ソフトバンクのサブブランドことY!mobile(ワイモバイル)。メインブランドである「ソフトバンク」の廉価版サービスであり、最安月額1,980円から利用できる。
ソフトバンク回線を使った通信サービスなので、ソフトバンクスマホがそのまま利用できる。なおかつ、ソフトバンクショップでの実店舗サポートも受けられるので、携帯電話料金を安くしたいソフトバンクユーザーを中心に乗り換えが進んでいる。
当記事ではY!mobileに乗り換えるにあたって知っておきたいメリット、デメリットを実ユーザーの筆者が解説していく。Y!mobileを検討している方は参考にしてほしい。
Y!mobileの概要と料金プラン
概要
Y!mobileはソフトバンクのサブブランド。ソフトバンクと同じくソフトバンクの通信基地と直で通信できるキャリア・サービスとして展開される。
巷では「格安SIM」と宣伝されるが、MVNOとしての格安SIMではなく、あくまで宣伝文句としての格安SIMだ。サービス区分上はドコモやauと同じ通信キャリア(MNO)に括られる。通信品質は格安SIMの比ではない。
SIMカードだけの契約、また、SIMカードとスマホ端末とのセット契約に対応している。大手3キャリアと並びiPhone SE(2020)を取り扱う事業者でもあるので、iPhone SE(2020)に興味がある人は狙い目だ。MNPで乗り換えれば安く入手できる。
料金プラン
基本料金プラン
月額料金(税抜) | 月間データ容量 | 無料通話 | |
シンプルS | 1,980円 | 3GB | なし(別途オプション) |
シンプルM | 2,980円 | 15GB | |
シンプルL | 3,780円 | 25GB |
割引
割引額(税抜) | 内容 | |
おうち割光セット | 最大月額1,080円 | Softbank光、Softbank Air契約者に適用 |
家族割引サービス | 最大月額1,080円 | 血縁者、あるいは同一住所の契約者2人以上で適用(自己名義の2回線持ちでも適用) |
※割引はどちらか片方のみ適用可能、重複不可 |
無料通話オプション
月額料金(税抜) | 内容 | |
だれとでも定額 | 700円 | 1回10分以内の国内通話が無料 |
スーパーだれとでも定額 | 1,700円 | 国内通話が完全無料 |
2021年2月より新料金プランに移行、「シンプルS」「シンプルM」「シンプルL」の3プランに改められた。
データ容量が増加されたほか、割引額も従来の500円から1,080円に増額され、割引を適用すれば最安月額900円から利用できる。
通話料は30秒/20円が発生するが、無料通話オプションに加入すると無料になる。
そのほか
・いずれの料金プランも最低利用期限や解約金は設定されておらず、いつ解約(MNP)しても費用が発生しない。
・「5G利用料金」と「テザリング利用料金」は基本料金に含まれる。申し込みや追加料金なしで、そのまま利用できる。なお、5Gを使うにはソフトバンクの5G回線に対応したスマホが必要だ。
Y!mobileの料金プランについては以下記事で詳しくまとめたので参考にしてほしい。
Y!mobileの実際のところ【メリット編】
Y!mobileのメリットは以下6点が挙げられる。
- MNO(通信キャリア)ならではの高品質回線
- 「家族割」適用で業界最高級のコスパプランに
- 基本料金に「留守番電話」「キャリアメール」込み
- データ容量を使い切っても最大1Mbpsで通信可能
- 「Yahoo!プレミアム」特典が使い放題
- ソフトバンクショップで実店舗サポートが受けられる
【メリット1】MNO(通信キャリア)ならではの高品質回線
Y!mobileは格安SIM(MVNO)ではなくキャリアサービス(MNO)として提供される。
格安SIM(MVNO)だと昼間や夕方など通信混雑する時間帯には通信速度が遅くなりがちだ。他方、Y!mobileはソフトバンクの通信基地を優先的に使えるキャリア・サービス(MNO)として提供されるので、24時間いつ何時でも安定した速度で通信できる。この点、Y!mobileの絶対的な強み、メリットと言える。
【メリット2】「家族割」適用で業界最高級のコスパプランに
メインブランドのソフトバンクと同じくY!mobileは「家族割」を提供している。適用すれば最安月額900円から利用できる。
▼「家族割」適用時のY!mobile料金一覧
料金プラン | 月額料金(税込) | データ容量 | 無料通話 |
Y!mobile「シンプルS」 | 900円 | 3GB | なし(別途オプション) |
Y!mobile「シンプルM」 | 1,900円 | 15GB | |
Y!mobile「シンプルL」 | 2,700円 | 25GB |
最初から「家族割」前提で契約するのであれば、競合のUQmobileおろか、大手3社が新展開している格安ブランドよりも遥かにコスパのよい料金プランになる。家族と一緒に乗り換えたい人には重々におすすめできる。
【メリット3】基本料金に「留守番電話」「キャリアメール」込み
Y!mobileは基本料金だけで「留守番電話」と「キャリアメール」が利用できる。
同じくサブブランドで競合にあたるau「UQmobile」は、最安月額1,480円の代わりに留守番電話とキャリアメールが有料オプションで提供される。オプションを追加すると月額2,060円に跳ね上がる。
最初から留守番電話とキャリアメールを使う予定の人であれば、Y!mobileを契約した方がコスパよく利用できるのでおすすめだ。
▼ UQmobileとY!mobileの料金比較(留守番電話&キャリアメール込み)
UQmobile +オプション追加 | Y!mobile | |
最安料金プラン | 月額2,060円(月3GB) | 月額1,980円(月3GB) |
中間料金プラン | 月額3,060円(月15GB) | 月額2,980円(月15GB) |
最上位プラン | 月額4,060円(月25GB) | 月額3,780円(月25GB) |
※いずれも税抜表示
【メリット4】データ容量を使い切っても最大1Mbpsで通信可能(※上位プランのみ)
「シンプルM」「シンプルL」プランに限り、月間データ容量を使い切っても最大1Mbpsで通信できる。
従来128kbpsとまともな通信もできぬレベルの制限速度だったのだが、最大1Mbpsなら音楽サブスクやtwitter程度なら問題なく行える。十分に実用的と言える通信速度だ。
【メリット5】「Yahoo!プレミアム」特典が使い放題

出典:Yahoo!ショッピング(公式サイト)
Y!mobile契約者は、ヤフーの有料アカウントサービスである「Yahoo!プレミアム」(月額498円)特典が無料で適用される。
QRコード決済「PayPay」の還元率アップはじめ、PayPayモール(Yahoo!ショッピング)での還元率アップ、ヤフオク出品時の手数料優遇あたりが主な特典だ。
また、Yahoo!プレミアム会員であれば雑誌読み放題サービス「読み放題プレミアム」(月額500円)が無料で使える。こちらもY!mobile契約者でも問題なく利用できる。
【メリット6】ソフトバンクショップで実店舗サポートが受けられる
Y!mobileは全国4000のY!mobileショップ(厳密にはソフトバンクショップ)で実店舗サポートが受けられる。いざトラブル起きても店舗に駆け込めば問題ないのは大手キャリア同様だ。ここはさすがのキャリア・サービスであり、格安SIM(MVNO)では真似できないレベルの強みとなる。
Y!mobileの実際のところ【デメリット編】
Y!mobileのデメリットは以下4点となる。
- 1人契約だと格安ブランド「LINEMO」よりも割高に
- 余ったデータ容量の翌月繰越不可
- ソフトバンクからの乗り換えだとMNPキャンペーンが適用対象外に
- ソフトバンクスマホで使う場合でもSIMロック解除が必要
【デメリット1】1人契約だと格安ブランド「LINEMO」よりも割高に
ソフトバンク傘下でY!mobileの弟分となる格安ブランド「LINEMO」。月額2,480円で月20GBのデータ通信が使える。オプションで無料通話も付けられる。
対してY!mobileだと月額25GBのデータ通信が使える「シンプルL」プランで月額3,780円、月額15GBの「シンプルM」プランですら月額2,980円だ。比較するとY!mobileが割高に思える。
▼ Y!mobileとLINEMOの料金比較
月額料金(税抜) | 月間データ容量 | 無料通話 | |
Y!mobile「シンプルS」 | 1,980円 | 3GB | なし(別途オプション) |
Y!mobile「シンプルM」 | 2,980円 | 15GB | |
Y!mobile「シンプルL」 | 3,780円 | 25GB | |
LINEMO | 2,480円 | 20GB | なし(別途オプション) |
ただ、これはあくまで1人で契約した場合の料金だ。
Y!mobileには「家族割」の提供があり、家族割を適用すれば最安月額900円から使える破格プランに化ける。
▼「家族割」適用時のY!mobileとSoftBank on LINEの料金比較
料金プラン | 月額料金(税込) | データ容量 | 無料通話 |
Y!mobile「シンプルS」 | 900円 | 3GB | なし(別途オプション) |
Y!mobile「シンプルM」 | 1,900円 | 15GB | |
Y!mobile「シンプルL」 | 2,700円 | 25GB | |
LINEMO | 2,480円 | 20GB | なし(別途オプション) |
LINEMOは家族割が提供されないので、何人で契約しようと料金は変わらない。
そのため、1人で契約するならLINEMOの方がコスパよいが、2人以上で契約するのならY!mobileでも問題ないだろう。
【デメリット2】余ったデータ容量の翌月繰越不可
格安SIM(MVNO)だと一般的な機能だが、Y!mobileは繰越対応せず。毎月末に容量がリセットされるので月単位でのデータ使用量にムラがある人だともったいない。
【デメリッ3】ソフトバンクからの乗り換えだとMNPキャンペーンが適用対象外に
Y!mobileはソフトバンクからのMNPにも対応しているが、あくまで「番号移行」扱いであり、MNP相当のキャンペーンが適用されない。
もっぱらiPhoneはじめとしたY!mobileのスマホ端末を安く調達したい人だとMNP割引が適用できずに痛手となる。
【デメリット4】ソフトバンクスマホで使う場合でもSIMロック解除が必要
Y!mobileはソフトバンク回線を使ったキャリア・サービスだが、ソフトバンクスマホで使う場合でもSIMロック解除が必要となる。
ソフトバンクは現在は回線契約がなくてもSIMロック解除を受け付けており、中古スマホなどショップに持ち込めばSIMロック解除できる。ウェブから手続きすれば手数料もかからないので損はない(店頭手続きだと3,000円の手数料が発生)。
Y!mobile、どういう人におすすめできるか?
家族と一緒に乗り換えたい人
Y!mobileは「家族割」を適用すれば業界最安級の月額900円から利用できる。最初から家族2人以上での乗り換えを考えていて、「家族割」が適用できるのならばY!mobileの契約を強くおすすめする。
最低限の実店舗サポートが欲しい人
Y!mobileの代替候補として、同じくソフトバンク傘下でY!mobileの弟分となる格安ブランド「LINEMO」がある。ただ、こちらは安さ一転、実店舗サポートが受けられないネット専売サービスなので、どうしても実店舗サポートが欲しい人だとY!mobileが1枚上手だ。
現在使っているソフトバンクスマホをそのまま使いたい人
Y!mobileはソフトバンク回線を使ったキャリア・サービスなので、ソフトバンクスマホなら相性の悪さもなく、そのまま乗り換えられる。いざトラブルが発生してもソフトバンクショップでサポートが受けられるので丁度よい。
この記事のまとめ
Y!mobileのメリット、デメリットをその実仕様とともに解説した。おおよそまとめると以下のような感じだ。
▼ Y!mobileのメリット
- MNO(通信キャリア)ならではの高品質回線
- 「家族割」適用で業界最高級のコスパプランに
- 基本料金に「留守番電話」「キャリアメール」込み
- データ容量を使い切っても最大1Mbpsで通信可能
- 「Yahoo!プレミアム」特典が使い放題
- ソフトバンクショップで実店舗サポートが受けられる
▼ Y!mobileのデメリット
- 1人契約だと格安ブランド「LINEMO」よりも割高に
- 余ったデータ容量の翌月繰越不可
- ソフトバンクからの乗り換えだとMNPキャンペーンが適用対象外に
- ソフトバンクスマホで使う場合でもSIMロック解除が必要
▼ Y!mobileをおすすめできる人
- 家族と一緒に乗り換えたい人
- 最低限の実店舗サポートが欲しい人
- 現在使っているソフトバンクスマホをそのまま使いたい人
Y!mobileはあくまでキャリア・サービス、ソフトバンクの廉価版サービスとあり、多分にキャリア・サービスならではの使い勝手を残している。
それこそ実店舗サポート、通信品質、キャリアメールなど全部込みの料金プランとなるので、あまりスマホや通信サービスに詳しくない人でも気軽に乗り換えられる。
同じソフトバンク系列サービスの「LINEMO」と料金的に競合しているが、こちらは実店舗サポートが受けられず、家族割の提供もない。より初心者向けの通信サービスという意味ではY!mobileの方がおすすめできる。ぜひ試してみてほしい。
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