日本を代表する電機メーカーにしてオーディオメーカーの「ソニー」。
2017年に完全ワイヤレスイヤホン市場に参入。AirPods無双が続き、国産メーカーの話題少ないワイヤレスイヤホン市場において孤軍奮闘を続けている。
国産メーカーでは数少ないハイエンドユーザー向けのワイヤレスイヤホンも展開。ワイヤレスイヤホンであっても音質にこだわりたい人、AirPods Proなんぞに負けぬスペックモデルを探している人ならソニーの製品を1度チェックしてみた方がいい。
この記事ではソニーの完全ワイヤレスイヤホンを一覧にしてまとめていく。また、これまで当サイト「100GB.info」でレビューしてきたおすすめ機種も紹介したい。
この記事の目次(タッチで移動)
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ソニーの完全ワイヤレスイヤホンを種類ごとに解説
ソニーの完全ワイヤレスイヤホンは大きく以下3つに区分できる。
- 現行モデル
- 旧式モデル(かつ公式販売が継続中)
- 販売終了モデル
1. 現行モデル
市場価格:3万円前後 Amazonで確認
フラッグシップモデル(第3世代)。2021年6月に発売開始。ハイレゾ楽曲をダウングレードせずに再生できる「LDAC」コーデックに初対応。代名詞たるノイズキャンセリングも健在。
市場価格:1万円前後 Amazonで確認
スタンダードモデル。2021年10月に発売開始。ソニー独自機能「DSEE」対応。デジタル楽曲をCD相当に高音質補正してオーディオ再生できる。ノイズキャンセリングは非対応。
市場価格:2.3万円前後 Amazonで確認
オープンイヤーモデル。2022年2月に発売開始。イヤホンを装着したままでも周囲の音が聞き取れるので、テレビ見ながら、歩きながら、”ながら聞き”したい人におすすめ。ノイズキャンセリングは非対応。
2. 旧式モデル(かつ公式販売が継続中)
市場価格:2万円前後 Amazonでチェック
一世代前のソニーフラッグシップ(2019年7月発売開始)。ハイレゾ相当に高音質補正してオーディオ再生できる「DESS HX」機能に対応。ノイズキャンセリングも当然ながら使える。
市場価格:2万円前後 Amazonでチェック
スポーツ防水モデル。2020年6月に発売開始。IP55の防水防塵性能を備える。ノイズキャンセリングに対応するほか、ソニーの重低音ブランド「EXTRA BASS」名義の重低音モデルでもある。
市場価格:1.1万円前後 Amazonでチェック
ソニーの重低音ブランド「EXTRA BASS」冠するスタンダードモデル。2020年6月発売開始。ノイズキャンセリング非対応だが、遮音性の高いイヤホンデザインを採用しており、ほぼ耳栓のよう。
3. 販売終了モデル(※公式サイトには掲載中)
ソニーの完全ワイヤレスイヤホン、おすすめは次の3製品
当サイトでもレビューしたソニーのおすすめモデルは次の3つだ。
- WF-1000XM4(市場価格3万円前後)
- WF-C500(市場価格1万円前後)
- WF-1000XM3(市場価格2万円前後)
1. WF-1000XM4(市場価格3万円前後)
ソニーの現行フラッグシップモデル(2021年6月発売開始)
Androidスマホなら「LDAC」接続でハイレゾ楽曲をそのまま再生可能
通常オーディオ楽曲もハイレゾ相当に高音質補正して再生可能
ノイズキャンセリング対応、低周波音はあらかたカット
ワイヤレス充電(Qi充電)対応
イヤホンサイズが少し大きめ、耳が小さい人だと長時間の装着が辛そう
マルチポイント非対応
発売時期 | 2021年6月 |
市場価格 | 3万円前後 |
Bluetoothバージョン | 5.2 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC、LDAC |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体8時間、ケース併用で最大36時間 |
(ノイズキャンセリング利用時)イヤホン単体6時間、ケース併用で最大24時間 | |
充電方法 | USB Type-C(有線)、Qi(無線) |
防水性能 | ○(IPX4) |
通話マイク | ○ |
外音取り組み機能 | ○ |
ノイズキャンセリング(ANC) | ○ |
予算をふんだんに使えるならこれ一択。ソニーの現行フラッグシップモデル「WF-1000XM4」。
2021年6月に発売開始。同フラッグシップシリーズは2年に1度のペースでリニュアルされているので、次回作があれば2023年6月前後の登場が予想される。
Bluetoothオーディオコーデック「LDAC」に完全ワイヤレスイヤホンで世界初対応(※LDACはソニーが開発している)。Androidスマホと接続して使えばハイレゾ相当の情報量を持つオーディオ楽曲をダウングレードせず、そのまま再生できる。
たとえば、購入したハイレゾ楽曲だったり、Amazon Music HDやApple Musicで配信されるハイレゾ相当の情報量を持つ楽曲だったり、LDAC接続なら情報量をリサイズせずにイヤホンにデータ伝送。楽曲ままの高音質再生になる。
【補足】LDACで伝送できる情報量は理論値最大96kHz/24bit(990kbps)まで

WF-1000XM4の主たるセールスポイント「LDAC」
ソニーオーディオの代名詞たるノイズキャンセリング(ANC)にも対応。従来モデル同様に低周波音(濁音ノイズ)の低減に強みを持つほか、人の話し声など高周波音も極力カットしている。
言ったとこで完全ワイヤレスイヤホンの高周波音カットなどヘッドフォンに比べればたかが知れてる。ソニーもそれを踏まえたうえで、物理的な遮音性を高めるイヤホン構造を採用したり、低反発ウレタンによる吸音仕様のイヤーピースを搭載することで、従来モデルよりも物理的に遮音性を高める工夫を取った。

イヤーピースは新設計の低反発ウレタン採用
従来モデルの弱点として挙げられていた通話マイク性能が改善されたほか、防水対応も果たした(IPX4仕様)。また、ケースのワイヤレス充電(Qi充電)にもようやく対応した。
予算の都合さえつくのであれば購入してしまって損はない。ワイヤレスイヤホンながらも最高級のオーディオにこだわりたい人、ノイズキャンセリングを活用したい人におすすめだ。
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あわせて読みたいソニー「WF-1000XM4」レビュー【世界初LDAC対応ワイヤレスイヤホン】
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2. WF-C500(市場価格1万円前後)
ソニーの現行スタンダードモデル(2021年10月発売)
「DSEE」機能に対応、デジタル楽曲を高音質補正してオーディオ再生可能
イコライザー調整(音質調整)対応、好きな音、許容範囲の音にカスタムできる
イヤホン単体10時間使えるロングバッテリー搭載(ケース併用で最大20時間)
ノイズキャンセリング、外音取り込み機能には対応せず
イヤホン、ケースともに価格相応の安っぽさあり
発売時期 | 2021年10月 |
市場価格 | 1.1万円前後 |
Bluetoothバージョン | 5.0 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体10時間、ケース併用で最大20時間 |
充電方法 | USB Type-C(有線) |
防水性能 | ○(IPX4) |
通話マイク | ○ |
外音取り込み機能 | × |
ノイズキャンセリング(ANC) | × |
ソニーの現行スタンダードモデル「WF-500C」。2021年10月に発売開始した。
ノイズキャンセリングやLDAC(ハイレゾ相当のオーディオ再生)に対応しない、ごくごく普通のスタンダードモデル。
ソニー独自機能「DSEE」には対応。デジタル音源をCD相当の情報量に高音質補正してオーディオ再生できる。フラッグシップモデルで一般的なハイレゾ相当の補正に比べると地味な感じはあるが、それでもデジタル音源ならではの音が潰れた感じが消えるので音を聞く満足度は上がる。
専用アプリを使ったイコライザー調整にも対応しているので低音重視、高音重視などこだわりたい人なら活用したいところ。

iOS、Androidともに専用アプリ対応
フラッグシップモデル「WF-1000XM4」に比べるとイヤホン、ケースともに外装素材の安っぽさはある。典型的なプラスチック製品だ。
下手に高級感がない分、傷や汚れを極度に恐れず、少しばかり雑に扱えるというメリットはある。ただ、格好を気にする人だと真剣な悩みどころになるかもしれない。

ケース蓋は半透明、歯磨きケース感ある

イヤホン本体は紙っぽい素材(防水IPX4仕様)
オーディオ製品としては問題ないので”ソニー”ブランドのコスパよいワイヤレスイヤホンを探している人であれば「WF-C500」がおすすめだ。
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あわせて読みたい1万円で買えるソニーのワイヤレスイヤホン「WF-C500」レビュー
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3. WF-1000XM3(市場価格2万円前後)
一世代前のソニーフラッグシップ、現在は2万円前後で買える
音源をハイレゾ相当に高音質補正してオーディオ再生できる「DSEE HX」機能に対応
専用アプリ使ったイコライザー調整に対応
ノイズキャンセリング対応、低周波音を中心に現役モデル並みの雑音カット
通話マイク性能はしょぼい、マイク狙いの人にはおすすめできない
防水非対応、雨天時の屋外利用、汗かく運動中の利用は注意
発売時期 | 2019年7月 |
市場価格 | 2万円前後 |
Bluetoothバージョン | 5.0 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体8時間、ケース併用で最大36時間 |
(ノイズキャンセリング利用時)イヤホン単体6時間、ケース併用で最大24時間 | |
充電方法 | USB Type-C(有線) |
防水性能 | × |
通話マイク | ○ |
外音取り組み機能 | ○ |
ノイズキャンセリング(ANC) | ○ |
ソニーのひと世代前のフラッグシップモデル。2019年7月に発売開始。2021年6月に後継機「WF-1000XM4」が登場したが、以降も値下げしての継続販売が続いている。
2017年に登場した初代モデルは音ズレ(遅延)が酷かったが、今作にて堅実に改善。現行主流であるBluetoothバージョン「5.0」にも初対応したので接続の安定性も強化された。
ソニーのオーディオ補正機能「DSEE HX」に対応。デジタル音源をハイレゾ相当に高音質補正してオーディオ再生できる。もっぱら中音域〜高音域はクリアに、低音域は力強さが増し、現役モデルと比べても大差ない高音質オーディオになる。
ソニーオーディオの代名詞たるノイズキャンセリング(ANC)にも対応。低周波音を中心に雑音カット。オーディオ再生している状態であれば、ほぼ周囲の音が気にならない静寂が得られる。出先で音楽を聞いたり、動画を見たりする人なら存分に活用できそうだ。
2019年発売の製品ならではのデメリットもちらほら。防水機能は非対応。通話マイク性能はしょぼい。ケースのワイヤレス充電(Qi充電)にも対応せず。
ただ、もとより音楽を聞くためのワイヤレスイヤホンとして考えれば不満ないレベル。土台フラッグシップとして発売された製品だけあって、オーディオ性能、ノイズキャンセリング性能ともに「上の下」クラス。これで価格2万円となるとコスパの観点からもおすすめだ。
ソニー「WF-1000XM3」(市場価格2万円前後)
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この記事のまとめ
ここまでソニーの完全ワイヤレスイヤホンをまとめてきた。
公式サイトを覗くとワイヤレスイヤホンだけでも10製品近くが並んでいるが、現行モデルで言えば「WF-1000XM4」「WF-500C」「LinkBuds」の3機種だけ。これに旧式フラッグシップモデル「WF-1000XM3」を含めた4製品が主たる検討候補となるだろう。
ソニーのワイヤレスイヤホンだけあって、やはりオーディオ性能が強い。ワイヤレスイヤホンであってもできるだけオーディオにこだわりたい人であれば性能、機能、知名度ともにソニーの完全ワイヤレスイヤホンがやっぱりおすすめ。
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