現行nanoSIMカードに続く次世代のSIMカード規格「eSIM」。
iPhoneやGoogle Pixelで相次ぎ採用されたほか、楽天モバイルがeSIM発行に対応するなど日本国内でもeSIMの話題が増えてきた。
そうした中、IIJmioの格安SIMで知られるIIJ社が、ほぼ国内初となるeSIM専用サービス「eSIMデータプランゼロ」を発表。月額150円(実質月額450円)から使える破格コスパで注目を集めている。
この記事ではIIJmio「eSIMデータプランゼロ」の実測と使い勝手をレビューしていく。実際にどういう感じなのか、使い物になるのか気になっている人は参考にしてほしい。
この記事の目次(タッチで移動)
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eSIM基礎知識&サービス概要
eSIMとは
eSIM(イーシム)とは、標準SIM、microSIM、nanoSIMに続く次世代のSIMカード規格。
従来のような物理的なSIMカードを必要とせず、電話番号などのSIM契約情報をスマホに直接インストールしてSIMサービスが利用できる。
すでにiPhoneやGoogle PixelなどeSIMに対応。eSIMを提供している事業者からeSIMを発行して、SIM契約情報をスマホに読み込めば、そのままSIMサービスが開通&利用できる。
解約時はeSIM情報をスマホから削除するだけなので、当然ながらSIMカードの返却などは必要ない。
IIJmio「eSIMデータプランゼロ」について

出典:IIJmio「eSIMデータプランゼロ」
IIJmio「eSIMデータプランゼロ」は、ほぼ日本初となるeSIMサービス。月額150円から利用できる。2020年3月よりサービス提供が開始された。
いかんせん「eSIM」とあり、妙なとっつきにくさはあるが、中身を紐どけば単なるドコモ回線を使った格安SIMサービス(MVNO)に過ぎない。これまで標準SIM、microSIM、nanoSIMで提供されたIIJmioの格安SIMが新たにeSIMで提供されるだけである。
IIJmio「eSIMデータプランゼロ」の料金プラン
IIJmio「eSIMデータプランゼロ」の料金プランは以下のとおり。
基本料金(税抜) | 月額150円 |
音声通話 | × |
SMS | × |
基本データ容量 | 0GB |
追加クーポン料金(税抜) | 毎月最初の1GBは300円、以降は1GBごとに450円 |
確認事項
- 初期費用に3,000円(税抜)必要
- データ通信のためには追加クーポンの購入が必要
- 追加クーポンの有効期限は購入月の末日まで
- 追加クーポン(高速通信)のON/OFF不可
- 最低利用期間は契約翌月の末日まで(違約金なし)
注意点
IIJmio「eSIMデータプランゼロ」は、月額150円から提供されるものの、追加クーポンが0GBの状態だと通信が一切行えない特殊仕様で提供される。月額150円まま低速通信で使い回すといった使い方はできない。
通信を行うためには最低でも1GB分のクーポンを購入せざるを得ず、実質的に最安月額450円プランとなる。
IIJmio「eSIMデータプランゼロ」が使えるスマホ一覧
日本国内で発売されているスマホに限ると以下のようなラインナップとなる。
▼ IIJmio「eSIMデータプランゼロ」が利用できるスマホまとめ(eSIMに対応したスマホまとめ)
iPhone | ||
iPhone 12シリーズ(2020) | iPhone SE 第2世代(2020) | iPhone 11シリーズ(2019) |
iPhone XS/XS Max(2018) | iPhone XR(2018) | |
Androidスマホ | ||
Google Pixel 5(2020) | Google Pixel 4aシリーズ(2020) | Google Pixel 4シリーズ(2019) |
OPPO A73(2020) | P40 Pro(2020) |
※すべてSIMフリースマホ限定(キャリア版はSIMロック解除が必要)
IIJmio「eSIMデータプランゼロ」を実測レビュー
1日の中で最も通信が混み合う【朝7時】【昼13時】【夜19時】の3つの時間帯にスピードテストで速度計測を行った。
なお、eSIM開通までの手順は以下記事を参考にしてほしい。
朝7時台(平日)
下り | 上り | |
1回目計測 | 22.2Mbps | 8.50Mbps |
2回目計測 | 15.0Mbps | 9.71Mbps |
3回目計測 | 14.0Mbps | 9.10Mbps |
朝7時台は安定した速度だった。ニュースアプリを開いたり、twitterを更新してデータ読み込む程度の使い方なら問題なく行える。ダウンロード速度が10Mbpsを超えているので格安SIMとして考えれば実用十分だ。
昼13時台(平日)
下り | 上り | |
1回目計測 | 0.76Mbps | 2.94Mbps |
2回目計測 | 0.91Mbps | 4.00Mbps |
3回目計測 | 0.74Mbps | 3.47Mbps |
昼間の速度は典型的な格安SIMといったところ。twitterをやる程度なら問題ないが、ダウンロード速度が1Mbpsにも届かないので、YouTube動画を見たりdマガジンをダウンロードして使うには辛い(というか現実的ではない)。
夜19時台(平日)
下り | 上り | |
1回目計測 | 12.6Mbps | 4.06Mbps |
2回目計測 | 25.2Mbps | 7.30Mbps |
3回目計測 | 9.28Mbps | 7.65Mbps |
格安SIMだと辛いイメージのある夜19時台だが、予想以上に速度が出ていて驚いた。YouTube動画が普通に見れるし、ソシャゲの追加ダウンロード&周回も支障ない。
所感
昼間を除けば速度は安定していた。ここらはeSIMの評価よりかはIIJのサービス評価となるが、とりあえず格安SIMと理解した上で運用する分には問題ないだろう。
あくまでサービス自体は格安SIM(MVNO)として提供されるのでeSIMだから速いとかそういうことはない。この点、勘違いせぬように。
テザリング設定はもう一手間あり
IIJmio「eSIMデータプランゼロ」は、APN自動選択機能によりAPN設定やプロファイルのインストールなどせずにデータ通信が開始できる。
ただ、テザリング用のAPNのみ自動設定されない。テザリングしたい場合は手動でモバイルデータ通信とテザリング用のAPNを設定する必要がある。
APN設定手順
設定アプリを開き、「モバイル通信」を選択。「モバイル通信プラン」項目からeSIM回線をタッチして次のページへ進む。
「モバイルデータ通信ネットワーク」を選択。
「モバイルデータ通信」と「インターネット共有」の項目に以下のAPNを入力(※どちらも同じAPN内容)。
APN | iijmio.jp |
ユーザー名 | mio@iij |
パスワード | iij |
以上でeSIMでもテザリングできるようになる。
この記事のまとめ
IIJmio「eSIMデータプランゼロ」を実測レビューした。
あくまでサービス自体はIIJmioの格安SIMであり、eSIMだからといって通信速度が爆速というわけではない。それこそ昼間の時間帯はよくある格安SIMだ。ここらの勝手を理解している人が契約すべきだろう。
公式サイトでは定期的に初期費用0円キャンペーンをやっているので、そうしたキャンペーンも活用してeSIMが気になる人は試してみてはどうだろうか。
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