格安SIM「BIGLOBEモバイル」を提供するビッグローブ株式会社が新たに開始したサービスブランド「donedone」(ドネドネ)。
月額2,728円で月50GBのデータ通信が利用できる。
コスパ特化の大容量プランであり、流行りのahamoやpovoを意識した格好だ。
他方、通信速度は最大で3Mbpsに制限される。また、サービス自体は格安SIM(MVNO)として提供されるため、昼間など混み合う時間帯の通信品質にも不安が残る。
とはいえ、ビッグローブは現在はKDDIの完全子会社であり、かつての格安SIM時代のUQmobileのような通信優遇があるかもしれない。その実態を調べるべく早速donedoneを契約してきた。以下レビューしていきたい。
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BIGLOBEの新ブランド「donedone」(ドネドネ)レビュー
サービス概要
donedone(ドネドネ)はビッグローブ株式会社が提供するサービスブランド。SIMカードサービスとして提供される。2021年7月1日より新規受付を開始した。
サービス名の由来はdonation(ドネーション、寄付)から。月々の支払い料金の一部を自ら選んだ社会貢献団体に寄付できる。SDGs時勢ならではのサービスコンセプトだ。
ビッグローブ株式会社が提供している「BIGLOBEモバイル」に続く2番目のサービスブランドとして展開。将来的には5GやeSIMの提供も予定しており、BIGLOBEモバイルと並ぶ2本柱として力を入れていく模様。
料金プラン
料金プランは「ベーシックU」「カスタムU」「エントリー」の3つを用意。
プラン名 | 月額料金(税込) | データ通信量 | 通信速度上限 | 音声通話 |
【音声プラン】 | ||||
ベーシックU | 2,728円 | 月50GB | 3Mbps | 通話料30秒/22円(無料通話なし) |
カスタムU | 対象アプリ3つのみ上限なし、ほか1Mbps | |||
【データプラン】 | ||||
エントリー | 0円 | 月50GB | 128kbps | -- |
いずれもau回線プランとして提供される。
BIGLOBEモバイルだとドコモ回線が選べるが、donedoneだとau回線のみ。
カスタムU(音声プラン)で速度無制限になる対象アプリについて
速度無制限を適用するアプリとして以下から3つまで選択できる。
BIGLOBEモバイルが提供しているエンタメフリーオプションに似たメンツが揃う。選ぶとしたら「YouTube」「ABEMA」あたりが無難なところだろうか。SNSや音楽ストリーミングは1Mbpsあれば速度的に十分だ。
なお、速度無制限を適用するアプリ3つは任意のタイミングで変更できる。1度変更すると以降1時間は変更できない制約付きだが、たかだか1時間なのでそこまで問題ではないだろう。
エントリー(データプラン)について
データ通信専用プランとなる「エントリー」は、今の時代には珍しい0円SIM。128kbpsで月50GBのデータ通信が利用できる。
有料の高速通信オプションなど提供しておらず、速度制限は解除できない。メールやLINE受信用のとりあえずの通信回線を確保しておきたい人なら利用価値があるかもしれない。
最低利用期間と違約金の設定なし
上記3つのプランとも最低利用期間と違約金は設定されておらず、いつでも解約(MNP)できる。
3Mbps通信の実測はどれくらい?
donedoneで特に注目を集めるのが「ベーシックU」の3Mbps通信。
3Mbpsとは言わずも、実測で1Mbpsも出ていれば御の字と考える人も多いだろう。
肝心の通信速度だが、昼間の時間帯も含めて3Mbps前後の通信速度が出ていた。
そして、それ以上にPING値(サーバーからの応答速度)が高速だ。格安SIMだと昼間は100msオーバーが一般的だが、donedoneは20ms台で収まっている。PING値だけで見ればUQmobile、Y!mobileら格安のMNOサービスといい勝負だ。

格安SIMとしては異例の昼間のPING値20ms台
昼12時ど真ん中に3回ほど計測してみたが、いずれも安定して3Mbps前後、PING値が20ms台だった。
ダウンロード速度 | アップロード速度 | PING | |
1回目計測 | 3.30Mbps | 2.54Mbps | 25 |
2回目計測 | 3.25Mbps | 2.95Mbps | 26 |
3回目計測 | 3.22Mbps | 2.71Mbps | 27 |
これだけの速度が出てればYouTubeやABEMAは違和感なく再生できる。Netflixも少しだけ待つ必要はあるが、読み込みさえ完了すれば再生できる。SNSやweb閲覧などテキスト読み込みは問題すら感じない。
今後どれだけ通信速度や通信品質が維持されるのかは未知数だが、現時点の結果で言えば、おすすめに値する通信サービスだと言える。
3日あたりの通信制限なども設定されておらず、Apple MusicやAmazon Musicなどでデータ通信を垂れ流す使い方にも丁度いい。
この記事のまとめ
ひととおりdonedoneをレビューしてきた。
ベースは格安SIM(MVNO)だが、昼間の時間帯も含めて3Mbps前後の通信速度をキープしていた。
なによりPING値が20ms台と高速。とりあえず2021年7月時点においてはサービス内容に嘘偽りない優秀な通信サービスとの印象を持った。
3Mbpsあれば普段使いでは文句ないので、今後も昼間の時間帯を含めて実測3Mbps前後の通信速度がキープできるのであれば、ahamoやpovoに並ぶ有力な大容量プランとしてポジション確立しそうだ。