとして作られたスタンダードなスマートフォンだ。
Rakuten Miniの弱点とされたバッテリー持ちを改善し、1日使い回せるスタミナ(バッテリー持ち)を得た。基礎性能もミドルレンジで日常使いには最適だ。
対してRakuten Miniは徹底して小ささにこだわったマニア向けスマホ。
その小ささゆえにバッテリー持ちが悪く、どちらかと言うとサブスマホとして使うべき製品だ。1台持ちでヘビーユースするには向かないし、仮に1台持ちする場合はモバイルバッテリーなど用意した方がいい。
どちらもベースはAndroidスマホとあり、おサイフケータイやテザリングが利用できる。これによりRakuten Handはメインスマホとしての王道感を、Rakuten Miniはサブスマホとしての利便性が加味されている。
そのため、メインスマホとして1台で使いまわしたいのであればRakuten Handを、サブスマホとして2台持ち運用する人ならRakuten Miniがおすすめできる。
Rakuten HandとRakuten Miniの違いを比較する
基本性能(スペック)の違い
Rakuten Hand | Rakuten Mini | |
画面サイズ | 5.1インチ | 3.6インチ |
メモリ | 4GB | 3GB |
本体容量 | 64GB | 32GB |
microSDカード | × | |
CPU | Snapdragon 720G(ミドルレンジ) | Snapdragon 439(ローエンド) |
Rakuten HandはミドルレンジCPU「Snapdragon720G」を、Rakuten Miniはエントリー向けCPU「Snapdragon429」を搭載している。
Rakuten Handは特に不便なく操作できる。タッチ操作のもっさり感もなく、「荒野行動」も難なくプレイできるクオリティだ。
他方、Rakuten Miniは多少なりにもっさり感がある。バックヤードで同期作業が行われていたりすると、アプリの起動が遅くなったり、タッチ反応がワンテンポ遅かったりする。
土台のスペックが違うこともあり、基本性能だけで見れば間違いなくRakuten Handの方が上だと断言できる。
カメラ性能の違い
Rakuten Hand | Rakuten Mini | |
メインカメラ |
外側①4800万画素(標準) | 外側①1600万画素 |
外側②深度測位 | ||
インカメラ | 内側①1600万画素 | 内側①500万画素 |
AI調整機能 | ◯ | × |
ポートレート撮影 | ◯ | × |
Rakuten Hand、Rakuten Miniともにレンズ1枚構成。
Rakuten Handは2枚構成だが、うち1枚はポートレート撮影を補助する深度測位レンズなので、実際に撮影で使えるのはレンズ1枚だ。
実際に撮影してみるとRakuten Handの方が実物に近い色味。「AI調整機能」こと撮影シチュエーションに応じたISOなどの自動調整機能を搭載していることもあり、なかなかに優秀だ。
対してRakuten Miniは少しばかり色素が抜けたような感じになる。
ラーメンもRakuten Handで撮影した方が美味そうに見える。
Rakuten HandはAI調整機能のおかげで夜間撮影も難なくこなせる。Rakuten Miniは暗めだ。
ポートレート撮影はRakuten Handのみ対応。深度測位レンズを使ったボケ写真が撮影できる。思いのほかしっかりと撮影対象物を捉えており、ボケ具合の調整も効いている。
総じてRakuten Handのカメラは0円スマホのわりによくできていた。Rakuten Miniは価格なりだ。
サイズ・重量感の違い
Rakuten Hand | Rakuten Mini | |
画面サイズ | 5.1インチ(1520×720) | 3.6インチ(1280×720) |
本体サイズ | 縦13.8cm、横6.3cm、厚さ1.0cm | 縦10.6cm、横5.3cm、厚さ0.9cm |
本体重量 | 129g | 79g |
どちらも昨今のスマホとしては小さい部類に入るが、特にRakuten Miniに関しては名前のとおりの小ささだ。男性ズボンの小ポケットにも入ってしまうサイズなので、そのミニマル感はたまらない。
Rakuten Miniの小ささに比べると影を潜めてしまうRakuten Handだが、こちらも一般サイズのスマホとしては非常にコンパクトだ。
画面5.1インチの小型サイズに加え、ベゼル部分が丸みを帯びていることもあり、手で握り込むようにして使える。片手持ち操作のときの安定感は言わずと知れる。
バッテリーまわりの違い
Rakuten Hand | Rakuten Mini | |
バッテリー容量 | 2750mAh | 1250mAh |
充電端子 | USB Type-C | |
ワイヤレス充電 | × |
Rakuten HandとRakuten Miniの絶対的な違いとなるのがバッテリー容量だ。
Rakuten Miniは1250mAhしかバッテリーを積んでおらず、バッテリー持ちが圧倒的に弱点だ。待ち受け待機でも1日で40%くらいのバッテリーが減るので、1台持ちでヘビーユースするとさすがに不安がある。
対してRakuten HandはiPhone 12相当の2750mAhバッテリーを搭載。十分に1日使い回せるバッテリー容量だ。
あくまで1台持ちしたい、メインスマホとして使いたいという人であれば、間違いなくRakuten Handを選ぶべきだろう。
生体認証の違い
Rakuten Hand | Rakuten Mini | |
指紋認証 | ◯ | × |
顔認証 | ◯ |
指紋認証はRakuten Handのみ対応。ディスプレイ内指紋認証を搭載しており、画面にタッチして押し込むだけで指紋認証できる。認証精度は高く、認証速度も高速なので一見すると0円スマホとは思えぬ完成度だ。
双方ともに顔認証に対応しているが、Rakuten Miniの顔認証は少しばかり認証速度が遅め。画面点灯から認証まで気持ち2秒くらい時間がかかる。Rakuten Handに比べると幾らか使い勝手で劣るだろう。
そのほか主な使い勝手の違い
Rakuten Hand | Rakuten Mini | |
おサイフケータイ | ◯ | |
防水/防塵 | ◯ | |
テザリング | ◯ | |
テザリング最大台数 | 10台 | 8台 |
VoLTE通信 | ◯(楽天回線のみ) | |
対応SIMカード規格 | eSIMのみ |
細かな使い勝手は双方ともに変わらず。テザリング接続できる最大上限台数が異なるが、10台と8台なので、そこまで気にする点でもないだろう。
なお、双方ともに対応しているSIMカード規格は「eSIM」のみ。eSIMとはソフトウェアベースのSIMカードで、スマホ上に直接SIM契約情報をインストールして使う。nanoSIMなど通常のプラスチックのSIMカードは利用できない(SIMスロットも非搭載)。
Rakuten Handのメリットとデメリット
Rakuten Handのメリット
メインスマホとして性能十分
Rakuten Handは0円スマホとは思えぬ安定感がある。バッテリー持ちもよく、1日使い回せるスタミナモデルなのでメインスマホとして使うのに丁度いい。
実用的コンパクトサイズ
Rakuten Handは、Rakuten Miniまでとはいかずも相当に小さいスマホだ。片手操作も楽々できるし、本体重量も129gしかないので腱鞘炎の心配もない。そのうえでバッテリー持ちもよいので言うことなしだ。
0円スマホとは思えぬカメラ性能
Rakuten Handは、初搭載となるAI調整こと撮影シチュエーションに応じた撮影補助機能と相まって簡単にきれいな写真が撮影できる。ポートレート撮影もしっかりとボケていて一見すると0円スマホとは思えない完成度だ。
Rakuten Handのデメリット
eSIM専用スマホなので初見だと分かりづらい
Rakuten Handは、次世代のSIMカード規格「eSIM」のみ対応。現行nanoSIMカードは使えず、QRコード経由でネット上(クラウド上)からSIM契約情報をスマホにインストールする必要がある。慣れてしまえば簡単だが、初見だと少しばかり頭を使う必要がある。
液晶保護フィルム選びが面倒くさい
Rakuten Handはディスプレイ内指紋認証との兼ね合いから液晶保護フィルムが面倒くさい。下手な格安フィルムだと指紋認証できなくなることもあるので、多少なりに金を出してでも「指紋認証対応」を謳う液晶保護フィルムを購入した方がいい。
Rakuten Miniのメリットとデメリット
Rakuten Miniのメリット
とかく小さい
Rakuten Miniは、とかく小さい。男性ズボンの小ポケットに入ってしまうミニマルデバイスなので非常に愛おしい。
おサイフケータイ&テザリング対応
Rakuten MiniはベースはAndroidスマホとあり、おサイフケータイとテザリングが利用できる。サイズ感と相まって、さながらおサイフケータイ対応のモバイルルーターのようだ。
Rakuten Miniのデメリット
バッテリー持ちが悪い
Rakuten Miniはサイズと引き換えにバッテリーも小さい。待ち受け状態でも1日で40%くらいのバッテリーが減っているので、メインスマホとして1日がっつり使うのはあまり現実的ではない。
eSIM専用の玄人仕様
Rakuten Hand同様にeSIM専用スマホとなる。QRコード経由でスマホ内部に直接SIM契約情報をインストールして使う。SIMカードスロットは搭載されず、通常のSIMカードは利用できない。
Rakuten HandとRakuten Mini、どっちを選ぶべき?
Rakuten Handをおすすめできる人
- メインスマホとして使いたい
- バッテリー持ちを踏まえたコンパクトスマホが欲しい
Rakuten Handはメインスマホとして使うのに最適なスマホだ。
0円スマホながらパフォーマンスは安定していて、操作のもっさり感もない。なんなら「荒野行動」などの重めのゲームもできてしまう。Rakuten Miniに比べてバッテリー持ちもよく、1日使い回すのも十分に可能だ。
Rakuten Miniをおすすめできる人
- とかく小さなスマホが欲しい人
- おサイフケータイ専用デバイスとして使いたい人
- モバイルルーター代わりに使いたい人
Rakuten Miniは、言うならおサイフケータイ対応のモバイルルーターだ。
もとよりバッテリー持ちが悪いのでメインスマホとして1台持ちで運用するのは現実的ではない。なにかしらメインスマホがあって、それを補佐するポジションで使うのが妥当な使い方だ。仮に1台持ちで運用する場合はモバイルバッテリーなどを用意した方がいい。
この記事のまとめ
Rakuten HandとRakuten Miniを比較レビューした。
メインスマホとして使うことを考えているのならRakuten Hand、サブポジションでモバイルルーター代わりに、おサイフケータイ代わりに使うことを考えているならRakuten Miniがおすすめできる。
どちらも0円スマホなので楽天モバイル契約時に購入すればポイント還元と合わせた実質0円が適用される。楽天モバイル契約時には、ぜひ試してみてほしい。
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