ドコモ、au、ソフトバンクに続く4番目の通信キャリアとして開始された「楽天モバイル」。
まだまだ新参キャリアとあり、楽天回線が使えない地域ではパートナー回線ことau回線で通信代替している。もっぱら地方住みの人だと楽天回線よりもau回線をメインに使うことになるが、では肝心のau回線はどの程度の通信品質なのか気がかりな人も多いだろう。
そこで、この記事では楽天モバイルのau回線に限った特化レビューを展開。au回線の通信品質やau回線下で専用アプリ「Rakuten Link」が使えるかなど検証していく。
楽天モバイルを検討している地方住みの方など情報を参考にしてほしい。
先に確認しておきたい楽天モバイルの基本仕様
楽天モバイルは楽天回線とau回線のダブルキャリア・サービス
2021年現在、楽天モバイルはKDDIとの協業サービスで展開され、楽天回線が繋がらない地域ではau回線で通信代替される。
楽天モバイルのサービスエリア外となる地域、もっぱら地方に住んでいる人でもau回線で楽天モバイルが利用できる。
なお、楽天回線でカバーできている都市部でも地下鉄やビルの中だと楽天回線が繋がらず、au回線で通信代替していたりする。現在接続している回線が楽天回線かau回線かは専用アプリや各種ツールで確認できる。
au回線は月5GBまで、以降は1Mbps制限
楽天回線が繋がらない地域ではau回線で通信代替できるが、au回線で通信できるのは月5GBまでとなる。以降は最大1Mbpsでの通信となる。
楽天モバイルの代名詞たる月無制限のデータ通信は楽天回線エリアに限られるので、楽天回線が使えない地方住みの人だとデータ無制限の恩恵はない。
au回線単体での楽天モバイル運用を考えている人は、基本的には月5GBまでのサービスとして割り切るべきだろう。
楽天モバイルのau回線の通信品質・通信速度について
楽天モバイルのau回線はローミング形式で提供される。格安SIM(MVNO)と違ってauの通信基地と直で通信できるので、格安SIMに比べて圧倒的に高品質な通信回線が利用できる。
格安SIMだと辛い【朝7時台】【昼13時台】【夜19時台】に3回づつ速度計測したが、いずれの時間帯でも安定した速度で通信できた。
▼ 朝7時台(平日)
下り | 上り | PING | |
1回目 | 38.8Mbps | 16.5Mbps | 27 |
2回目 | 39.2Mbps | 16.2Mbps | 28 |
3回目 | 42.8Mbps | 18.3Mbps | 28 |
▼ 昼13時台(平日)
下り | 上り | PING | |
1回目 | 27.6Mbps | 17.4Mbps | 23 |
2回目 | 29.7Mbps | 17.9Mbps | 24 |
3回目 | 30.6Mbps | 17.7Mbps | 24 |
▼ 夜19時台(平日)
下り | 上り | PING | |
1回目 | 14.2Mbps | 4.79Mbps | 29 |
2回目 | 14.4Mbps | 7.25Mbps | 29 |
3回目 | 16.8Mbps | 5.65Mbps | 28 |
格安SIM(MVNO)だと大手キャリアの通信基地の間借りサービス、レンタルサービスに過ぎないので、どうしても利用者が混み合う時間帯だと通信速度が遅くなる。
対して楽天モバイルのau回線はローミング接続での通信となる。現地エリアのauの通信基地に直で接続して通信を行うため、格安SIMだと辛い昼間の時間帯も通信速度が安定している。PING(サーバーとの接続速度)も高速で通信延滞など見られない。
YouTube動画を見たり、dマガジンのダウンロードも容易に行えるし、ニュースアプリ、SNSアプリを使う程度なら問題すら感じない。基本的にau回線が使える地域であれば同様の結果が得られると思う。
au回線下でも無料通話アプリ「Rakuten Link」は使える
楽天モバイルは専用通話アプリ「Rakuten Link」を使えば国内通話料が完全無料になる。
同アプリはau回線下でも問題なく利用できる。言い換えれば、au回線しか使えない地方住みの楽天モバイルユーザーであっても通話料無料が適用できる。通話メインでの利用を考えている人でも安心してほしい。
Rakuten LinkアプリはIP電話(インターネット電話)ではなくSMSと同じ電話通信網を使った通話アプリとなる。電話番号がそのまま相手に通知されるほか、固定電話にも電話がかけられるなど使い勝手はよい。
2021年4月からの新料金プラン下でのau回線の扱いについて

出典:楽天モバイル
2021年4月より楽天モバイルの料金プランが月々のデータ利用量に応じた段階定額プランに変更となる。
データ利用量が月3GBまでなら月額980円だが、月3GB〜20GBまで使うと月額1,980円に、月20GB以上使うと月額2,980円になる。
月5GBまで使えるau回線分は、そっくりそのままデータ利用量としてカウントされる。月5GB以降の1Mbpsでの制限通信分も同じくカウントされる。
そのため、au回線オンリーで月5GBまで使うと月額1,980円と中途半端に割高な料金になってしまう。願わくば月3GBで止めておいて月額980円にした方がコスパよいだろう。
【参考】au回線オンリーの楽天モバイル料金と各社比較
月額料金 | データ容量 | 無料通話 | |
楽天モバイル(au回線オンリーで月5GB利用と仮定) | 月額1,980円 |
月5GB(以降は1Mbps) | 国内通話が完全無料 |
楽天モバイル(au回線オンリーで月3GB利用と仮定) | 月額980円 | 月3GB(+α) | |
UQmobile「くりこしプランS」 | 月額1,480円 | 月3GB(以降は1Mbps) | なし |
Y!mobile「シンプルS」 | 月額1,980円 | 月3GB(以降は1Mbps) | |
au「povo」 | 月額2,480円 | 月20GB(以降は1Mbps) | |
ドコモ「ahamo」 | 月額2,980円 | 月20GB(以降は1Mbps) |
1回5分以内の国内通話が完全無料 |
SoftBank on LINE |
この記事のまとめ
楽天モバイルのau回線の使い勝手についてひととおり解説した。
通信品質自体は問題ない。通話料が無料になる専用アプリ「Rakuten Link」も利用できるので、楽天回線が使えず、au回線メインとなる地方住みの人でも一定の実用性とコスパが担保される。
ただ、au回線オンリーだと月5GBしか高速通信できない。2021年4月の新料金プラン導入に伴い、月5GB利用すると月額1,980円と中途半端に割高な料金になってしまうので少しばかり注意が必要だ。
料金面は楽天モバイルが展開している1年無料キャンペーン適用者であれば当面は問題ないが、すでに無料対象となる300万回線のうち200万回線の枠が埋まったとのことなので、キャンペーン狙いの人はお急ぎあれ。
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