当記事はメーカー元より商品提供を受けた上での無償レビューです。記事の内容の一切は筆者個人の見解に委ねられます。
ここ1年ほどで飛躍的に知名度を高めている充電器メーカーがある。それがRAVPowerだ。次世代充電器こと窒化ガリウム充電器を相次ぎ発表しては、その小ささでモバイラーの注目を集めている。
そんなRAVPowerから新たなモデルが発表された。今回レビューする「RAVPower PD 65W」(RP-PC133)である。最大65W出力できるUSB PD充電器であると同時に2ポート充電器であり、急速充電できるUSB Type-Aポートを備えている。
ノートPCが充電できるUSB PD充電器として、急速ワイヤレス充電などに使えるUSB Type-A充電器として、非常に汎用性の高い充電器であり、メイン充電器として使うのに遜色ない1品だ。RAVPower Japan様(SUNVALLEY JAPAN 様)より同商品を提供いただいたので以下レビューしていく。
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レビュー対象製品
RAVPower PD 65W
(RP-PC133)レビュー
製品概要
RAVPower PD 65W(RP-PC133)は、中華メーカー「RAVPower」が手掛けるUSB PD充電器。USB PD規格で最大65W出力できるので、スマホやタブレットはもちろんMacBook Pro 13など一般的なノートPCが大方充電できる。
また、急速充電に対応したUSB Type-Aポート(最大18W)も備えているので、急速ワイヤレス充電やQuickCharge充電などUSB Type-A環境の急速充電にも対応できる。
USB PD充電に対応したUSB Type-Cポート、急速充電に対応したUSB Type-Aポート、これらを併せ持つ2ポート充電器とあり、特に自宅の充電環境を整理・構築するのに役立つだろう。
販売価格はAmazon直販で4,599円。Amazon直販で購入して製品登録すれば保証期間を30ヶ月(=2年半)に延長できるので、いざというときの保証は手堅い。
外観・サイズ感

縦5.5cm、横5.5cm、厚さ3cmほど
2ポート充電器ながらも非常に小さい。同等出力のApple 61W充電器よりも1回りほど小さく、ここ最近のRAVPower充電器らしいコンパクトさ、ミニマルさは健在だ。

MacBook Pro 13に同梱されるApple 61W充電器(右)とサイズ比較

厚さは気持ちApple 61W充電器(写真右)の方が薄い
RAVPower PD 65W(RP-PC133)は、世界最小・最軽量を謳う RAVPower 61W USB-C急速充電器(RP-PC112)の兄弟モデルであり、従来のシリコンを使った充電器とは異なる窒化ガリウム(GaN)充電器となる。
窒化ガリウム充電器は発熱効率の良さから従来シリコン充電器よりも小型化が可能であり、ほぼ同出力のApple純正充電器に比べてもコンパクトなサイズ感を実現した。

RAVPower 61W USB-C急速充電器(右)とサイズ比較

RAVPower 61W USB-C急速充電器(右)とサイズ比較
Apple 61W充電器(写真右)、RAVPower 61W USB-C急速充電器(写真左)と並べてみた。
本体重量は115g。同等出力のApple 61W充電器が200g近い重量なので、これに比べると圧倒的に軽い。
電源プラグは折りたためるので持ち運び用途でも邪魔にならない。
充電器表面はツヤ仕上げされており、見た目の安っぽさは感じない。
さりげなく65W出力を示す「65」の刻印入り。格好いいと思うかは人それぞれといったところか。筆者的には好みだ。
USB PD充電のスペック確認
RAVPower PD 65W(RP-PC133)は最大65W出力できるUSB PD充電器。細かな出力仕様は以下のとおり。
充電器チェッカーで実際の出力仕様を測定したところ、表記通り、仕様通りだった。
これまでRAVPower充電器は5V/3A表記も実際には5V/2.4Aで設計された表記違い、仕様違いの製品が多く、筆者的にあまり良い印象がなかった。ただ、今作 RAVPower PD 65W (RP-PC133)は5V/3Aで設計された、紛うことなきUSB PD充電器であり、評価したい。
実際に充電してみる
RAVPower PD 65W(RP-PC133)の充電具合を確認していく。
ノートPC充電レビュー
RAVPower PD 65W は、USB PDポートのみで充電すれば最大65W出力できる。65Wというと、MacBook Pro 13などノートPCを充電するのに丁度よい出力だ。
実際にMacBook Pro 13で充電したところ、約48W(19.5V/2.44A)で充電できた。
Apple純正充電器での充電は約44W(19.7V/2.23A)だった。
ほぼほぼApple純正充電器と同出力で充電できたので、Apple純正充電器の代用充電器として、予備充電器として問題なく利用できるだろう。
なお上記充電では、どちらも充電ケーブルは エレコムUSB-Cケーブル(e-Marker内蔵)を使用。かつバッテリー残量20%前後の状態で充電を試した(USB PD充電はバッテリー残量が少ないほど高出力になる)。
USB Type-Aポート単独利用時は最大18Wに
RAVPower PD 65W(RP-PC133)は、USB PD充電器ながら最大18W出力できるUSB Type-Aポートを備える。
USB Type-Aポートで18Wと言うと、QuickCharge相当出力が可能だ。ワイヤレス充電器(Qi充電器)を挿して使えば急速ワイヤレス充電も行える。
実際にワイヤレス充電を試してみたところ、約8W(9.18V/0.98A)で充電でき、急速ワイヤレス充電の目安となる5Wを超えた(急速ワイヤレス充電は5W〜10W出力)。
QuickCharge充電も試してみたが、約14W(9.20V/1.61A)で充電できた。
よくある2ポート充電器だとUSB Type-Aポートが最大12W止まりのため、USB Type-Aポートで14Wが出ているのは、最大18W出力できる RAVPower PD 65W(RP-PC133)ならではだろう。
2ポート同時充電時の出力について
USB Type-CポートとUSB Type-Aポートを同時に使って充電した場合、以下のように出力が調整される(公式説明によると)。
- USB PDポートが45W以上のとき、USB Type-Aポートは最大5Wに
- USB PDポートが45W以下のとき、USB Type-Aポートは最大18Wに
試しにUSB Type-Aポートでスマホの急速充電(5W以上での充電)を行い、USB PDポートでMacBook Pro 13を充電したところ、約43W前後の出力となり、45Wを超えることはなかった。
何パターンか試してみたが、USB Type-Aポートで急速充電が可能な場合、USB Type-Aポートでの急速充電が第一に優先され、USB PDポートはそれに付随する形で出力調整されているようだ。
実際にUSB Type-AポートでiPhone向けの通常充電(5W以下)を行った状態で、再びMacBook Proを充電したところ、約49Wとなり、45Wの壁を超えた。
仮にUSB PDポートで(何がなんでも)46W〜60W出力したい場合は、USB Type-Aポートが急速充電にならないよう調整した方がよいだろう。
この記事のまとめ
RAVPower PD 65W(RP-PC133)をひととおりレビューした。
ワイヤレス充電器などまだまだUSB Type-Aポートが必要な場面は多いので、こうしたUSB PD充電器ながらUSB Type-Aポートも備える2ポート充電器は貴重だ。そのうえ、USB PDで最大65W、USB Type-Aポートで最大18Wとどちらも高出力なので、非常に汎用性は高い。自宅で使う環境構築用の充電器として考えれば、この上ない1品だろう。
もちろん、外出用途の予備充電器、ノートPCの代用充電器としても十分にパフォーマンスが発揮できるが、それならば最初から兄弟モデルの RAVPower 61W USB-C急速充電器(RP-PC112)の方がベストかも知れないので、こちらも参考にされたい。
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