Amazonが提供するオーディオブックサービス「Amazon オーディブル」(Amazon Audible」。
2022年1月よりプラン内容を全面改訂。月額1,500円でオーディオブックが聴き放題になる、文字どおりの「聴き放題プラン」へと進化した。
さながらKindle Unlimited(Kindle書籍の読み放題サービス)の音声版。
Kindleや紙書籍と違ってワイヤレスイヤホン一つあれば読書が始められるので、読書のために意識して時間を確保する必要ない。移動中、運動中など空き時間を有効活用できる。
この記事では、Amazon オーディブル「聴き放題プラン」のプラン概要、おすすめ作品タイトル、そのほかアプリの使い勝手などひととおりまとめている。
現役ユーザー(筆者)ならではの知見も含めて情報をまとめた。Amazon オーディブルの契約を検討している人は契約前に一度記事をチェックしてみてほしい。
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Amazon オーディブル「聴き放題プラン」のプラン概要
月額料金は1,500円(税込)
Amazon オーディブルは、2022年1月より現行プランにリニュアル。
従来プランだと月額1,500円で月1本の無料本とポッドキャストしか聴けなかったが、現行プランでは月額1,500円で使える書籍の聴き放題プランとして提供される。さながら「Kindle Unlimited」の音声版プランのよう。
聴き放題プランの対象となる書籍は公称12万冊。日本語タイトルは1.8万冊ほど。主な作品ラインナップは次の項目で解説している。
Amazon オーディオ「聴き放題プラン」の料金プラン概要
月額料金(税込) | 1,500円 |
年額払い(税込) | - |
無料体験期間 | 入会から30日 |
聴き放題の対象冊数 | 12万冊(日本語タイトルは1.8万冊) |
独自ポッドキャストの聴取権利 | あり |
コンテンツの単品購入 | 可能 |
無料体験期間は30日
初回契約であれば30日間の無料体験期間あり(2022年3月時点)。
無料体験期間中に解約すれば月額料金は発生しない。
聴き放題プランでポッドキャストも聞ける
Amazon オーディブルはポッドキャストサービスを独自に展開している。聴き放題プランの加入者であれば、これらもすべて聴取できる。
正直あまりめぼしい作品はないのだが、短時間で再生できる作品が多いのでより短い空き時間で楽しめるという意味では評価してもいいかも。
ポッドキャスト一覧はAmazon オーディブルの公式サイトから確認できる。
オーディオコンテンツの単品購入も可能(購入しとけば解約後も聴取可能)
Amazon オーディブルで提供されるオーディオコンテンツは、Kindle書籍のようにコンテンツ単体での購入も可能。
購入してしまえば聴き放題プラン解約後もコンテンツの聴取権利が残るため、聴き放題で気になる作品、解約後もチェックしたい作品があったら単品購入がおすすめ。
ちなみに、聴き放題プランの加入者であれば、プラン非加入者に比べて購入価格が30%引きになる特典あり。
Amazonプライム会員向けの特典は特になし
Amazon オーディブルはAmazonサービスの一つだが、特にAmazonプライム会員向けの特典など用意せず。
聴き放題プランは解約・退会せずに休会できる(最大3ヶ月)
Amazon オーディブルは1年に1回、最大3ヶ月まで休会できる。休会期間中の月額料金は発生しない。
なお、無料体験期間中だと休会できない。無料体験期間を経て、最低でも1ヶ月分は料金を支払い、その次月より休会する形となる。
聴き放題プランに加入せず単品購入だけする使い方も可能
ここまで「聴き放題プラン」(月額1,500円)を紹介してきたが、オーディオコンテンツを単品購入するだけであれば、あえて聴き放題プランに加入する必要はない。さながらKindle書籍のように欲しい作品だけピンポイントで購入できる。
ただ、「聴き放題プラン」に加入していない人だと単品購入価格が会員価格よりも3割増になる。この点は注意あれ。
Amazon オーディオ「聴き放題プラン」で聴ける おすすめ作品ラインナップ
※情報は2022年3月時点(作品の聴き放題が終了になってる場合あり)
小説作品は絶対的におすすめ、独占配信タイトル多し
Amazon オーディブルは、池井戸潤、宮部みゆきなどメジャー作家の独占配信権を持つ(※オーディオコンテンツに限り)。
そのほとんどの書籍が聴き放題プランの対象コンテンツに含まれる。たとえば以下のような作品だ。
芥川賞はじめとした賞レース作品も揃う。又吉直樹「火花」、羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」、村田沙耶香の「コンビニ人間」などいずれも聴き放題プランの対象コンテンツとなる。
オーディオコンテンツは朗読を主体とする音声コンテンツとあり、やはり小説の相性は抜群。さながら読み聞かせのよう。声優、ナレーターによる朗読クオリティも高いので寝落ちコンテンツとしても最高だ...!
海外小説も豊富
海外小説の翻訳版も出揃う。たとえば、中国発の大作SFとして話題になった「三体」は3部作とも聴き放題プランの対象に。
また、英作家、ジョージ・オーウェルの名著「一九八四年」。世界文学の最高傑作の一つとされるドストエフスキー「罪と罰」など、ひととおりメジャーな海外作品は揃ってる。
海外文学をダイジェストで解説するコンテンツも豊富。朗読とは少しばかり勝手が異なるのだが、学べる要素を重視する人だと丁度いいコンテンツかもしれない。
ラノベのラインナップは異常、アニメ版声優を使ったガチ仕様
ラノベも独占配信タイトル多し。「物語シリーズ」「俺ガイル」あたりのメジャーな作品はすべてAmazon オーディブル限定の独占配信タイトルとなる。
いずれもアニメ版の声優を使った朗読劇として展開。特に「物語シリーズ」だと朗読劇そのものなのでオーディオコンテンツとの相性は抜群。
近代文学も揃う
夏目漱石や太宰治といった近代文学はひととおり揃う。青空文庫に収録される無料作品(著作権切れ作品)ということもあり、オーディオ化も進んでいる。
以下のようなメジャーな作品は聴き放題プランで聴取できる。
ビジネス書はメジャータイトルは揃ってる
ビジネス書はメジャーなタイトルは揃っている。
競合のオーディオブック.jpの方がビジネス書のラインナップは強かったりするのだが、そのうえで、Amazon オーディブルであってもメジャーなタイトルは揃っている。
とにもかくにもビジネス書だけ読みたい人を除けば文句ないラインナップだ。
近年の作品で言うと鈍器本(全788ページ)こと「独学大全」はじめ、「アウトプット大全」「1分で話せ」などひととおり聴ける。
海外のビジネス書だとD・カーネギーの「道は開ける」なんかも。アムロ声優の古谷徹が朗読しててなかなか味がある。もとより海外のビジネス書はストーリー仕立てなのでオーディオコンテンツとの相性はよい。
専用アプリ(再生プレーヤー)の機能と使い方
iPhone、Androidともに専用アプリあり
Amazon オーディブルはアプリ経由で再生可能。
アプリはすでにiOS、Androidの双方に配信される。
再生プレーヤーで使える機能はこれ
Amazon オーディブルの再生プレーヤーは非常に優秀。「再生/停止」「前の章」「30秒前戻し」「次の章」「30秒後送り」の操作ボタンを備える。
これに加えて以下4つの機能もあり。
1. 再生速度(倍速再生機能)
再生速度を0.5倍〜3.5倍まで細かく調整可能。普段から倍速再生している人なら使ってみては。
2. 目次(章ごとの目次移動)
章見出しごとにピンポイントに再生可能。大見出し、小見出しすべて移動できる。
オーディオコンテンツは再生時間が長いものだと数十時間に及ぶものもある。こうした作品をキリよく漏れなく効率的に楽しむことを考えると、やはり柔軟に章見出しごとに再生できるのは重宝する。
(以下で紹介する)スリープ機能と組み合わせれば章ごとの再生自動ストップも可能。
3. スリープ(再生自動オフタイマー)
一定時間で再生をオフにできるスリープタイマー機能。寝落ちしたい人に丁度いい。
また、章ごとの再生自動ストップも可能。長い作品を聴いてるときにキリがいいところで再生を切り上げたいときに重宝する。
4. クリップ(付箋機能)
これはそのまま付箋機能。気になったタイミング(秒数)をピンポイントで記録しておける。
メモとして使うのはもちろん、再生を中断する際に付箋をチェックしておけば、再生プレーヤーがイカれて再生開始場所が狂ったときの保険になる。
アレクサからの音声起動(音声操作)に対応
Amazon オーディブルはAmazonサービスの一つとあり、アマゾンの音声サービス「アレクサ」経由で再生プレーヤーが音声操作できる。
アレクサを起動して、「〇〇(作品名)を再生して」と言うとそのままオーディブルの再生が開始できる。音声操作で再生をストップさせることも可能。
ただ、残念ながら付箋機能(クリップ機能)には対応せず。付箋を付けたい場合は都度アプリから操作する必要がある。
昨今だとアレクサが起動できるワイヤレスイヤホンが登場している。Amazon純正ワイヤレスイヤホン「Echo Buds」などだ。こうしたデバイスと組み合わせれば運動中など逐一スマホをいじらずにAmazon オーディブルが再生できるので、よりカジュアルにシームレスに読書できてよい。
Amazon オーディブルの主な注意事項(ないしデメリット)
すべての作品が「聴き放題プラン」の対象というわけではない
Kindle Unlimitedを使ったことがある人なら勝手を理解しているかもしれない。
あくまで聴き放題の対象となるのは公式いわくの12万冊だけだ。日本語タイトルだと1.8万冊ほど。
聴き放題の対象外の作品だと逐一単品購入する必要がある。
おおよそメジャーな作品だと聴き放題の対象作品となるが、それでも新刊なんかは聴き放題から外されていることが多く、Kindle Unlimitedのような妙なケチ臭さを感じるかもしれない。
単品購入価格はわりと(結構?)高い
近代文学などであれば1冊500円くらいの作品もあるが、新刊、準新刊だとこぞって3,000円前後、会員価格で2,100円前後といったところ。
たとえば、芥川賞の受賞で話題になった「推し、燃ゆ」は価格2,500円、会員価格で1,750円。Kindleだと1,386円、紙だと1,540円(中古だと500円くらい)。なお「推し、燃ゆ」は聴き放題プランの対象コンテンツには含まれていない。
「推し、燃ゆ」の媒体ごとの販売価格
Audible | 2,500円(聴き放題プラン会員は1,750円) |
Kindle | 1,386円 |
紙(新品) | 1,540円 |
紙(古本) | 最安500円前後 |
ほぼほぼ紙書籍、Kindle書籍と並べた価格設定になる。オーディオコンテンツだとテキスト情報の一切が得られず、完全に音声だけのコンテンツとなるため、これを考慮すると割高に感じるかもしれない。
乱読には向かない、これだ!!という1冊を深く理解するために使うべき
これはAmazon オーディブルの一ユーザーとしての感想なのだが、Amazon オーディブルは乱読には向かない。どちらかと言うと「これだ!!」という1冊をきちんと理解するためのサービスだと思っている。
巷では「書籍を聞き流して時間を有効活用〜」みたいな物言いもあるが、よほど器用な人を除けばこうした使い方は現実的ではない。最低限、音声に意識を向ける必要はある。
Amazon オーディブルは朗読を通じて文字を一字一句までしっかり聴き取ることによる、文字の理解、内容の理解、本の理解を促進するためのツールだ。もとより乱読したいだけであればKindle Unlimitedを契約した方がいいだろう。
この記事のまとめ
Amazon オーディブルの情報についてひととおりまとめてきた。
月額1,500円の聴き放題プランにリニュアルされたことでお得感は高まってる。
月額980円のKindle Unlimitedに比べると料金設定が高めだが、オーディオコンテンツということもあり、書籍のようにしっかりと構えて本を読む必要がない。ワイヤレスイヤホン一つあれば本が読める(本が聞ける)。いつでも本が読めるという点ではAmazon オーディブルの方が上手だ。
初回契約であれば30日の無料体験期間あり。実際の勝手が合うか迷っている人であれば、とりあえず無料で試してみてはどうだろう。
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